整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

当日手術

整形外科医は常在戦場?

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先日、外反膝のTKAを施行していた際に救急外来から電話がありました。
大腿骨転子部骨折の高齢者が搬入されてきたため、整形外科医への治療依頼でした。



ちょうど、インプランテーション直前だったので少し迷いましたが、最後の経口摂取が午前8時だったとのことで、当日手術を決断しました。


この方はかなり認知症が高度で、COPDもあったため待機手術は危険と判断したのです。そこで、救急担当医師に術前検査を口頭で依頼しました。


ちなみに高齢者の下肢骨折に対する当日手術で、私がチェックしているのは下記のごとくです。これについてはこちらでまとめています。

① 心機能 
② 高度弁膜狭窄症の有無 
③ 腎機能 
④ 重度肺炎の有無



TKAが終了してからバタバタと診察や手術説明を行い、午後15時に入室させることに成功しました。ひたすら動き回った1日でしたが、術後経過は良好で当日手術が奏功したようです。


やはり、高齢者の大腿骨近位部骨折では、可能な限り早期に手術を施行することが救命率向上に寄与していると思います。


当日手術は、整形外科医だけではなくコメディカルのスタッフにもかなりの負荷をかけてしまいますが、患者さんを通しての社会貢献だと思ってがんばり続けたいと思います。



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ルーチンワークはストレス解消手段!?

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昨日は新患外来終了後に、THA術前の2名分の自己血採取&手術説明を行いました。
その後、朝に転倒して搬送された89歳の大腿骨転子部骨折の方の手術を行いました。


不安定性が強くて大腿骨近位は大腿骨頭・大転子・小転子骨片の4つの骨片に粉砕していました。一瞬ひるみましたが、やらざるを得ないのでいつものごとく当日手術を施行しました。


ネイルを大腿骨に挿入するまでは問題無かったのですが、大腿骨頚部と転子部の間の骨膜が完全に破綻しているようで、ラグスクリューのガイドワイヤーが頚部前方に抜けてしまいます。


仕方無いので、ドリルを思いっきりハンドアップして後方に転位している大腿骨頚部にガイドワイヤーの先を誘導してから、今度はドリルをハンドダウンしてなんとか骨頭に刺入しました。


股関節の拘縮が強くて健側下肢がイメージの邪魔をするため、骨折部の透視をすることさえも結構苦労しましたが、何とかそれなりの固定性を得ることができました。


家族に手術結果の説明して、医局に戻ってきたのは16時50分でした。朝からかなりの業務をこなしましたが、何とか定時までに一応の業務を終了することができました。


大学や日赤などの大規模な中核病院ではなかなかできない芸当ですが、小さな市中病院だからこそスタッフの協力も得られて、かなり効率良く業務を遂行できます。


私は生来がナマケモノなので、新規事業の立ち上げや投資計画を練るなどの頭脳を酷使する作業は、ついつい後回しにしてしまいます。


そして、このような手馴れた業務(=ルーチンワーク)は、あまり頭脳労働を伴わないので、実は私にとって絶好のストレス解消手段になっています(笑)。


これだけの量の業務を8時間の勤務時間内に全て終了すると、非常に精神的な充実感があります。このため、気持ち良く新しい1週間を迎えることができそうです。



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スタッフに感謝!

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今日の午前は大腿骨転子部骨折に対する当日手術(骨折観血的手術)でした。
この方は今日の未明に転倒して歩行不能となり、午前6時30分ごろに救急搬送されました。


既往に慢性腎不全があり、週3回の血液透析を施行しています。高齢でもあるため手術は週を跨ぎたくありませんでした。そこで朝一番からがんばってゴリゴリ各方面にプッシュしました。


検査・手術枠の確保・麻酔科医師や透析医との打合せ・手術説明などを平行して行い、正午前に手術を開始することに成功しました。13時30分出しの予定手術があったので間一髪でした。


何とか次の予定手術に影響無く手術を終了することができ、患者さんの容態も安定しています。午前中はなかなかタフな時間を過ごしましたが、何とか結果を出せたので嬉しいです。


これもひとえに各部門のスタッフのおかげです。今日は学会のため整形外科医は私だけでしたが、皆に助けられてスムーズに事が運びました。今日の晩は病院スタッフに乾杯です(笑)。



