整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

整形外科

レビュー: NCBプレート(脛骨側)

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先日、脛骨高原骨折の手術がありました。
split depression typeの骨折では、昔はシンセスのL型バットレスプレートが定番でした。


しかし、このプレートは日本人の骨に全く適合しておらず、非常にストレスフルな内固定材料です。そして、最近では各社がアナトミカルなプレートを発売しています。


今回はZIMMER BIOMETのNCB Proximal Tibiaを使用したのでレビューしてみます。このプレートの特徴は、ポリアクシャルなロッキングスクリューを使用可能なことです。



555 - コピー



ポリアクシャルなロッキングスクリューを使用可能なことはNCBシリーズの特徴なのですが、これはかなり有用だと思います。


ポリアクシャルを可能にしている関係で、さすがにプレート自体はかなりバルキーなのですが、アナトミカルな形状なのでその欠点をかなり減少させています。


脛骨高原骨折であれば、ほぼどのような骨折型にも対応できるので、かなりいい感じです。顆部の整復鉗子やボーンインパクターも工夫されており、使用感はとても良かったです。



ただし、このプレートには致命的な欠点があります。それは、サイズバリエーションが最短5穴であることです。全長13cm以上もあり、どう考えても長すぎます。


MIPOで施行すれば関係無いという話もありますが、プレートが長いと脛骨の軸方向の調整が難しくなるため、要らぬ神経を使います。


せめて3穴プレートがあれば、ベストに近い内固定材料だと思います。この点だけは非常に残念です。ZIMMER BIOMET社には、ラインナップ追加を強く望みたいところです。





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鎖骨骨折手術と神経根症

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先日、鎖骨骨折後の偽関節手術を経験した私は、保存治療に対して少し臆病になっています。やはり、鎖骨の偽関節手術は面倒なので、できればやりたくない手術なのです。


このため、下記の条件を全て満たしてしまう患者さんに関しては、渋々ですが手術治療を勧めるようにしています。

  •  第3骨片を伴う粉砕骨折
  •  メインの骨片間の接触がない
  •  ヘビースモーカー



術式に関しては、リコンストラクションプレートを選択することが多いです。プレート固定では、ドライバーが患者さんの下顎が当ってスクリュー挿入の障害になることがあります。


これを避けるためには、頭部を健側に回旋させてドライバーが下顎に当らないようにする必要があります。


ほとんどの症例で問題なく手術を施行できますが、40歳以上の患者さんの場合には、頚椎症性神経根症の存在に注意する必要があります。


もともと頚椎症性神経根症のある患者さんでは、術中に頭部を無理に回旋させることで、術後に症状が増悪する場合があります。


術後に神経根症を併発すると、耐えがたい上肢痛がしばらく続く。。。 これを経験すると、患者さんに恨まれるので、絶対に避けねば! という気持ちになります。


術後の頚椎症性神経根症併発リスクを確認するため、術前には必ずSpurling testを施行しています。このときに陽性になる場合は、術中の頭位に注意しましょう。







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愚痴: 救急車を使い倒す

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先日、90歳前半の高齢者が腰痛で救急搬送されました。通常ストレッチャーで搬送されますが、救急室に到着すると、すでに車椅子で座っていました。


それなりに痛みはあるようですが、単純X線像では特に異常所見を認めません。MRIでは亜急性の第9胸椎圧迫骨折を認めました。強い希望があったため、入院となりました。


ここまでは治療経過なのですが、入院翌日に外出希望がありました。独り暮らしで身寄りも無いため、忘れ物を取りに行きたいとのことでした。


認知症は無く独歩可能であったため、外出許可を出したのですが、その日の夕方に救急要請がありました。その患者さんが最寄駅で動けなくなって救急要請したとのことです。


外出時は歩行可能なのに、帰りに(しかも駅から)都合良く救急要請??? 案の定、腰痛の増悪は無く、すたすた歩いて救急室に乗り込んできました・・・


この患者さんは生活保護で、救急車をタクシー代わりに日常的に利用しているそうです。救急隊員も「いつものことです・・・」苦笑していました。


ここまで徹底して救急車をタクシー代わりに利用する人は珍しいですが、いくら御高齢の生活保護患者とはいえ、このようなモラルハザードは許されないのではないかと感じました。





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自ら実験台になりターニケット体験

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私は、できるだけ患者さんに苦痛を与えないことをモットーにしています。そんなの当たり前じゃないか! と怒られそうですね(笑)。


整形外科の手の外科領域の小手術には、腱鞘切開術や手根管開放術があります。私は、両手術とも局所麻酔+ターニケット無しで施行する場合が多いです。


しかし、手根管開放術で横靭帯の遠位端をしっかり切離できているかを確認する際に、ターニケット無しでは難しいことが時々あります。


このようなケースでは、あっさりターニケットを使用してサクッと終わった方が患者さんに与える苦痛は少ないのではないのか? と思うようになりました。


しかし、局所麻酔の手術でターニケットをすると結構苦痛を与えてしまいそうです。そこで、実際に自分で上肢のターニケットを巻いてみました。


結論的には10分ぐらいは余裕です。ターニケットを巻いている部分が少々痛いですが、心配していた虚血によるターニケットペインは10分ぐらいでは大丈夫でした。


これなら手根管開放術もあっさりターニケットを巻いた方が良さそうです。患者さんにもよりますが、安全・確実な手術のためには局所麻酔+ターニケットもアリだと思いました。


ただし、下肢のターニケットは話が別です。下肢はターニケット直後から文字通り「足の置き場がない」痛みと気持ち悪さに苛まれます。


下肢では局所麻酔下でターニケットを巻く機会はあまりないですが、上肢とは別モノと考えた方が良いと思います。






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PE疑い=造影CT+ヘパリン静注!

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先日、入院中の患者さんの状態が急変したことがありました。下肢の術後患者さんでリハビリテーション中に突然意識が消失したようです。


このような状況では、整形外科医であれば深部静脈血栓による急性肺血栓塞栓症(PE)を疑うと思います。では、次の一手はどうすればよいのか?



急性肺血栓塞栓症を疑うときには、こちらでまとめたようにやるべきことは2つです。

  • 造影 CT施行
  • 直ちにヘパリン 3,000 ~ 5,000 単位(または80 単位/体重1kg)を単回静脈内投与


この患者さんの主治医は上司の先生でしたが、報告を受けてすぐに上記指示を出していました。さすがです。


私はブログを書く際にまとめたので、このあたりの知識をよく知っているのですが、普通はなかなかとっさに出てこないと思います。


いずれにせよ、急性肺血栓塞栓症を疑い=造影 CT+ヘパリン3,000 ~ 5,000 単位 と覚えておきましょう。







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