整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

救急搬送

患者・家族のDNARへの理解が必要

このエントリーをはてなブックマークに追加

Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
延命治療を希望しない全患者に心肺蘇生施行 です。




半田市立半田病院(愛知県)麻酔科の杉浦真沙代氏は、心肺蘇生処置不要(do not attempt resuscitation;DNAR)を表明しているがん終末期患者の自院における救急搬送の実態を第21回日本緩和医療学会学術大会で報告した。


同氏は、事前にDNARの意思表示があった全例に心肺蘇生が施されていたことを明かした上で、"心肺停止後の救急搬送依頼は延命治療の優先を意味する"ことを患者や家族に理解してもらう重要性を指摘した。




在宅医と連絡が取れないために救急要請されたケースも  


半田病院は救命救急センター(ER)を有する一般病床499床の急性期病院で、地域がん診療連携拠点病院に指定されている。ER受診者数は年間約2万5,000人、救急搬送受け入れ件数は約6,700件に及ぶ。  


杉浦氏によると、事前にDNARの意思表示をしているにもかかわらず、心肺停止後に救急搬送されてくるがん終末期患者が少なくないという。そこで、こうした患者の救急搬送の実態について、診療録を基に後方視的に検討した。  


対象は2012年4月1日〜15年11月30日に同院ERに搬送された心肺停止患者のうち、がん終末期と診断されていた59例(平均年齢77.1歳)であった。  


DNARの意思表示をしていたのは59例中30例(在宅患者25例、施設入所患者5例)で、救急隊にその旨が伝達されたのは11例であった。  


そのうち、胸膜がんを患っていた80歳代の女性は自宅で心肺停止となり、家族によって救急要請が行われた。救急隊にDNARが伝えられたが、蘇生処置が施され、蘇生に成功。集中治療室(ICU)入院29日後に死亡退院となった。  


大腸がんの70歳代男性は入所施設で心肺停止となった。施設で看取る予定だったが在宅医と連絡が取れず、「死亡診断書を発行できない」という理由で救急搬送を要請。施設側は救急隊にDNARを伝えたが、心肺蘇生下に搬送がなされた。同症例は結果的には蘇生不能であった。




"救急要請=心肺蘇生希望"という共通認識が必要  


以上の結果を踏まえて杉浦氏は、がん終末期患者がDNARの意思決定をしているにもかかわらず、家族や施設職員が救急搬送を依頼することを問題点として挙げた。  


DNARを表明している患者に対し、医療者はその意思を尊重し、自然な看取りを実現する努力を行う必要がある。しかし、現状の消防法やメディカルコントロール協議会は、救急要請がなされた患者を心肺蘇生の適応としている。つまり、救急隊は救急要請を受けた以上は、心肺蘇生を行わざるをえない。


24時間体制での在宅医療支援なども望まれるが、「まず取り組むべき課題は、"心肺停止時に救急搬送依頼を行うことは、延命治療を優先することである"ことを、患者、家族、医療者の共通認識にすること」と同氏は強調した。  


一方、家族らがDNARの重要性を理解していないために救急要請がなされる場合も多い。医療者はDNARの意味を患者本人、家族らの双方に十分理解してもらえるよう、患者が意思表示できる時期に話し合いの場を設けるなど、配慮する必要があるという。  


また、患者が終末期に希望する治療、希望しない治療を明確に示しておくことも重要である。これに関して半田市は事前指示書の様式を作成し、ホームページ上で公開している。「こうした事前指示書をいかに普及させ、活用してもらうかが今後の課題」と同氏は述べた。  






これは少し重い話です。確かに、思わず救急依頼してしまう御家族の気持ちが分かります。私もこの報告を拝読するまで、
救急要請=心肺蘇生希望とは知りませんでした。


救急隊も故人や御家族の意向を知りつつも、救急要請された以上は、
消防法の規定で救急隊は心肺蘇生を行わざるをえないとは辛いところですね。


この問題を解決するには杉浦先生がおっしゃられているように、
医療者はDNARの意味を患者本人、家族らの双方に十分理解してもらえるよう配慮する必要がありそうです。


私たち整形外科医ではあまり関わりのないケースですが、特に終末期医療に取り組んでおられる内科の先生方には、DNARの関する啓蒙活動をお願いしたいところです。 






★★ 『 整形外科の歩き方 』でお宝アルバイト獲得のための基本講座を公開中です! ★★







脱法ハーブによる救急搬送例の臨床的特徴

このエントリーをはてなブックマークに追加

Medical Tribune Vol.45, No.41で、脱法ハーブに関する記事がありました。

----------------------------------------------------------------------

第34回日本中毒学会
北里大学病院 救命救急センター 井出文子先生


・ 対象は、2011~2012.4.30までに搬送された12例
・ 平均年齢22.2歳で、10歳台と20歳台がそれぞれ5例ずつあった。
・ 男性が11例を占めており、入手経路はインターネット4例、店購入2例、知人2例であった
・ 搬送時の症状は、意識障害や幻覚妄想を中心とする中枢神経症状、交感神経症状が多かった
・ 意識障害は7例だったが、短期間で改善した
・ 神経・精神症状は9例で、内訳は幻覚妄想が4例、異常行動3例、振戦2例だった
・ 交感神経症状は10例で、内訳は散瞳8例、頻脈6例、頻呼吸3例だった
・ 経口・吸入とも身体合併症を引き起こすが、特に経口摂取例では多様な症状が見られた上、入院期間が長く横紋筋融解症を呈していた


----------------------------------------------------------------------


精神医学的にも依存・離脱・後遺症の問題をおこしているとのことです。
”合法ハーブ”などという戯言も多く出回っているようですが、法律で取り締まりが追いついていないだけのこと(国立病院機構災害医療センター 救命救急センター 吉岡早戸先生)なので、違法薬物であることを強調して教育・啓発することが重要ですね。

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
医師のための 金融資産形成術
医師のための金融資産形成術

タダで自宅を手に入よう!

医師のための収益マイホーム購入マニュアル


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医


・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。