整形外科医のブログ

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工夫

大腿骨転子部骨折の術中牽引の工夫

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先日、大腿骨近位部骨折の手術がありました。
大腿骨転子部骨折等の近位部骨折では、一般的には牽引手術台を使用します。


その際に、ある程度の牽引力が必要ですが、あまりに強い力で牽引すると足部がブーツから抜けてしまう(!)ことがあります。これが発生すると、冷や汗モノです・・・



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そこで、登場するのが上記のような工夫です。術野にかからない下腿部分に枕を置いてやると、下肢の自重がキャンセルされるため、足部がブーツからスッポ抜けにくくなります。


これがあると、主治医の立場からは安心感が違います。どこの施設でも簡単に施行できることもメリットのひとつではないかと思います。


正直言ってつまらない工夫ですが、これだけでも患者さんの安全性を高めることができ、主治医の精神的な安心感にもつながるためお勧めだと思います。





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皮膚切開マーキングの工夫

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先日、大学から医師を招聘して手術を執刀していただきました。
同門なので普段から交流はありますが、一緒に手術に入る機会はあまりありません。


このため、興味深く手術手技を拝見させてもらいました。やはり同門医師といえども、私とは流儀が違います。皮膚切開前から「あっ」と思うことがありました。


通常、皮膚切開部に皮膚ペンでマーキングを行います。閉創の際に縫合部がずれないように、皮膚切開に直交するラインを1cm間隔で引き、円刃の背で軽くマーキングします。


こうすることで閉創の際にも創がずれなるので実践されいる方は多いと思います。しかし、今回の医師は円刃の背でマーキングした後に、もう一度皮膚ペンでラインを引いていました。


結構しつこく円刃の背でマーキングした部位に皮膚ペンでラインを引く姿に思わず笑いそうになりました。しかし、閉創の際に皮膚のマーキング部位がくっきりと確認できました。


従来の皮膚ペン後に円刃の背でマーキングするだけの場合と比べて、その後に皮膚ペンでラインをもう一度追加で引いた方が明らかにはっきりとマーキング部位を視認できます。


術野を洗浄するので、従来法ではマーキングが薄くなって部位が良く分からなくなることが多いです。しかし、この方法だと最後までマーキングがくっきり分かります。


つまらないことかもしれませんが、私はこの工夫に感心しました。早速、翌日の手術から実践させてもらいました。先日も述べたように多様性は重要だと思いました。





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抜釘時の小さな工夫

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昨日は、抜釘術を施行しました。
半年前に施行した手術なのですが、手術創が既に分かりにくくなっています。


このような方にイソジンドレープを貼付すると、手術創が全く分からなくなってしまいます。手術創と平行に新しく切開を加えることは皮膚の血流から考えても避けたいところです。


今まではイソジンドレープを貼付してからこのことに気付き、執刀開始時に再度イソジンドレープを創周囲のみ剥がして手術を行っていました。


しかし、何度も同じ過ちを繰り返していると、さすがの私も少しは学習するらしく、最近ではイソジンドレープを貼付する前に皮膚ペンで前回皮切にマーキングするようになりました。


もちろん、イソジンドレープではない透明なドレープを貼付することも可能ですが、皮切が分かりにくくなっている方は透明ドレープでさえも前回皮切を判断できないことがあります。


皮膚ペンでマーキングすることでイソジンドレープの清潔な術野で手術を行うことが可能となりました。非常につまらないことですが、医療はこのような小さな工夫の積み重ねだと思います。



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手先の震えを止める工夫

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私は細かい作業をするときに、少しですが手先が震えます。
子供の頃からなので、おそらくアルコール中毒というわけではないと思います(笑)。


医師としての業務を行う上で、手先の震えが強いとさまざまな支障があります。例えば関節腔内注射の消毒の際に、イソジン綿球が小さいと清潔鑷子に当たってしまいそうになります(※)。


※ 最近ではディスポの消毒セットを使用するケースが多いですが、収益性の高い医療機関ほど小さな綿球を使用する傾向にあると思います。


私の場合は仕事の支障になるほどの手先の震えではないのですが、見た目がカッコ悪いので何とかならないものかと思案したところ妙案を思いつきました。


その方法とは、もう片一方の手を添えて鑷子を使用するという工夫です。私は右利きなのですが、左手を鑷子の下に添えるだけで、ピタッと手先の震えが止まります。


見た目にも両手を使っているので丁寧に行っていると思われるメリットもあります。これを応用してヒアルロン酸製剤を関節腔内注射する際にも両手で行うようになりました。


23G針を使用しているので片手だと結構大変ですが、両手で注射すると苦も無く注入することができます。手先の震えで困っている方や関節注射を楽に施行したい方にはお勧めの工夫です。




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THA: 前捻角を正確に目視する工夫

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今日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。
非常にイージーな症例で、全く問題無くあっさり手術を終了しました。


大腿骨のラスピングの前捻角は、基本的には患者さんの元々の大腿骨頚部前捻角に合わせますが、おおよその目安として20度ぐらいを目指しています。


この際に、目視ではややラスプの前捻角にばらつきが出るのが難点です。これを解決する簡易で良い方法をご紹介します。ラスプハンドルの前面にハンマーの柄を載せてガイドにするのです。



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上図は左股関節に前方アプローチで進入した際の大腿骨ラスピングの前捻角です。このようにハンマーの柄をラスプハンドルに載せることで前捻角の目視での確認が容易になります。


特に後外側アプローチは前方や前外側アプローチと比べてやや易脱臼傾向にありますが、この工夫で正確な大腿骨頚部前捻角を再現することで、より安定した股関節が期待できると思います。




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