整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

整形外科

術中使用した尖刃の有効利用法

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先日、術後に興味深い風景を拝見しました。
整形外科の四肢手術ではストッキネットを使用します。


術後は直剪でバサバサ切ることが多いですが、結構分厚くてストレスフルです。靴下のように脱がすことも可能ですが、包帯がまくれたり、イソジンが付着してしまいます。


重大な問題ではないことと、術直後にしかストレスを感じないので長年放置していました。しかし先日の手術で、ストッキネットを使用済みの尖刃で切っている風景を見ました。


体表側から天井に向かってサクサクと切ることにより、ストレスなくストッキネットを除去できました。う~ん、これはウマい工夫です。


術中に使用済みの尖刃なので、特に新たな費用発生はないです。問題点は少し危ないことですが、これも気を付けていれば大丈夫です。


ちなみに尖刃で切るのはストッキネット根元のクルクル丸まっている部位のみでOKです。ここさえ切れれば、後は直剪で切る方が安全で楽だからです。





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院内のよくある風景:各科の確執

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院内のよくある風景に、診療科同士の確執があります。
例えば、整形外科医 vs 外科医や、整形外科医 vs 内科医といった感じです。


整形外科医の立場からは「俺たちはこんなに忙しく働いているんだから、ちょっとは協力してくれよ」というのが本音だと思います。


一方、他科医師からは、「ホネしか診れないくせに態度がデカい」という声が聞こえます。う~ん、この意見にも一理ありますね。


コミュニケーション能力に難のある人やプライドの高い人が多いので、各科間のいざこざは表面化しがちです。しかし、いざこざを起こしても、百害あって一利無しです。


自分で言うのも何ですが、私は他科医師とかなり上手くやっています。これには下記のようなポイントがあると思っています。

  1.  他科医師からの依頼にはできるだけ誠意をもって対応する
  2.  こちらからお願いするときには、必ず直接状況を説明して頭を下げてお願いする
  3.  廊下ですれ違えば、常に挨拶をする


客観的には当たり前のことばかりなのですが、他科医師といざこざを起こす医師を観察していると、上記の3つのポイントを実践できていないことが多い印象です。


①は、「与えよ、さらば与えられん」です。こちらがなおざりな対応しかしないのに、他科医師に助けを求めようということは虫が良すぎます。


②は、基本的には人間同士の付き合いのですから、システムに乗っかって機械的に診察依頼するよりも、心情に訴えかけて診察依頼する方がスムーズで効果的です。


もちろん、些細な診察依頼なら機械的にシステムに乗っかってでOKですが、重篤な症例では直接状況を説明して頭を下げてお願いするのがスムーズではないでしょうか。


③は、人間として基本中の基本です。ただし、本当は「笑顔で」という項目も付け加わるのですが、性格の問題から私自身ができていません(笑)。






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医療ブログは備忘録に最適

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先日、久しぶりに膝蓋骨脱臼の新鮮症例を診察しました。単純X線像を確認すると、大腿骨膝蓋骨溝の低形成は認めませんが、膝蓋骨内側部に圧痛もあります。


身体所見から膝蓋骨脱臼と診断し、いざ外固定を施行しようとして止まってしまいました。膝蓋骨脱臼の場合、膝軽度屈曲位か伸展位のどちらにするべきかをド忘れしたのです。


こういう場合、考えても確証を得られませんので、調べるに限ります。私の場合、調べる対象は当ブログです(笑)。何といっても「日々の診療の備忘録」としてスタートしたのですから。



ネットで「膝蓋骨脱臼」「固定」検索すると、膝蓋骨脱臼についての一般人向けHPやブログが大半です。全て一般人向けなので、固定肢位の記載は皆無です。


そこで、「膝蓋骨脱臼」「固定」に「整形外科医のブログ」を追加すると、下記のエントリーがヒットしました。泡沫ブログなので、キーワードを羅列しないとヒットしないのです。






