整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

抗生剤

陰圧でHAに抗生剤を含浸させる方法

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先日、感染人工股関節でのリストリクターの記事をアップしましたが、今日はその続編です。何気に感染症系の資料を整理しているとかなり昔の資料を見つけました。


PENTAXのアパセラムの販促資料なのですが「簡便な抗生剤の含浸法と徐放システム
」という内容でした。


アパセラムブロックに抗生剤を含浸してセメントビーズのように使用するという趣旨です。抗生剤は熱に弱いものが多く、セメントピーズでは十分に活性を得ることができません。


セメントの代わりにハイドロキシアパタイトを用いると、熱に弱い抗生剤でも活性を保ったまま徐放できるという画期的なアイデアです。パンフレットの画像を下記に添付します。



222 - コピー



ハイドロキシアパタイトに抗生剤を含浸させる具体的な方法は下記のごとくです。


  1. シリンジと三方活栓を組み合わせる(上図)
  2. シリンジにハイドロキシアパタイトと抗菌薬溶液を入れる
  3. 陰圧をかけるとハイドロキシアパタイトから気泡が出て薬剤が気孔に含浸される


う~ん、なるほどなかなかウマい方法ですね! セファゾリン1gは5㏄ぐらいの生食に溶けるみたいなので、一度試してみたいと思います。







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感染症治療で最もお勧めの書籍です。Grandeと小さいサイズがあり内容は同じです。小さいサイズの方が安いですが、常に携帯する医師を除けば見やすいGrandeがお勧めです。

化膿性関節炎の経口抗生剤選択

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先日、臨時手術を施行した化膿性膝関節炎の患者さんですが、術後1週間の時点でWBC/CRPとも完全に陰性化しました。非常に良好な経過だと思います。


結局、培養ではMSSAが検出されました。教科書的にはCRP、WBC、ESRが正常化するまで2週間程度は第一世代もしくは第二世代セフェムなどの抗生剤の経静脈投与行います。


その後の経口抗生剤の投与期間に関しては諸説ありますが、第一世代セフェムもしくはペニシリンを感染鎮静化後も3ヵ月程度服用させるという報告が有力だと思います。


ここで問題になるのが、第一世代セフェムの経口抗生剤を採用していない医療機関が多いことではないでしょうか。少なくとも私が勤務経験のある医療機関の多くは採用していませんでした。


フロモックスやメイアクトのような第三世代セフェム以降の経口抗生剤を3ヵ月もの長期に渡って投与することは耐性菌の問題から避けるべきだと思います。


しかし、セフェム系の経口抗生剤はフロモックスやメイアクトしか採用が無いので困ってしまいました。ペニシリン系はどうかと言うと、今回検出されたMSSAの薬剤感受性はPIPCでRでした。


仕方無いので耐性菌を惹起しにくいテトラサイクリン系抗生剤のミノマイシン投与にしました。ミノマイシンは関節リウマチでDMARDsとして使用しているので長期投与も違和感がありません。


このまま感染が再燃しないことを祈りたいと思います。




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母指末節骨骨髄炎

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多発骨折でリハビリテーション入院中の患者さんがいます。受傷から1ヵ月経過しているのですが、母指末節骨は開放骨折でした。前医で洗浄後にセフェム系抗生剤を5日間投与されています。


数日前から母指の腫脹・発赤が出現しました。単純X線像では骨融解像を認めず、WBC/CRP 5500/0.44と微妙な数値です。まずは黄色ブドウ球菌をターゲットにしてセフェム系抗生剤の点滴を開始しました。


母指末節骨先端の骨髄炎疑いなので抗生剤点滴まで施行するかどうか迷いましたが、中途半端に内服投与で慢性化するのが嫌なので思い切って点滴投与としました。


どうしても炎症が鎮静化しない場合は切開して骨折部の掻爬をする必要がありそうですが、末節骨に対してそこまで施行した経験はありません。長管骨骨髄炎であれば治療方針で悩むことはないのですが、中途半端な部位なのでどこまで「攻め」の治療を行うか判断に迷うところです。


臨床は終わってみないと正解が分からないので、卒後17年経ってもいつも悩みながらもその時点で最善と思われる方法を選択せざる得ません。少し不謹慎かもしれもせんが、未来を見通せる水晶玉があればいいなといつも思っています。

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