整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

整形外科

ステロイドの関節内注射

このエントリーをはてなブックマークに追加


ステロイドの関節内注射は、作用時間が短いものの除痛性に優れるため、昔から変形性膝関節症の保存治療のひとつの選択肢として用いられてきました。


しかし、日本整形外科学会のOARSI勧告に基づくガイドラインによると、
効果が短期間であることと、頻繁には使用しない方がよいという理由から推奨度Cです(推奨度A~D)。


更に、OARSIでは年に4回までにとどめることを勧告しています。ステロイド関節内注射群と対象群を2年間比較すると、0.1mm軟骨が薄くなったという報告もあるそうです。


私は、OARSIのヒアルロン酸製剤の関節内注射に対してはdisagreeなのですが、ステロイドの関節内注射に対する制限に関しては全く同意しています。


ステロイドはヒアルロン酸製剤と比較すると短期的な効果は優れていますが、石灰化、皮膚萎縮、感染などさまざまな合併症が生じるので頻回使用は厳に慎むべきでしょう。


ただし、どうしてもステロイド関節内注射を施行せざるを得ない場面があることも事実です。臨床的にステロイド関節内注射が著効しそうなのは下記のケースだと思います。


  • 若年者
  • 画像上の変形が少ない
  • 可動域制限無し



ステロイド関節内注射の頻回使用は合併症の観点から避けるべきではあるものの、症例によってはメリハリをつけて使用することもアリかなと考えています。







★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


    



14年経過した手術の成績表

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、14年前に脛骨高原骨折の手術を施行した患者さんが、私の外来を受診されました。わざわざ、以前に私が勤務していた病院に、現在の私の勤務先を問い合わせたようです。


手術記録を読み返すと、かなりキツイ脛骨両顆骨折だったようですが、dual plateでまずまずの解剖学的整復位を獲得したようです。



AP



驚いたことに、さほど変形性膝関節症は進行していませんでした。さすがに最近少し膝が痛くなりだしたようですが、関節水腫もほとんどありませんでした。


抜釘していない理由は、あまりにキツイ脛骨両顆骨折であったため、早期にTKAへコンバートすると
当時の私は予想したらしく、抜釘はTKAの際にしましょうと言ったようです。



それから14年の月日が流れましたが、膝関節はほとんど症状無く今日まで経過しました。う~ん、なかなか感慨深いです。。。


患者さんは70歳台後半に突入しているため、抜釘はせずにこのまま経過観察することにしました。うまくいけば、最後までTKAを回避できそうです。


思いがけずに14年前の自分の手術に遭遇したことと、意外と成績が良かったことに、大きな感銘を受けました。今夜のビールは美味しいな。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


整形外科医なら誰もが所有している骨折治療のバイブルです。豊富な図や画像が提示されており、骨折手術におけるAOの考え方や基本原則を学べます。








足部正面像で外果裂離骨折が判明!

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、足関節捻挫の患者さんが初診されました。
外果から足部にかけて、かなりの腫脹がありました。



1 - コピー



圧痛の最強点は足関節外側靱帯部およびリスフラン関節部のようです。さしあたって単純X線像を確認しましたが、明らかな異常所見を認めませんでした。



2 - コピー




リスフラン関節部にも明らかな骨折はなさそうです。靱帯損傷なんだろうな~と思っていると、足部正面像で腓骨遠位端に裂離骨折がうつっているではありませんか!




3 - コピー



なるほど、足関節外果部の圧痛はコレだな。。。実はこのようなことは今回が初めてではありません。何度か足部正面像で腓骨遠位端の裂離骨折をみつけたことがあります。


おそらく踵腓靭帯性裂離骨折であれば、足関節正面像でも分かると思いますが、前距腓靭帯性裂離骨折は足関節正面像では分かりにくいのでしょう。


ルーチンで足部正面像を撮像する必要は無いと思いますが、足部捻挫と紛らわしくて撮像する際には、腓骨遠位端も確認した方が良いと思います。








★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








高齢患者に伝えたい4つのポイント

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、相互リンクいただいている「内科医たくゆきじ
で興味深い記事を拝見しました。高齢の患者さんが心不全や肺炎で入院する時に話さなければならない4つのこと
です。


たくゆきじ先生は、ブログ内で下記について詳述しています。

  1.  入院中は必ず体力が落ちること
  2.  入院中も別な病気になりうる
  3.  入院に落ち着かなくなる人がいる
  4.  急変した時の対応について



言われてみれば当然のことなのですが、私たち整形外科医では、なかなか全ての項目を漏れなく患者さん(およびご家族)に伝えることは難しいかもしれません。


そして秀逸なのは、上記の4つのポイントのテンプレートがブログ内でまとめられていることです。下記に画像を貼付します。



55 - コピー




テキストベースで欲しい方は、是非たくゆきじ先生のブログを訪問してみてください!








★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


    



橈骨遠位端の不顕性骨折

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、2週間前から手関節が腫れて痛むという70歳台の患者さんが初診されました。診察すると、手関節が少し腫脹しています。外傷歴が無いので、手関節水腫だと思いました。



ap - コピー



しかし、単純X線像をみると、何となく普通ではありません。??? と思って、側面像を見ると、橈骨遠位端背側の皮質骨が変な感じです。



LR - コピー




これって、骨折ではないのか? ご本人に何度も念押ししましたが、やはり転倒等のエピソードはないとのことです。受け答えはしっかりしており、認知症でもなそうです。



MRI - コピー




念のためにMRIを撮像すると、やはり橈骨遠位端骨折のようです。圧痛点も関節ではなく、橈骨遠位端なので、画像と身体所見が一致しました。


それにしても非荷重肢である橈骨遠位端に不顕性骨折というものが存在するのか? 医中誌で検索すると、数は少ないものの、ある程度まとまった報告がありました。


  • 当院における橈骨遠位端不顕性骨折(occult fracture)の検討 
  • Author:森川 圭造(森川整形外科医院) 
  • Source:骨折(0287-2285)38巻1号 Page22-25(2016.02)



なるほど、小児と高齢者では機転が異なるようですが、非荷重肢であるものの橈骨遠位端にも不顕性骨折は存在するようです。いや~勉強になりました。








★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です








アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
医師のための 金融資産形成術
医師のための金融資産形成術

タダで自宅を手に入よう!

医師のための収益マイホーム購入マニュアル


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医


・医学博士
・日本整形外科学会専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家
・ビジネスオーナー
・宅地建物取引主任士

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。