整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手根管症候群

出産後の手根管症候群

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今日の午前は、外来でした。
梅雨なのに雨が降らないので、残念ながら外来は盛況です(笑)。


出産後1ヵ月の方が、両手指(母指~中指橈側)のしびれを訴えて受診されました。問診だけで整形外科医なら「手根管症候群」の診断がつくと思います。


通常、妊娠中や出産後の手根管症候群は、できるだけ患側を使わないようにさえすれば経過観察のみでも軽快する場合がほとんどだと思います。


しかし、今日の方は出産後もどんどん症状が強くなるとのことでした。母指球の萎縮は無いので緊急性は無いのですが、授乳中のためあまり積極的な治療ができません。


リリカ投与はもちろん不可ですが、赤ちゃんに塗り薬が付いてしまう可能性がある(?)とのことで、
ODT療法にまで難色を示します。少し神経質過ぎる気もしますが、治療を強要するわけにもいきません。


この方が神経質になっている理由をよくよく訊いてみると、ネットで産後の手根管症候群を調べてみたら、いろいろな情報が錯綜していたようで不安になったそうです。


確かにネットで「手根管症候群 出産」で検索すると、大丈夫なのか??と思いたくなるような情報がたくさんありました。何故かカイロプラクティックのHPが上位表示されていたりと、怪情報満載です・・・。残念ながらまともな整形外科医による情報はほとんどありませんでした。


余談はさておき、妊娠中や産後の手根管症候群は、ホルモンバランスの変化で手根管内に浮腫性変化が生じることで発生しますが、赤ちゃんを抱っこし過ぎることも一因だと言われています。


一般的に授乳中の方には手関節の安静を図ることを目的にシーネ固定をすることで治療を行いますが、妻が育児真っ最中の管理人的にはなかなか実践しづらい治療方法であることも理解できます・・・。なかなか授乳中の方に治療するのは難しいですね。




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手根管症候群に対する密封療法(ODT療法)

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今日の午前は出張先の病院での外来でした。
手根管症候群の方に対してリリカを処方したのですが、300mgでも効果がありません。


出張先では神経伝導速度を測定できないので正中神経の終末潜時(DL)が不明なのですが、保存治療を希望されているのでできるだけのことをしようと思っています。


リリカの次の手として、密封療法(ODT療法)
を選択しました。ODTとは occlusive dressing techniqueの略語、私の中ではリリカの登場までは第一選択に近かった治療法です。


手関節掌側の皮膚にモビラート(今ではボルタレンゲル等)を塗布して、表面をラップで覆う治療です。就寝前にODT療法を毎日行うと2-3週間で手根管内の炎症が軽快して疼痛が緩和されることが多いです。


手根管内へのステロイド注射や外固定はなかなか選択しにくいです。しかし、ODT療法は効果を期待できる割には、侵襲が少なく気軽に施行可能だと思います。


ODT療法を1ヵ月続けても効果が無ければ無効と判断します。注意点として、たまにかぶれる方が居るので、その場合は中止する必要があります。



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手根管開放術は内視鏡かミニオープンのどちらがいいのか?

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昨日の午前は手根管症候群に対して手根管開放術を行いました。以前いた病院では内視鏡(Smith&NephewのECTRAⅡ)があったので、2ポータルの鏡視下手根管開放術を施行していました。


現在の病院に移ってからは、正中神経運動枝損傷が嫌なので手掌のみのミニオープンで手術しています。しかし昨年4月の診療報酬改定で内視鏡下手術の点数が軒並み大幅アップになりました。手根菅開放術も例に漏れずに大幅な点数アップになっています。


手根管開放術        K093    4110点 ⇒ 4110点
関節鏡下手根管開放術  K093-2    9230点 ⇒ 12000点


従来法に比べて3倍近い大盤振る舞いです。さすがにこの点数差を知ってしまうと鏡視下手術を復活させようかと思ってしまいました。鏡視下手根管開放術は、鏡視下ACL再建術などとは違い、技術的な難易度はさほど高くありません。


鏡視下手根管開放術のピットホールは正中神経の運動枝が尺側に分岐する場合に損傷する危険性があることです。この合併症を完全に回避することは不可能なので鏡視下手術を避けていましたが、今後は検討してみたいと思います。


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