整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

手術台

股関節外旋位牽引での一工夫

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、大腿骨転子部骨折に対して骨接合術を施行しました。今回の方は、骨折部を整復するのに股関節を外旋する必要がありました。比較的珍しいパターンです。


通常は股関節を内旋して手術を施行することが多いので、大腿骨近位部は比較的キレイに観察できます。しかし、股関節外旋位では、どうも勝手が違います。



555 - コピー



そこで、股関節の外旋位を打ち消すために、手術台を健側に傾けてみました。今回は軽度の股関節外旋でしたが、これだけ手術台を傾けても、床に対してようやく中間位です。


手術台の傾きだけで外旋位を打ち消すことは難しい印象です。ただ、手術台を傾けずに手術を施行すると、股関節が外旋しているので非常に分かりにくい透視画像でした。


下肢~股関節の外旋位を、手術台の傾きだけで完全に打ち消すことは難しいですが、可能な範囲で傾けることで、ある程度見やすい透視画像となります。


もし、股関節を外旋しないと整復できないような症例に遭遇したら、今回のように手術台を傾けることで対応するとよいかもしれませんね。




★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








変性側弯では椎体回旋の補正を!

このエントリーをはてなブックマークに追加


今日の午前の手術は、筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術
(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)でした。


今回の除圧高位はL3/4に高度でしたが、変性側弯を認めました。
ご存知のように変性側弯では腰椎が回旋しているため、正中から掘削することが難しいです。


このような変性側弯症例では正確に正中から進入するため、術前のパイロット刺入の段階で手術台を傾けて腰椎の回旋変位を補正するようにしています。



補正前AP




補正前はこのような状態でした。L3/4の正中がどこか分かりにくいです。これでは正中から進入することが難しいので、イメージを見ながらL3の棘突起が中央にくるように手術台を傾けました。



補正後AP




少し分かりにくいですが、L3の棘突起が中央に位置しています。今回は左側を5度ほど下に傾けることで、このような状態に補正することができました。


このように手術台を傾けて腰椎の回旋の補正をすることで、変性側弯の手術といえども、通常の症例と同様に垂直方向に掘り下げて行くだけになります。


脊椎のエキスパートならこのようなお膳立ては不要かもしれません。しかし一般整形外科医の場合には、このような補正を加えるだけで普段通りの手術に早変わりします。




       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 

                   
    


腰椎の手術―ベーシックからアドバンストまで必須テクニック (OS NOW Instruction)




THA: アウェーで手術する際の注意事項

このエントリーをはてなブックマークに追加


昨日の午後の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。出張先で行う初めての手術だったので、普段以上に気を使いました。アウェーでの戦いはやはり緊張しますね(笑)。


THAにおいて手術台の種類は、カップの設置角度にかなり影響を与えます。最近はイメージ下に骨盤の傾きをニュートラルにするので、病院が変わっても設置角度のばらつきは小さくなりました。


昔はその病院での執刀記憶だけで、この病院のベットは柔らかいからカップの傾きは少なめに・・・、等の経験則に頼ったカップ設置でした。今にして思えばかなりファジーです。


手術台の特性によるカップ設置角度のばらつきは、この方法で回避できます。あと問題になるのは使い慣れた器具が無いことによる手術時間の延長です。これは事前に分からないことが多いです。


昨日の例では非常に深い術野の方だったので、大きなヘルニア鉗子がボトルネックになる器具でした。通常の鑷子では寛骨臼底に届かなかったのです。


2回目以降はそれほど苦労しないと思いますが、初回手術ではかなり念入りに下準備をすることをお勧めします。また、どれだけ下準備をしてもやり難さを感じることは覚悟しておくべきでしょう。




       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
    初学者がTHAの治療体系を俯瞰するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    
                                    人工股関節全置換術



アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル
医師のための 金融資産形成術
医師のための金融資産形成術

タダで自宅を手に入よう!


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール
タグクラウド
QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。