Medical Tribune Vol.46, No.20で、いじめによる影響は若年成人期まで持続 という記事がありました。

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いじめによる影響は若年成人期まで持続
JAMA Psychology (2013; 70: 419-426)


・ 対象は米ノースカロライナ州の小児1420例(9歳、11歳、13歳)

・ 対象児は9歳から16歳の間に4~6回の問診を受け、直近3ヶ月間にいじめの被害者あるいは加害者になったことがあるか否かについて回答

・ アウトカムは若年成人期(19歳、21歳、24~26歳)にYoung Adult Psychiatric Assessment(YAPA)を用いて評価した

・ 若年成人になるまでフォローできた1273例のうち、いじめの被害者になったことはあるが、加害者になったことはない ⇒ 335例

・ いじめの被害者になったことはないが、加害者になったことがある ⇒ 112例

・ いじめの被害者にも加害者にもなったことがある ⇒ 86例

・ いずれも経験がない ⇒ 887例

・ 貧困・虐待・不安定な家族構成など、精神障害の発症に影響を及ぼす可能性のある因子を調整後、”いじめの被害者になったことがある”、もしくは”いじめの被害者にも加害者にもなったことがある”と回答した児では、いずれの経験のない児と比べて精神的な問題を抱えるリスクが高い

・ いじめの被害者になったことはあるが、加害者になったことはない
 ⇒ 若年成人期の全般性不安障害、パニック障害、広場恐怖症のリスクが高かった

・ いじめの被害者にも加害者にもなったことがある
 ⇒ 自殺念慮、抑うつ症状、パニック障害のリスクが高かった

・ いじめの被害者になったことはないが、加害者になったことがある
 ⇒ 反社会性人格障害のリスクが高かった

・ いじめは被害者だけでなく加害者にも悪影響を及ぼすことが示唆された


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今回の研究は「いじめは精神的苦痛を伴うものの、成人すれば乗り越えられる一過性の傷害」だとする従来の認識を覆すものです。


幸い、私自身はいじめと無縁の生活だったので、今までいじめ問題に関心がありませんでした。しかしこの記事を読んで社会全体として問題意識を持って対応するべき問題なんだなと感じました。





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