整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

屈曲ギャップ

TKA: 屈曲ギャップ21mmではインサートが入りませんでした

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昨日の午前は人工膝関節全置換術(TKA)でした。
術前から関節拘縮が高度な方だったので、骨切後のギャップが非常にタイトでした。


トライアルまで行ったのですが、ギャップがタイト過ぎてどうしてもインサートが入りませんでした。この方は骨切り終了の段階でテンサーで計測したところ、40ポンドで伸展ギャップ20mm、屈曲ギャップ21mmでした。


理論的には20mm以上のギャップがあればインサートを挿入できるはずですが、やはり屈曲ギャップ21mmでは厳しかったです。今回は脛骨骨切り面を2mm切り下げることでインサートが挿入可能となりました。


経験的にはテンサーの計測が、40ポンドで伸展ギャップ22mm、屈曲ギャップ26mm程度あれば術後の可動域訓練も比較的スムーズに進む印象です。


内外側の靭帯バランスは軟部組織の解離で対応するべきですが、さすがに伸展・屈曲ギャップともタイトな症例では脛骨の切り下げで対応せざる得ないと思いました。




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高度の拘縮膝に対するTKA ~前回の反対側~

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今日の午前は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。
今日の症例は、
前回の手術の際に高度の屈曲拘縮で苦しんだ方の反対側です。


今回の膝関節拘縮は、前回ほど悪くはなくて伸展-40度でした。ちなみに前回手術側の術後膝関節可動域は、屈曲90度~伸展-10度です。


脛骨の骨欠損もほぼ同程度なので、まさに左右対称な単純X線像の所見です。
前回の学習効果の成果か、今回は比較的スムーズに手術を終了することができました。


前回と同様に、屈曲ギャップ>>伸展ギャップだったので、今回は大腿骨側13mm、脛骨側12mmの骨切りを行いました。やはり、通常どおりの大腿骨・脛骨とも9mmずつの骨切りでは、全く伸展ギャップを確保することができませんでした。


高度の拘縮膝に対するTKAは難しいですが、慣れると意外とスムーズに手術できるものですね。


※ TKAの手術記録のテンプレートが必要な方は、私の運営するサイトら自由にダウンロードしていただけます。ただし、手術記録のテンプレートはあくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行っていただけますよう重ねてお願いいたします






屈曲拘縮の無い、高度拘縮膝に対するTKA

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今日の午前は人工膝関節全置換術(TKA)でした。術前の膝関節可動域が屈曲40~伸展0度と、高度の拘縮をみとめていた症例で手術中も展開がかなり困難でした。案の定、大腿骨遠位を切除しても膝屈曲60度ぐらいにしかなりませんでした。


このような症例では伸展ギャップ>屈曲ギャップなので、小さめの大腿骨コンポーネントを選択してインプラントを大腿骨の前方気味に設置することで後顆の切除量を増やして屈曲ギャップを稼ぎます


計測のワンサイズダウン程度が妥当ですが、本日の症例は結果的にツーサイズダウンが妥当でした。計測よりもツーサイズもサイズダウンすることは結構勇気が要ります。


展開していく過程でどんどん拘縮を解除していきますが、軟部組織の剥離だけではある程度限界があります。したがって積極的に骨棘を切除したり、膝蓋骨関節面・脛骨顆間隆起のラフカット脛骨内~背側の余剰骨切除を織り交ぜながら術野を展開する必要があります。


高度拘縮膝に対するTKAはなかなか難しい手術ですね。

TKAの靭帯バランス

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昨日の午後は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。
関節リウマチなのですが膝関節の拘縮が著明で、術前の可動域が70-20-0度でした。


大腿骨のdistal cutをした段階で、おおよその靭帯バランスのチェックをしたところ伸展がかなりタイトでした。このような場合、まず大腿骨遠位骨切面に、最も薄いスペーサーブロック(ZIMMER NEXGENの場合は10mm)を当てて下肢を牽引します。


この状態でスペーサーブロックの反対側の面を脛骨にマーキングすることで、脛骨骨切りのおおよその部位を判断できます。この段階で術前の作図とかなり骨切り量が異なる場合は要注意です。術中のスペーサーブロックでの計測位置の方が正確な場合が多いので、大腿骨もしくは脛骨の切足しが必要となりがちなのです。


更に骨切りが進んでトライアルの段階になると、いよいよテンサーの登場です。PSタイプのTKAの場合、PCLが屈曲時の安定に寄与するため、伸展ギャップより屈曲ギャップの方が大きくなります。つまり、屈曲ギャップ=伸展ギャップ+4mm程度が理想的となるのです。機種によっては+6mmまで許容される場合もあります



このようにTKAは、骨の手術ではなく軟部組織の手術なのです。
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