整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

整形外科

大腿骨頭のウマイ摘出法

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最近、大腿骨頚部骨折に対する人工骨頭置換術がたくさんありました。いよいよ、大腿骨近位部骨折シーズンの到来ですね。


人工骨頭置換術と言うと研修医の先生の手術のようなイメージがありますが、大腿骨の骨質が悪い症例が多く、意外なピットフォールが多いと感じています。


あまり雑な手術をしていると、術中骨折を併発することがあるので、私的には人工骨頭置換術はあまり好きな手術ではありません。


正直に言うと、 THA の方が簡単な手術であるとまで考えています。さて人工骨頭置換術の際に、骨折した大腿骨頭を摘出するステップに意外と手間取ることがあります。


大腿骨頭を摘出する工夫を2つご紹介したいと思います。ひとつは他の医師から教えていただいたのですが、Garden stage 2~3 では THA のように大腿骨頭を脱臼させる方法です。


この方法のメリットは、うまくいくとあっという間に脱臼して大腿骨頭を摘出することが可能なことです。


もちろん、骨折しているのでうまく脱臼できずに骨折部が開大してしまって大腿骨頭が寛骨臼以内に取り残されることはままあります。


100%うまく脱臼させる方法はないのですが、寛骨臼と大腿骨頭の間にエレバトリウムを挿入して、これで介助しながら脱臼操作するとうまくいくことが多いイメージです。


もう一つの方法は、骨折部が開大している Garden stage 4 の場合に行います。まず大腿骨頚部の骨切りを行います。


そして寛骨臼内に残っている大腿骨頭を摘出するのですが、骨頭抜去器を2本準備します。一つは骨折部から、もう一つは90°角度をつけて大腿骨頭の関節軟骨面から挿入します。


そして、90°の角度がついている 2本の骨頭抜去器をそのまま上に持ち上げることによって、簡単に大腿骨頭を摘出することができます。


今回ご紹介した2つの方法のいずれかで、寛骨臼から大腿骨頭をあっさり摘出することができます。もし大腿骨頭の摘出で苦労している先生がいたら、一度試してみてください。







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胸部打撲は整形外科の範疇なのか?

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胸部打撲を診るのが、外科なのか整形外科なのかは病院によって異なります。今までたくさんの病院で診察しましたが、このことについて明確な基準は無いようです。


実際的には、院内における外科と整形外科の力関係、両科の忙しさの度合い、および医師がどこまで熱心に診療しているのかによって変わっているようです。


胸部打撲で最も多いのは肋骨骨折や胸骨骨折です。外科の医師からすると、まず整形外科が診て、骨折がなかったら俺達が診てやろう的な考え方になっても不思議ではありません。


一方、整形外科医的には、骨折があるだけならバストバンド固定で済みますし、骨折に気胸を併発しているようであれば外科の先生の力が必要となります。


また胸部打撲で肋骨骨折かと思いきや、実は脾臓損傷や肝臓損傷まで合併していたということも時々あります。


このあたりの方を考えると、整形外科医的にはやはり胸部打撲や腹部打撲は、まず外科で診てほしいというのが本音です。


ただこの事に関しては、整形外科医の中でも統一した見解はありません。以前勤めていた病院では、トップが胸部打撲は整形が診るに決まっている!とおっしゃられていました。。。


胸部打撲患者が整形外科を初診するのは未だに釈然としませんが、患者を第一に考えると胸腹部打撲は外科の先生が初療して内臓損傷の除外診断をするべきではないかと思います。






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安全策を採るのもほどほどに!

