整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

整形外科

褥瘡のポケット切開で悩む

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先日、久しぶりに褥瘡患者さんの診察をしました。通常は院内の褥瘡ラウンドが全ての褥瘡患者さんの治療に対応しています。


しかし、上腕骨内上顆部の骨髄炎を伴う感染性褥瘡だったので、併診依頼がきたのです。3次救急病院時代には頚髄損傷患者さんを複数担当していたので褥瘡も治療していました。


しかし、現在の病院では人工関節全置換術ばかりしているので、褥瘡治療は久し振りでした。診察すると、上腕骨内上顆を中心に巨大なポケットを形成しています。


中枢・屈側方向を中心に 3cmほどの深いポケットなので、内部まで有効に治療できていない印象でした。ポケット開放が必要そうですが、念のためガイドラインを確認しました。


Mindsの記載に目を見張りました。どのような場合にポケット開放すればよいかについては、
エキスパートオピニオン以外にエビデンスはほぼ無いとのことです。







これには驚きましたが、どうみてもポケット内に感染性組織が滞留しているのでポケット開放は必要そうです。そこで、ポケット切開することにしましたが、どう切開しよう...。


前述のように、中枢・屈側方向中心ですが全周性の深いポケットです。最も深いのは屈側ですが、安易にその方向に切開すると、上腕骨の処理が必要になった場合にやっかいです。


そこで、上腕骨の骨髄炎手術を想定して、中枢方向にポケット切開することにしました。最も深い屈側方向に切開すると、次の手を打ちづらくなります。


たかが褥瘡のポケット切開ですが、少し考えさせられました。そして、このあたりの実践的な資料は残念ながら存在しないようです。





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駆血時間は筋肉量による

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先日、大学の先生からターニケットについての興味深い話をお伺いしました。四肢の粉砕骨折では、長時間の駆血を強いられることも稀ではありません。


ターニケットによる駆血時間が 2時間30分を超えてくると、少し不安になってきます。では、ターニケットによる四肢の駆血に耐えうる時間に与える要素は何なのでしょうか?


それは駆血下の筋肉量だそうです。筋肉は作動していなくても常に酸素を消費しています。このため、筋肉量が多い部位よりも少ない部位の方が駆血に対する耐性が高いです。


このため、一般的には下肢よりも上肢の方が筋肉量が少ないため、長時間の駆血に耐えられます。この話を更に進めると、指の駆血ではかなり長時間の駆血にも耐えられるのです。


この話を聞いて、ターニケットによる駆血の考え方に合点がいきました。前腕両骨骨折などでは長時間の駆血を強いられることが稀ではありません。


手術時間が長くなって一旦ターニケットを外すと組織の腫脹が増悪するため、できるだけ避けたいと思う場面もあります。


このようなケースでは、手術を終了できる目途がある程度ついているのであれば、勇気をもってターニケットの駆血時間を延長する選択肢もあるかもしれません。





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爪外傷はアロンアルファで「瞬間的」に治す

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先日、久し振りに足趾の爪外傷の患者さんの治療を行いました。母趾末節骨開放骨折に併発しており、足趾の爪は中枢側と末梢側で割れていました。


周知のように、爪はシーネのような役割を果たします。したがって、爪が割れていても、可能なかぎり抜爪しない方が骨癒合率も高まり、患者さんのADLも向上します。


このような爪外傷を治療する機会は、整形外科医よりも救急科や外科の医師の方が多いかもしれません。そしてありがちなのは爪を抜爪してしまうことです。


爪が無いと末節骨の偽関節化率が高まり、また爪変形もきたしやすくなります。このような症例では、私は爪をアロンアルファなどの瞬間接着剤で割れた爪表面を修復しています。


 
tsume

(ファミリー薬局から抜粋)



