整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手根管開放術

陳旧性月状骨周囲脱臼に合併した手根管症候群

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今日の午前は、アルバイト先で外来をしていました。
1ヵ月前から右母指~環指橈側までのしびれが出現したという方が初診されました。


右母指球は萎縮しており、問診の段階で手根管症候群であることは容易に推測されます。しかし、この方の単純X線像を確認して驚きました。なんと月状骨周囲脱臼を併発しているのです。


この方は30年前にバイク事故で手関節の治療を受けたようですが、どうも月状骨周囲脱臼を見逃されていたようです。手関節背側の月状骨部分が陥凹しています。


既に、radiocarpal jointおよびmidcarpal jointにはOAを認めます。
側面像では掌側に脱臼した月状骨が派手に正中神経を圧迫していそうです。


論文を漁ってみたところ、手根管開放術の際に掌側脱臼した月状骨および舟状骨の一部を切除するという報告を散見しました。やはり掌側脱臼した月状骨がCTS発症に影響していそうです。


経舟状骨の月状骨周囲脱臼では、舟状骨骨折に目を奪われて月状骨脱臼を見逃してしまう可能性があります。万が一にも見逃してしまうと今回のようなことになってしまいます。


通常の舟状骨骨折と比べて、月状骨周囲脱臼では手関節の腫脹が極めて高度です。いつもと違う感じだな? と思ったら、側面像で月状骨の位置を確認する習慣が必要かもしれません。



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手の外科の実際                       私の手の外科―手術アトラス








手根管開放術は内視鏡かミニオープンのどちらがいいのか?

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昨日の午前は手根管症候群に対して手根管開放術を行いました。以前いた病院では内視鏡(Smith&NephewのECTRAⅡ)があったので、2ポータルの鏡視下手根管開放術を施行していました。


現在の病院に移ってからは、正中神経運動枝損傷が嫌なので手掌のみのミニオープンで手術しています。しかし昨年4月の診療報酬改定で内視鏡下手術の点数が軒並み大幅アップになりました。手根菅開放術も例に漏れずに大幅な点数アップになっています。


手根管開放術        K093    4110点 ⇒ 4110点
関節鏡下手根管開放術  K093-2    9230点 ⇒ 12000点


従来法に比べて3倍近い大盤振る舞いです。さすがにこの点数差を知ってしまうと鏡視下手術を復活させようかと思ってしまいました。鏡視下手根管開放術は、鏡視下ACL再建術などとは違い、技術的な難易度はさほど高くありません。


鏡視下手根管開放術のピットホールは正中神経の運動枝が尺側に分岐する場合に損傷する危険性があることです。この合併症を完全に回避することは不可能なので鏡視下手術を避けていましたが、今後は検討してみたいと思います。


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