先週は連日、人工股関節全置換術(THA)を施行しました。
脊椎手術で使用した手術用照明器が良かったので、さっそくTHAでも試してみました。
木曜日の方はサージカルスパイン社のオーソライトを、金曜日の方はZIMMER社のライト付レトラクターをそれぞれ使用して比較してみました。
ZIMMER社のライト付レトラクターはレンタルのみで販売はしていないそうです。まず光量ですが、両社とも全く問題ありませんでした。やはり術野が明るいと手術がスムーズに進行します。
次に使い勝手ですが、これに関してはオーソライトに分がありました。ライト付レトラクターはバルキーで使いにくかったことと、ライトの向きが固定なので見たいところを照射できなかったです。
また、脊椎手術には使用できないため、コスト以外ではオーソライトに分がありそうです。しかし、いずれの手術用照明器も術野が明るくなったので、手術は格段に施行し易かったです。
「弘法筆を選ばず」という諺がありますが、”弘法”ではない私は手術機器を上手に選ぶことで、できるかぎりトラブル無く安全に手術を施行していこうと思います。
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人工股関節全置換術
手術用照明器
今日の午前の手術は、筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術
(muscle-preserving interlaminar decompression: MILD法)でした。
今回の除圧高位はL4/5だけだったので、皮膚切開は3cm程度です。ただ、私が勤務する病院では顕微鏡や内視鏡が無いので、ルーペを使用して手術を施行しています。
正直、脊椎手術を行うのであれば手術用顕微鏡ぐらいは欲しいところですが、導入に数千万円単位の資金が必要であるため実行できていません。
しかしMILD法程度であれば、ルーペでもほとんど問題なく手術可能です。唯一不便さを感じるのは、術野の端まで光が届かないケースがあることです。
特に上位椎弓のlateral recessを掘削する際に、どうしても術野が暗くなってしまいます。そこで、サージカルスパインという会社のオーソライトというレトラクター用ライトを試してみました。
これは、テープ状になった光ファイバーをレトラクター等に貼付して術野を照らします。関節鏡で使用する光源を利用するので、ほとんどの施設で簡単に導入可能です。
サイズは巾16mmと9mmがあり、価格は16mm が定価 92,000円/5本、9mmが定価 120,000円/5本だそうです。光源に接続するライトケーブルは定価 118,000円です。
今回はlateral recess掘削の際にも良好な視野を確保できたので、あっという間に手術が終了しました。メーカー説明ではシングルユースですが、4回ぐらいはガス滅菌したいところです。
顕微鏡や内視鏡がある施設では不要ですが、ルーペのみの施設では有用だと思います。明日は人工股関節全置換術(THA)があるので、寛骨臼の処理の際に使用してみるつもりです。
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