爪甲が爪床から剥がれていない場合、アロンアルファなどの瞬間接着剤で割れた爪表面を修復すると、あっという間に爪が「治るのです。


爪甲が爪床から剥がれている場合であっても、できるだけ抜爪しません。剥がれかかった爪を周囲に縫合した後、アロンアルファで爪甲の修復を行います。


手の爪は1日あたり約 0.1mm伸びます。つまり1ヵ月で約 3mmしか伸びません。このため抜爪すると完全に生え変わるのに約 3~6ヵ月も掛かります。


更に、足趾では1年近く掛かってしまうのです。その間爪が無い生活を送らなければいけないので、患者さんのADL上も快適とは言い難い状況になります。


具体的な手法は下記のごとくです。
  1. 割れた爪同士をぴったり合わせる。
  2. 2つの爪の間から血液もしくは淡血清の滲出液が爪表面に漏出するので、ガーゼ等でふき取って爪甲表面を乾いた状態にする
  3. 瞬間接着剤を爪が割れている部分に塗布する
  4. 瞬間接着剤が固まるまで数分間は爪をぴったり合わせたまま圧迫力を加え続ける


ピットフォールは、①瞬間接着剤が固まるまで数分間かかること ②塗布する瞬間接着剤の量が多いと爪郭にこぼれたり固着するのに時間がかかるので少なめにすること です。






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人力牽引による転子部骨折の整復法

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ときどき、大腿骨転子部骨折で整復が難しい症例があります。単に牽引手術台で牽引するだけでは骨折部の噛み込みが外れず、内反変形が整復できない症例などです。


このような症例では骨膜連続性が破綻しているものや、軟部組織が骨片間に介在して整復を妨げている等の原因が考えられます。


いずれにせよ、ある程度整復しないと手術を施行できないのですが、牽引するだけでは整復位を獲得できない症例では、患肢を牽引手術台から外して徒手整復することも有効です。


足部のホルダーを外して膝関節を軽度屈曲位として大腿部を直接徒手的に牽引します。人力ですがそこそこの牽引力を加えることが可能です。


そして、イメージをみながら骨折部の整復をするのですが、牽引手術台では絶対に施行できない肢位でも牽引できるので、骨片間の噛み込みを外せる確率が上がります。


傍からみているとプロレス技の「四の字固め」のようにも見えます(笑)。もちろんやり過ぎると術中骨折を併発するので、愛護的に徒手整復するようにしましょう。






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一般人も戦略物資の備蓄は必要

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Bloombergで興味深い記事がありました。
コロナ第2波迫る中国と対照的、台湾の視線は次のパンデミックに です。


台湾は中国からの圧力もあり、世界保健機関(WHO)などパンデミックに対応する国際機関から排除されており、自力で何とかしなければならない事情があった。同じことをしたいと考える国々にとっては貴重なお手本となっている。



台湾の当局者らはマスクの備蓄と配布の判断が早かったことを成功の一因に挙げる。政府は1月から域内で生産した全てのマスクを収用し、新規の輸出を禁止。軍の兵士らが生産ラインに加わり、政府も追加設備に資金を投じた。それから4カ月もせずに企業は1日当たりのマスク生産量を200万枚から2000万枚に増やし、定期的にマスクを住民に配ることができた。



林氏は「マスク備蓄で得た経験を他の必需品のサプライチェーン構築にも生かしていく」と説明。「政府は供給と市場価格の安定に向けて戦略物資の備蓄拡大で一段と積極的な役割を果たす」と述べた。



国内でもボチボチ言われ始めていますが、やはり戦略物資は備蓄しておくべきでしょう。これは国家レベルだけではなく一般人レベルでもだと思います。


まだコロナ禍が明けていないので、今マスクやアルコール等を備蓄するのはご法度だと思います。しかし、コロナ禍が過ぎ去ったら、N95やアルコールを備蓄しておこうと思います。


地震や台風などの自然災害対策としての食糧・水備蓄に加えて、パンデミック対策も必要なので大変ですが、地球環境は悪化しつつあるので備えておく必要がありそうです。





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