整形外科医のブログ

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整形外科

COPD患者さんに酸素投与してもいいの?

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整形内科医師のワタシは、内科的な疾患を多数抱えた患者さんを常に受け持っています。そしてその中にはCOPD患者さんもチラホラ。


COPDと聞けば、どのようなイメージがあるでしょうか。学生時代の遠い記憶では、COPD患者さん=CO2ナルコーシス併発のため酸素投与禁忌というイメージがあります。


COPD患者さん=CO2ナルコーシスが刷り込まれているので、COPD患者さんには酸素投与できないというアタマになっています。しかし、よく考えるとHOTはどうなのでしょうか?


立派に酸素投与していても何の問題もありません。その理由をしばらく悶々と内に抱えていましたが、先日に恥を忍んで内科の先生に訊いてみました。


すると、憐みの目で私を見ながら、アホでも分かるように懇切丁寧に教えてくれました。COPD患者さんに酸素投与する際には、普段のSaO2を把握しておく必要があります。


ご存知のように、一般人は血中の二酸化炭素濃度に呼吸中枢が反応します。しかし、COPD患者さんの中には、これがイカれていて酸素濃度で呼吸中枢が反応する人がいます。


そのような人に過剰な酸素を投与すると呼吸が止まりますが、普段のSaO2までならOKです。つまり、普段の
のSaO2を計測しておき、酸素投与時の上限をその値にするのです。


なるほど、いちいち論理的で納得できるロジックです...。しかし、このような基本的事項を知らなかったのは、アホな整形外科の中でも更にアホな私ぐらいかもしれませんね。







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整形外科研修ノート 改訂第2版



ひまわり法のケーブルを鋼線締結法で使用してはいけない!

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先日、膝蓋骨下極骨折がありました。下極といっても、それなりのサイズ感のある骨片です。まぁ、フツーの鋼線締結法でもいける範囲と判断しました。


しかし、透析患者さんだけに一抹の不安があります。それなら、どんな骨折にでも対応できる「ひまわり法
」をやってみよう。これが、全ての元凶でした...。


ご存知のように、ひまわり法は粉砕した膝蓋骨骨折であってもかなり強固な固定を獲得できます。それなら全例ひまわり法で良いのではないのか?まさに素人の浅はかな考えでした。


ひまわり法のパンフレットには、通常の鋼線締結法にもピンとケーブルを使用している画像があります。何の疑問も無くリングピンの感覚で、ピンと
ケーブルを使用しました。


ところがピン穴を
ケーブルが全然滑らないのです!手技書には200Nに締め上げて膝を何度か屈伸させると150Nになるので、これを繰り返して骨片間に圧を加えるとあります。


ところが、何度やっても
ケーブルはたわんだまま...。というかピンの穴の部分でスタックして全く動かないのです。当然骨折部は屈伸毎にパカパカ開きます(苦笑)。


全く話にならないので、専用の
ケーブルから通常の軟鋼線に変更して事なきを得ました。しかし、こんなに固定性を得られないのであれば、鋼線締結法の方がよほどシンプルです。


今回得た教訓は、ひまわり法のピンや
ケーブルは、ひまわり法以外では決して用いてはいけない、でした。あのカタログに載っている鋼線締結法の画像は削除するべきでしょう。


ひまわり法のデバイスの問題点は以下の通りです。おそらく、私の感じた欠点は全国の多くの医師から寄せられているはずですが...。

  • ピン穴とケーブル径に遊びが少ない
  • ケーブルは撚糸なので鋭角に圧を加えることに不適当


ピン穴と
ケーブル径の遊びがほぼ無いため、ケーブルを鋭角した状態で、少しでも軟部組織が介在にすると全く滑りません。


このため、物理的に従来の鋼線締結法のような使用法は不可能です。ひまわり法のデバイスは、ひまわり法でしか使用するべきではないでしょう。


最後は少し批判的な表現になりましたが、ひまわり法自体は素晴らしい術式だと思います。粉砕骨折では選択肢のひとつだと思います。







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個室入院は死亡率が上昇する?!

