整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

整形外科

病院勤務は社会勉強になる?!

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先日、外来受付で最近まで入院していた患者さんに呼び止められました。労災の事務関係の手続きで病院に来たらしいですが、会うなり怒涛のように愚痴を聞かされました...。


特に私に対するクレームではないのですが、とにかくネガティブなオーラがすごいです。ほんの2~3分話しただけなのですが、こちらまですごくネガティブな気持ちになりました。


ここまでくると一種の才能かと思うほどのネガティブオーラです。こんなに酷い人は珍しいですが、入院中は誰に対しても常に同じ態度だったことを思い出しました。


私たちは職業柄いろいろな人に会いますが、病院という場所柄かネガティブな人の含有率が多い気がします。


そして、ネガティブな人に対しては、無意識のうちに近づかないようにしようという気持ちが芽生えている自分に気付きました。


おそらく、多くの人が同じように感じているのではないかと思います。このことは、自分自身の社会に対するかかわり方のアンチテーゼとして非常に重要な経験だと思いました。


やはり、ネガティブさを前面に押し出して社会に接しているとロクなことが無いことを実感します。できるだけ関わり合いを持たないようにしようと思ってしまうので...。


逆に言うと、朗らかにしているだけでずいぶんトクだと思います。人の振り見て我が振り直せではないですが、病院にいると結構社会勉強になると感じました。






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CTの相談はシネモードの動画撮影で!

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先日、受傷後4週間の舟状骨骨折の患者さんを診察しました。他院からの紹介患者さんなのですが、手関節痛が続くので単純X線を施行したところ、舟状骨骨折を認めたのです。


画像上では骨折に硬化像はなく、また転位もほとんど認めません。しかし、既に受傷から4週間経過しており、その間は外固定を施行していませんでした。


う~ん、普通に考えたらまだ骨接合術でいけそうな感じなのですが、確証を持てません。このような場合、私は餅は餅屋に訊くようにしています。


いつもお世話になっている母校の手の外科の講師にLINEで相談しました。今回のケースではCTが鍵となります。しかし、LINE等でDICOMデータをおくるわけにはいきません。


少し試案したのですが、CTをシネモードでスマホで撮影して、その動画ファイルをLINEで送付することにしました。たくさんの分割画像を送るより視覚的に分かりやすいです。


動画なのでそこそこのサイズになりますが、確認すると7秒で1.75MBでした。これぐらいなら、さほど迷惑ではないのではないでしょうか...。


CTをシネモードの動画で送付するアイデアは、他の先生の実例をみてマネしたのですが、相談するときには有用なやり方だと思いました。撮影も簡単なのでお勧めの方法です。





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ひまわり法の雑感

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先日、膝蓋骨粉砕骨折にたいして、ひまわり法を施行しました。Xp側面像では中枢側骨片が翻転しており、CTでは末梢側が診たことないぐらい粉砕しています。


こりゃヒドイ、、、と言うことで術式について少し検討してみました。私は鋼線締結法で治せない膝蓋骨骨折は存在しないというポリシーの持ち主です。


したがって、かなりの粉砕骨折でも鋼線締結法を選択してきましたが、今回は尋常ではない粉砕程度なので少しビビってひまわり法を試してみることにしました。


ひまわり法は、周知のように鋼線締結法とは少し考え方が異なります。どちらと言えば鋼線締結法のような dynamicな固定ではなく、rigidな固定です。


動画で手術法や考え方を視聴しただけなので、イマイチ術中のピットフォールが分かりません。実際に施行すると、テクニック面では鋼線締結法よりも非常に簡単でした。


簡単というよりもテクニックなど不要?と思うほどです。ただ、問題点がひとつだけありました。それはスリーブに少しでも軟部組織が入るとケーブルが通らなくなることです。


業者の方に言われていたのである程度スリーブは骨から離していましたが、どうやら全然足りないようです。このため、ケーブルを通すことにかなりの時間を費やしてしまいました。