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骨折治療中の患者さんには単純X線像等の画像で外来フォローします。ただ周知のように、仮骨はそんなすぐには見えてきません。


骨折の治療では、特に最初の 2~3 週間が転院しやすい時期という認識なので、この期間に関しては骨折型によって 1 週間もしくは 2 週間毎に診察をしています。


受傷後 2~3 週間は骨癒合をみているのではなく転位しないかどうかを確認しているのですが、このことは患者さんにはなかなか理解してもらえないです。


患者さんから聞かれることの圧倒的一番は「良くなってきていますか?」という言葉です。このフレーズは受傷早期の診察から頻回に発せられます。


しかし、残念ながら私たちが画像で確認したいのは、良くなってきている(=骨癒合の所見)ではなく、悪くなっていないこと(=転位していない)です。


後になって順調だったハズなのに!と誹謗されることを恐れて安全策(?)を採って「まだ骨はできていないですね。。。」と言ってしまい、患者さんをがっかりさせてしまいます。


少し罪悪感を持っていたのですが、最近は受傷後 2~3 週間であっても「良くなってきています」と言うようになりました。要らぬところで身の保全を図る必要は無いなと。。。


画像で骨癒合所見が現れるまで数週間かかりますが、よく考えると骨癒合所見が現れていない初期の段階であっても、どんどん骨癒合が進んでいるはずです。


受傷後 2~3 週間は骨折が転位しないことを確認しているのですが、転位していないということは骨癒合が正常に進んでいる可能性が高いということにもなります。


そこで、私は仮骨が見えていなくても、転位していなければあえて「良くなってきていますね!」と言うようにしています。


そのように言って患者さんを安心させてあげると気持ちよく帰っていただけるので、外来もスムーズに流れていくと思います。


※ もちろん、安心させると無茶苦茶するキャラクターのときはこのかぎりではありません






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ペースメーカー症例をスルーするな!

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先日、大腿骨近位部骨折の手術がありました。
その日は慌ただしかったので手術の合間に、術前指示などを入力していました。


何か異常所見無いかな~と胸部単純X線像をみていると、通りがかった手術室看護師さんが「ペースメーカーが入ってる!」と叫びました。


???と思っていると、手術に際してペースメーカーの業者さんに立ち合ってもらわなければいけないので、業者さんの手配をする必要があるとのことでした。


あーそうでした。当日まで気付かないとペースメーカーの業者さんに連絡してバタバタするハメになります。私は結構忘れてしまうのです。。。


ご存知のように心臓ペースメーカーが植え込まれていると、そのままのモードでは電気メスを使用できません。また、麻酔科的にも業者さんが居ないと気持ち悪いそうです。


胸部X線像では、大きなペースメーカーが留置されていますが、私は完全にスルーしていました。肺野や心臓の大きさしかみていなかったのです(苦笑)。


ときどき心臓ペースメーカー症例があるので、そのたびにバタバタしています。いい加減、心臓ペースメーカー=業者さんコールを覚えねば・・・






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マッチョな頚椎症性筋萎縮症を見た!

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先日、ボディービルダーの男性が初診しました。
主訴は「左上肢の上腕二頭筋が小さくなってきた
」というものです。


なんだそりゃ? て感じだったのですが、 一応診察してみました。上腕を診たのですが、めちゃめくちゃ太い上腕です。しかも上腕二頭筋の大きさも半端ではありません。


この人ちょっとおかしいんじゃないの? と思ったのですが、とりあえず左右を比べたいので上半身裸になってもらうと、右と比べて左側が細い(?)気がします。


たしかに左右差ありそうですね~と私が言うと、いきなりフロント・ダブル・バイセップスのポーズ(下図)をとって、左の二頭筋小さいでしょう? とおっしゃられます(苦笑)。



555 - コピー





冷静さを保ちつつ、診察を進めると肩関節周囲は三角筋がやや菲薄化して肩甲骨の形が目立ちます。と言っても常人の上腕と比較すると、とんでもなく分厚い肩なのですが・・・


全体的にとんでもない筋肉量なので騙されていましたが、確かに筋萎縮があり左右差を認めます。筋萎縮と言っても絶対量で見ると常人よりもはるかに多い筋力量です。


しかし、左右差を考えると頚椎症性筋萎縮症を疑わせる所見です。今回はあまり有意義なオチではないのですが、頚椎症性筋萎縮症ではやはり左右差が大事だなと思いました。


まあここまでムキムキの人が頚椎症性筋萎縮症になるのも珍しいので、今回のようなピットフォールはあまり経験しないような気がしますが。。。






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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        

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