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先日、人工股関節全置換術(THA)術後数日の患者さんが急変しました。看護師が訪床すると、ベッドの上で呼吸していなかったようです。


木曜日の午後15時頃というゴールデンタイム(?)だったので、あっという間に黒山の人だかり。もの凄いマンパワーを得て蘇生開始します。


そうこうするうちに自発呼吸が出てきたので、頭部CT、頭部MRI、造影胸部CT、心エコー、下肢エコーまでを小1時間で完了してしまうという偉業を達成しました。


ちょうど放射線科医師も居たので読影もばっちり。結局、脳卒中、心筋梗塞、症候性PEなどではなく一命を取り止めました。不整脈だった可能性があるため循環器内科で精査です。


さて、このことがあってから思ったのですが、今回はとてもラッキーなケースでした。何故なら、個室にもかかわらず発見が早かったからです。


偶然にも早いタイミングで看護師が訪床したので事なきを得ましたが、あと数分遅かったら取返しのつかない状況だったと思われます。


もし、この患者さんが個室ではなく総室だった場合には、更に発見が早かった可能性もあります。もちろん、突然死であれば個室も総室も変わらないでしょう。


それでも、総室の場合には、他の患者さんの目もあるので、発見されやすいことは疑いようの無い事実です。これまで私は総室よりも個室の方が良いと思っていました。


しかし、今回の一件で個室至上主義の考え方が変わりました。特に高齢者や何らかの基礎疾患のある方は、総室の方がより安全かもしれないと感じました。






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整形外科研修ノート 改訂第2版



足関節3果骨折では内果骨折部からの天蓋観察が吉

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先日、かなり激しい足関節脱臼骨折(SE stage 4)の手術がありました。文字通りブランブランの関節で、下腿を持ち上げただけで距骨が後方脱臼します。



1




後果骨片は天蓋の1/2でした。このため、後果の再建が手術の勘所となります。定石通り、外果の整復固定を試みます。


通常、30分以内に骨接合が完了しますが、実際に展開すると外果もかなり粉砕していたため、30分オーバーになってしまいました。う~ん、雲行きが怪しい...。


次は後果の整復固定です。3果骨折で最も難しいステップですが、今回は内果骨片を末梢側に引き下げることで、骨折部から天蓋が丸見えになりました。


これまで足関節脱臼骨折のSE stage 4を数多く手術してきましたが、天蓋内部をはっきり見たのは初めてです。どうして今まで内果骨折部から天蓋を観察しなかったのだろう...。


直視下でラクラク天蓋を観察できるので、後果骨片を短鋭鈎で引き下ろして完璧な整復位を獲得できました。その状態で「直視下」にスクリューを挿入します。




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天蓋の操作が直視下なので、これほど楽な手術はありません。後果、内果ともサクサクと終わって、無事ワンターニケットで手術を終了しました。


今回の手術のポイントは、内果骨片を末梢側に排除して、天蓋内部を直視下に観察することでした。この点さえクリアできれば、3果骨折も恐れるに足りずです。







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超高齢者のオムツ骨折は自信を持って保存療法選択を!

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最近、超高齢者のオムツ骨折を診る機会が多いです。ご存知のように、オムツ骨折の治療は難渋します。手術療法を選択しようものなら、皆が不幸になる転帰となる可能性大。


しかし、派手に折れた大腿骨骨折の単純X線像は衝撃的な所見です。これだけ大きく転位した骨折を保存療法で治療するなど正気の沙汰ではない...。


しかし、これまで超高齢者のオムツ骨折と思われる大腿骨骨幹部や遠位端骨折を10例ほど治療してきましたが、現時点では骨癒合率100%です。意外なほど骨癒合するのです。


整形外科医であれば、成人の大腿骨骨幹部骨折は手術の絶対適応だと教わってきたと思います。しかし、最近感じるのは、ADL自立レベルの人に限るのではないかと疑念です。


寝たきりに近い人では、大腿骨骨幹部骨折と言えども、小児と同様に保存療法の対象ではないかと思うのです。


そもそも論として、寝たきりの人に手術を施行するメリットは除痛効果ぐらいです。しかも自力で体位変換不可能な人であれば、体向時に注意すれば、ある程度痛みを抑えられます。


そうであれば、固定力をそれほど望めない超高齢者のオムツ骨折に対して、手術を施行するメリットはほぼ無いのではないかと思うのです。


これまでは、恐々と大腿骨骨折の保存療法を実施していました。しかし、10症例経験して骨癒合率100%の実績をエビデンスとして、自信を持って保存療法を選択しようと思います。






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