あと、鋼線締結法と異なり「固定しながら整復していくという整形外科的匠の技
」を使用できません。私は骨折手術の醍醐味は固定しながら整復していくだと考えています。


ひまわり法は rigidな固定法なので、完璧な整復位を確保してから固定していかなければ、途中で微調整できません。徐々に整復精度を上げていく私の方式には合わないようです。


最後は少し批判的な表現になりましたが、ひまわり法は誰がやっても及第点に達する術式だと思いました。特別なテクニックを要求されないのは良い点ですね。







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肺塞栓症(PE)で重要な 2症状

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先日、術後2日目の患者さんの呼吸状態が突然(?)悪化しました。
早朝の検温時に、SaO2=80%前半に低下していました。HR>100/分で頻脈もあります。


幸い、意識障害や呼吸苦などは無く、傍目にはそれほど重篤感はありません。それでも主治医的にはかなり焦ってしまいます。これは PEを併発したかな...。


人工関節術後患者さんなので、術前にDVTが無いことを確認したうえで術後1日目からリクシアナを経口投与しています。しかし、そんなことでは何の安心感もありません。


かなり前に重篤な 症候性PEを経験したのですが、最近は忘れていました。そこで、ザザッと PEについてのおさらいをしました。まず症候性 PEの代表的症状は下記2つです。


  1.  呼吸不全
  2.  頻脈


この2つがそろっている術後患者さんは PEを念頭に置いて検査を迅速に進めるべきでしょう。そして、検査は下記を行います。


  •  胸部CT、Xp
  •  心エコー、下肢静脈エコー
  •  血液生化学検査
  •  動脈血ガス


上記には比較的迅速に施行可能だと思います。特に心エコーでの右心負荷の有無は確認したいところです。誤嚥性肺炎の可能性もあるので胸部CTは必須でしょう。


高齢者は腎機能低下している方が多いので、造影CTを施行するか否かは状況しだいですが、心エコーで右心負荷(-)なら無しでもいいかもしれません。


そんなこんなでワタワタと検査してみましたが、結果的には PEではなく肺炎を併発していたようです。高齢者の人工関節置換術後の呼吸不全はこちらの心臓にも悪いですね...。








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頚部骨折でFHRとTHAで成績に差なし?!

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Medical Tribuneに興味深い記事がありました。人工股関節全置換術のメリットは限定的 人工骨頭置換術と差なし、HEALTH試験 です。



高齢の大腿骨頸部骨折患者に対し、人工股関節全置換術(THA)と人工骨頭置換術(HA)のどちらを実施すべきかについては一致した見解が得られていない。こうした中、カナダ・McMaster UniversityのMohit Bhandari氏らは転位型大腿骨頸部骨折患者約1,500例を対象に、THAとHAの有効性および安全性を比較検討する国際ランダム化比較試験(RCT)HEALTH※を実施。その結果、術後2年時の関節機能などはTHA群の方がわずかに優れていたものの、重篤な有害事象の発生率が高かったと米国整形外科外傷学会(OTA 2019、9月25~28日、デンバー)で発表、詳細はN Engl J Med(2019年9月26日オンライン版)に同時掲載された。



股関節外科医の観点からは、大腿骨頚部骨折では FHRよりも THAの方が望ましいと思っていました。特に比較的若年例では、FHRは不定愁訴が多いですから...。


しかし、今回の研究は私の常識を覆す結果でした。まさかの FHR善戦です。研究結果でTHAが思わしくなかった原因は、術後脱臼の項目のようです。


これに関しては術者の経験不足による技量の問題もさることながら、正常股+外傷では THAが意外と難しいことも影響しているのかもしれません。


今回の研究結果は真摯に受け止める必要があると思います。THAとFHRの臨床成績に大差が無いのであれば、あえて割高なTHAを選択する必要はありません。


もちろん、50歳台などの若年者ではTHAの方が望ましいでしょう。しかし80歳オーバーの高齢者であれば、大腿骨頚部骨折=FHRで問題ないかもしれません。






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