先日、内側型の野球肘の患者さんを診察しました。上腕骨内上顆の病変を確認するためには、ご存知のように通常の肘関節正面像は不適当です。下図のように何も所見ありません。



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ところが、肘関節屈曲45度のいわゆる tangental viewでは、しっかりと上腕骨内上顆の裂離骨片(もしくは骨化障害)が描出されます。



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どこの施設でも野球肘では tangental viewが定番です。しかし、ある放射線技師さんから、tangental view撮影時に回外方向に捻ると、更に描出されることを教えてもらいました。



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こんな感じです。今回の症例に関しては通常の tangental view でも問題ないですが、前腕海外方向に捻って撮影した方がはっきりと上腕骨内上顆が描出されます。


野球肘を疑って tangental view を依頼するときには、前腕をやや回外方向に捻って撮影することを放射線技師さんに伝えておくとよいかもしれませんね。







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