整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

懸濁性ステロイド

膝関節のタナ障害の治療

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨日の午前中はアルバイト先で外来をしていました。
旅行で長距離を歩いてから膝痛が治らないという20歳台の女性が初診しました。


診察すると内側谷に索状物を触知して圧痛もあります。
関節水腫は無く、単純X線像上も明らかな異常所見を認めません。


診断は、もちろん膝関節のタナ障害です。MRIの冠状断で肥厚したタナの存在を
確認できますが、触診だけでほぼ診断はつくと思います。


今回はスポーツが原因ではなく、一過性の膝関節への過負荷が原因なので、
まずは安静と消炎鎮痛剤の処方としました。


スポーツが原因の場合には、日常的な膝関節への過負荷が原因なので
消炎鎮痛剤だけではなかなか治癒しない印象があります。


このような場合には、ステロイドを混注した関節腔内注射が効果的であるケースが多いと思います。ステロイドは懸濁性の方がよく効きますが、若年者が多いため私は水溶性を選択します。


ステロイドを混注した関節腔内注射を施行しても痛みが収まらない場合には、鏡視下タナ切除術の適応ですが、幸い私はそこまで重度なタナ障害を経験したことはありません。




 ★★ 『 整形外科の歩き方 』でお宝アルバイト獲得のための基本講座を公開中です! ★★


      




ステロイド懸濁製剤の使用は慎重に!

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、大学の手の外科医師とお話をする機会がありました。
その話の中で、ステロイド製剤は何を使用しているのかが話題になりました。


ご存知のようにステロイド製剤には水溶性と懸濁性があります。水溶性ステロイドは成分が水に溶けてる状態なので、体内への吸収が良好ですぐに排泄されます。


水溶性ステロイドは、ベタメゾンやデキサメサゾンなど力価の強いステロイドが使われていますが、患部に留まる時間が短いため緩やかな効果となります。


一方、懸濁性ステロイドは成分が水に溶けずに結晶の状態で混入しているので液が濁って見えます。 結晶なので体内に吸収されにくく、患部に長く留まって効果が持続します。


成分であるメチルプレドニゾロンやトリアムシノロンなどは、水溶性ステロイドよりも力価は弱いですが、体内での残留時間が長いため効果が水溶性を上回ります。


このような理由で懸濁性ステロイドを好んで使用するケースがありますが、体内に残留するので組織の癒着が激しくなるため、あまり推奨できないとのことでした。


確かに頻回に懸濁性ステロイドを関節腔内注射された患者さんの膝関節内を鏡視すると、結晶成分が関節内に溢れており、本当に大丈夫なのか?と思ってしまいます。


このような理由からステロイド製剤を使用する際には、できるだけ懸濁性ステロイドは控えて水溶性ステロイドを選択する方が無難かなと思いました。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。