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大腿骨頚基部+転子下骨折の当日手術

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昨日の午前7時30分に97歳の方が搬送されて来ました。大腿骨頚基部+転子下骨折で、18年整形外科医をしていますが高齢者の低エネルギー外傷としては初めて見るタイプの骨折でした。



術前AP

術前LR



昨日は年内最後の手術可能日だったので、
いつものごとく、この方も当日手術を敢行しました。今回の手術の最大のネックは内固定材料の確保です。


あまり経験の無い骨折型だったのでしばらく考えたのですが、オーソドックスにラグスクリューを2本挿入できる髄内釘を選択しました。朝一番に発注したので正午には病院に到着しました。


今回は午前6時ごろに受傷、7時30分に救急搬送されました。8時30分に入院で、16時に手術が終了しました。珍しい骨折型ですが、受傷から10時間で骨接合術が終了したことになります。



術後AP

術後LR




これ以外にも立て続けで手術があったので、非常に忙しい1日でした。まあ、患者さんの役に立っているので、疲れはしましたが満足感はあります。


当日手術の際に、私が行っている検査は下記です。


① 心機能 
  心エコーをルーチン化して、駆出率(EF)を参考にしています。
  おおよそ60%以上あると安心ですが、ときどき40%ぐらいの方がいるので注意が必要です。

② 高度弁膜狭窄症の有無
  心エコーをルーチン化しています。 高度弁膜狭窄症が存在すると補液に細心の注意が必要です。

③ 腎機能の把握 
  手術まで時間が無いので、eGFRを参考にして補液量や抗生剤の投与量を調整しています。

④ 抜管不能な重度肺炎の有無 
  肺炎は、大腿骨近位部骨折の主な受傷原因のひとつなので、常に注意が必要です。
  胸部X線像、血液生化学で確認しています。
  疑わしい場合には胸部CT施行の上、内科医に相談です。



昨日の方は、上記について全ての項目をクリアしているので、
私も安心して手術を施行できました。



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急げ、ドレナージ!感染は時間との闘い

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昨日の午前のことですが、海外で脛骨遠位端開放骨折に対して骨接合術および人工骨移植術を受けて、私が抜釘術を行った方が紹介状を携えてひょっこりと外来受診されました。


遠方に出張中だったようですが、月曜日から創部の腫脹と発赤が出現しました。近医を受診して抗生剤を処方されて、水曜日に帰宅とともに当院を受診したそうです。


診察すると下腿前方の術創周囲の腫脹・発赤・圧痛がありました。血液生化学データでもCRP/WBCが上昇していました。緊急MRIを施行したところ、骨折部にFat suppressionで高輝度領域を認めました。


冠状断を脛骨末梢に追っていくと、皮下膿瘍は腐骨および感染性組織に置き換わっていると思われる骨折部の一部に接していました。明らかに脛骨骨髄炎を併発しているようです。


しかし骨折部周囲の骨組織の信号強度は正常だったので、まだ感染は骨折部に限局していそうな印象でした。しかし局所所見ではかなり炎症が強そうなので、周囲の正常な骨組織に感染が波及するのも時間の問題だろうと思いました。


昔、オーベンの先生に言われたことを思い出しました。「握ってから6時間常温で放置した寿司は食べたくないだろう?感染もそれと同じで、発生したらすぐにドレナージするべきだ。」


まずは皮下膿瘍のドレナージが先決なので、局麻下に手術を施行する方向で患者さんと話し合いました。この方は腹の座った方で急な手術にも臆することなく、むしろ一期的な骨髄炎手術も厭わないとおっしゃられました。


こう言われると私としてもその想いに応える必要があります。当日手術も可能な施設なので、午後から骨髄炎手術を急遽敢行することになりました。術前プランニングをする時間的余裕は30分程度しか無かったのですが、MRIと単純X線像で膿瘍と腐骨の範囲を頭に叩き込んで手術に臨みました。


皮下膿瘍を掻爬してから、骨折部の腐骨と人工骨の掻爬に取り掛かりました。腐骨の範囲はほぼMRIどおりで、かなり大きな骨欠損が生じました。最終的な掻爬範囲の判断は、ターニケットを外して骨髄からの出血を認める部位までとしました。


死腔に抗生剤含有骨セメントを充填して手術を終了しました。できることは全てやり尽くしたので、あとは何とか骨髄炎が鎮静化してくれるのを祈るのみです・・・。




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