整形外科医のブログ

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悪性腫瘍

手指の軟部腫瘍に悪性腫瘍は無いのか?

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整形外科外来をしていると、手指の軟部腫瘍を診る機会が非常に多いと思います。患者さんからは腫瘍であることを告げると「ガンじゃないですよね?」と訊かれることが多いです。


ガングリオンであれば間違いなく悪性ではありませんが、それ以外では診断が難しいのが現状です。MRIを施行しても小さすぎて情報量が少ないです。


最終的には組織生検をしなければ責任のある回答を提示できないのですが、そもそも手指に悪性軟部腫瘍ができたという話を聞いたことがありません。


そこでやんわりと、おそらく良性ですがもしどんどんサイズが大きくなってくるようなら再診してくださいと伝えています。


大学の腫瘍班のドクターにお伺いすると、やはり手指の軟部腫瘍で悪性腫瘍は診たことが無いという話でした。何故手指に悪性腫瘍が発生しないのかは分かりませんが、専門医に言われると説得力があります。


ただ、私が文献の渉猟をしきれていないだけなのかもしれませんので、もし手指の悪性軟部腫瘍の症例報告の文献があれば是非教えて欲しいです。





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ガイドラインに準拠してわかりやすくコンパクトにまとまった良書です。概論が最初の30ページ程度なので、これはあらかじめ通読するとよいでしょう。各論は原発性骨腫瘍、腫瘍類似疾患、転移性骨腫瘍、軟部腫瘍、骨系統疾患、代謝性骨疾患の6章に分かれています。各章とも疾患ごとに、豊富な写真でわかりやすく解説されています。



                      

 骨・軟部腫瘍および骨系統・代謝性疾患 (整形外科専門医になるための診療スタンダード 4)


術前患者さんのCRP高値で困ってしまいました

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今日の午前は外来でした。来月に人工股関節全置換術予定の患者さんで、CRPの高値(2.5~4mg/dl程度)が続く方がいます。2.5~4mg/dlを高値とみなすかは微妙なところです。しかしTHA術前の値としては、放置するわけにはいかないレベルです。


術前の血液生化学検査で発覚したのですが、体温上昇は無く身体所見でも明らかな異常所見を認めません。WBCは正常範囲、ESRは軽度亢進しています。尿検査は正常範囲内です。


一体、何がCRP高値の原因なのか検討がつきませんでした。調べてみると、CRP高値の原因としては感染がメインですが、下記のようなことも挙げられるようです(当たり前のことばかりですが・・・)。


・ ウイルス性感染症
・ 細菌性感染症
・ 悪性腫瘍
・ 心筋梗塞
・ 膠原病
・ 外傷・熱傷


この患者さんに関しては、上記のうち悪性腫瘍の可能性のみ否定し切れませんでした。CRP高値が2週間持続していることを説明した上で、胸部~腹部CTを施行しました。


結果は・・・、おそらく憩室炎であろうとのことでした。腹部症状は全く無いのですが、大腸に憩室をみとめ、壁が腫脹しているので憩室炎を最も疑うとのことです。


FOMを1週間処方されて一件落着になりそうです。

論文: RA患者への生物学的製剤投与は悪性腫瘍の増加と関係せず

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Medical Tribune Vol.45, No.38で、関節リウマチに関する記事がありました。

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RA患者への生物学的製剤投与は悪性腫瘍の増加と関係せず
Lopez-Olivo MA,et al. JAMA 2012; 308: 898-908.


ABA, ADA, ETN, GLM, INF, TCZ, リツキシマブ, certolizumab, anakinraのランダム化比較試験(RCT)を検索して、生物学的製剤の安全性をプラセボまたは抗リウマチ薬(DMARD)と比較した6ヶ月以上の試験を対象にメタ解析を行い、悪性腫瘍のリスクを評価した。


63件のRCT(患者数計29423例)、試験期間中の悪性腫瘍発症は211例、うちリンパ腫は14例だったそうです。解析の結果、治療開始後1年間の悪性腫瘍発症率は生物学的製剤+MTX群が0.77%、生物学的製剤単独群が0.64%、コントロール群が0.66%といずれも低く有意差はなかった。


腫瘍壊死因子(TNF)阻害薬群ではコントロール群にと比べてリンパ腫の発症が多かったが、有意なリスク上昇は観察されなかった。


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対象期間が6ヶ月以上と比較的短期間なので、この論文だけで生物学的製剤投与で悪性腫瘍の増加は関係せずとはいえないと思います。あと有意差がないとはいえ、TNF阻害薬群でリンパ腫の発症が多かったのは気持ち悪いですね。






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