自分で書いたブログですが、すっかり忘れていました(笑)。これを読むと、膝関節伸展位で2~3週間固定することが多いと書かれています。


膝関節を伸展位で固定する理由は、Q angle(通常20度未満で平均14度ぐらい)の影響で、膝関節を屈曲するにつれて膝関節外方への合力がかかるからです。


膝関節の屈曲角度が大きくなるほど、膝蓋骨が脱臼する方向(膝関節の外側)への力が加わります。 このため、膝関節の固定角度は伸展位が推奨されます。


また、膝蓋骨脱臼のために損傷した内側関節包や内側膝蓋大腿靭帯(MPFL)の修復を促す意味でも、膝関節外側への力があまりかからない膝関節伸展位での初期固定が有効なのです。


なるほど、そういうことですか。。。すっかり忘れていました。しかし、(未来の)自分向けに書かれているので、我ながら非常に分かりやすいです(笑)


このように、備忘録としてもブログは非常に有用だと思います。言わば、世間に公開されている自分だけの備忘録なのです。


クラウドで自分の診療の備忘録を持ちたい方は、ブログを立ち上げることを強くお勧めします。そして、立ち上げた際には、このブログへのリンクを張ってくださいね(笑)。








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周術期の甲状腺機能低下症の問題点は?

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外来をしてると、既往歴に甲状腺機能低下症の患者さんが多いことに気付きました。かなりの頻度なので、最近では甲状腺機能低下症と言っても何も感じなくなっていました。


ところが、先日の手術症例で、麻酔科医師から甲状腺機能低下症で何の検査もしていないことを指摘されました。甲状腺機能低下症の一体何が問題なのか?


麻酔科医師に確認したところ、私たちが医師になるより前の時代に、術後心不全で死亡する症例が散見されたそうです。レトロスペクティブに調査すると、甲状腺機能低下症でした。


今では野放しの甲状腺機能低下症の患者さんは、ほとんど見られなくなりました。それだけ医学が発展した証左であり、コントロールされているので周術期も安心です。


実際的には患者さんご自身が、既往歴として甲状腺機能低下症を申告する時点で、しっかり甲状腺機能低下症の治療が行われていることになります。


このため、ほとんどの症例において、甲状腺機能低下症の既往があったとしても、心不全等の臨床上の問題点が発生する可能性は低いです。


ただ、そうは言っても甲状腺機能低下症の既往がある場合には、下記の3点セットを施行することが望ましいです。


  1.  TSH
  2.  free T3
  3.  free T4


仮にTSHが多少高くても、free T3やfree T4が正常値であれば、周術期の臨床としてはほとんど問題ないそうです。


甲状腺機能低下症は、非常にメジャーな疾患という認識ですが、手術症例では、ある程度慎重な対応が必要なようです。






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陳旧性(?)小児肘内障には要注意!

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先日、近所の整形外科開業医から2歳児の診察依頼がありました。
前日、父親に左手を引っ張られてから動かさなくなったとのことです。


そして、当日の午前にその整形外科開業医を受診したのですが、肘内障の整復操作をしてもはっきりとした整復感を得ることができなかったようです。


当院初診時に、患児はある程度左肘を動かしていますが、まだ痛みが残存しているようです。両肘関節に視診上での差異が無いことを確認した上で、小児肘内障の整復操作を施行しました。


何度か繰り返すと、ようやく鈍いクリックを触知しましたがいつもと様子が違います。う~ん、何かおかしい・・・。念のため、もう少し継続すると今度は比較的はっきりしたクリックを触知しました。



城東整形外科の皆川先生の論文にもありましたが、一度肘内障を発症すると輪状靭帯や周囲の軟部組織が腫脹するそうです。


数時間以内に整復されている通常例でも軟部組織が腫脹するぐらいなので、1日経過したものでは相当輪状靭帯周囲が腫脹しているものと推察されます。


このためなかなか輪状靭帯が整復されず、整復操作も一度で完全には成功しなかったのでしょう。診断も含めて1日以上経過している小児肘内障は要注意だなと感じました。




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