整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

救急

COPD患者さんに酸素投与してもいいの?

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整形内科医師のワタシは、内科的な疾患を多数抱えた患者さんを常に受け持っています。そしてその中にはCOPD患者さんもチラホラ。


COPDと聞けば、どのようなイメージがあるでしょうか。学生時代の遠い記憶では、COPD患者さん=CO2ナルコーシス併発のため酸素投与禁忌というイメージがあります。


COPD患者さん=CO2ナルコーシスが刷り込まれているので、COPD患者さんには酸素投与できないというアタマになっています。しかし、よく考えるとHOTはどうなのでしょうか?


立派に酸素投与していても何の問題もありません。その理由をしばらく悶々と内に抱えていましたが、先日に恥を忍んで内科の先生に訊いてみました。


すると、憐みの目で私を見ながら、アホでも分かるように懇切丁寧に教えてくれました。COPD患者さんに酸素投与する際には、普段のSaO2を把握しておく必要があります。


ご存知のように、一般人は血中の二酸化炭素濃度に呼吸中枢が反応します。しかし、COPD患者さんの中には、これがイカれていて酸素濃度で呼吸中枢が反応する人がいます。


そのような人に過剰な酸素を投与すると呼吸が止まりますが、普段のSaO2までならOKです。つまり、普段の
のSaO2を計測しておき、酸素投与時の上限をその値にするのです。


なるほど、いちいち論理的で納得できるロジックです...。しかし、このような基本的事項を知らなかったのは、アホな整形外科の中でも更にアホな私ぐらいかもしれませんね。







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整形外科研修ノート 改訂第2版



個室入院は死亡率が上昇する?!

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先日、人工股関節全置換術(THA)術後数日の患者さんが急変しました。看護師が訪床すると、ベッドの上で呼吸していなかったようです。


木曜日の午後15時頃というゴールデンタイム(?)だったので、あっという間に黒山の人だかり。もの凄いマンパワーを得て蘇生開始します。


そうこうするうちに自発呼吸が出てきたので、頭部CT、頭部MRI、造影胸部CT、心エコー、下肢エコーまでを小1時間で完了してしまうという偉業を達成しました。


ちょうど放射線科医師も居たので読影もばっちり。結局、脳卒中、心筋梗塞、症候性PEなどではなく一命を取り止めました。不整脈だった可能性があるため循環器内科で精査です。


さて、このことがあってから思ったのですが、今回はとてもラッキーなケースでした。何故なら、個室にもかかわらず発見が早かったからです。


偶然にも早いタイミングで看護師が訪床したので事なきを得ましたが、あと数分遅かったら取返しのつかない状況だったと思われます。


もし、この患者さんが個室ではなく総室だった場合には、更に発見が早かった可能性もあります。もちろん、突然死であれば個室も総室も変わらないでしょう。


それでも、総室の場合には、他の患者さんの目もあるので、発見されやすいことは疑いようの無い事実です。これまで私は総室よりも個室の方が良いと思っていました。


しかし、今回の一件で個室至上主義の考え方が変わりました。特に高齢者や何らかの基礎疾患のある方は、総室の方がより安全かもしれないと感じました。






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整形外科研修ノート 改訂第2版



患者さんの生死を分ける2つの気付き

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個人的な話で恐縮ですが、年度末は非常に忙しいです。特に今年の忙しさは半端ではない。その理由は、医師の退職ラッシュに遭遇中だからです。


医師数が半数近くになるという一種の医療崩壊に見舞われています。このため、残留組の医師にかかる負担が凄まじいのです...。


まぁ、昔から忙しいのは慣れっこなのですが、今回は少し事情が違います。内科医師が絶賛激減中なので、肺炎とか尿路感染症は私(=整形外科医)が診ているという末期的状況。


さすがに心不全とかはヘルプしてくれますが、重症肺炎ぐらいは自分で診とけや! という周囲からのプレッシャーが凄まじい(笑)。内科患者を整形で受けるのは止めたいです。


さて、人の命は永遠ではないので、内科的疾患の患者さんを常に10名以上抱えていると、看取りの問題が出てきます。


整形外科医なのに生と死の狭間を観察する毎日ですが、些細ではあるけど結構信憑性の高そうな「生と死を分ける」2つのポイントに気付きました。


ひとつ目は、食事を摂れているか否か。食事がそれなりに入っていると、CRPが20~30あろうが大丈夫な印象を受けています。一方、食事が入らなくなると相当苦しい...。


ふたつ目は、声を出せるか否かです。リカバリーできる肺炎は、しっかり発語できる人が多い印象です。耳が遠くて大きな声の患者さんも居ますが、大きな声=良い事だと思います。


このようなアナログなシグナルも確認しながら、患者さんの予後を予想しながら、家族を看取りに導く...。人工関節の予定手術と並行して実践している自分に少し驚きです。






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整形外科研修ノート 改訂第2版



未滅菌手袋で腱縫合してもよいのか?!

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先日、高速サンダーで手を切った人が受診しました。以前の記事でご紹介したように、未滅菌手袋を使用して縫合しようと思いました。


まず局所麻酔をして水道水で石鹸で洗ってもらいます。昔に比べたら、こちらがやることが省略化されており、業務改善を感じます。


手洗いが終了すると処置台に上がってもらい、創部を観察します。しかし、手洗い前に比べると出血が多い...。手洗いすると止血されていた部分から再出血するのが玉に瑕です。


仕方ないので未滅菌手袋の指部分を切って、簡易エスマルヒ&ターニケットを実施しました。すると、PIP関節直上で伸筋腱が切れていました。


放置するとボタンホール変形をきたすヤツですね。伸筋腱中央索(central slip)はきっちり縫合しなければいけません。ここで、はたと手が止まりました。


腱縫合も未滅菌手袋で縫合してよいのか??? 感染すると少々厄介です。しかもナイロン糸は腱内に残存します。この場合は、やはり通常通りに消毒するのが吉だな...。


今回得た教訓は、未滅菌手袋で縫合する場合でも内部の観察はマストで、関節や腱にまで損傷が及んでいる場合には仕切り直した方が良さそうだということでした。






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整形外科研修ノート 改訂第2版



縫合時に滅菌手袋を使用しないのは「エコ」だった件

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先日のブログで、救急外来で縫合する時は滅菌手袋を使用すべきか? について日経メディカルに載っていた記事を紹介しました。


救急外来では滅菌手袋を使用しても大きな問題はなく、外傷縫合では清潔操作よりも創内異物除去が大事という要旨でした。


その記事を読んで以来、救急外来で外傷縫合したくてウズウズしていました(笑)。しかし、役職が上がったためか、そんな機会はなかなかやって来ません。


つまらない日々を過ごしていた時、思いがけず縫合しなければいけない患者さんがやって来ました! こんなチャンスは滅多に無い。おもむろに実践してみることにしました。


ところが、私が指示する前に清潔台が出来上がっていました。救急の看護師さん仕事早過ぎ...。気を取り直して創部を消毒して穴空きシーツ無し、未滅菌手袋で縫合開始です。


意外と違和感無く縫合処置が終わりました。ベテラン看護師さんも涼しい顔しています。もしかして、未滅菌手袋の縫合は珍しくないのか?!


少し肩透かし喰らった感じで処置終了です。派手に驚かれることを期待していたのに、非常に残念です。しかし初めて実践した感想は「エコ」でした。


穴あきシーツや滅菌手袋を使用しないだけで、ずいぶん環境にやさしい気がします。おまけに病院経営にも吉。これからは、未滅菌手袋をスタンダードにしていこう。






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