今日は書評です。


整形外科は非常に広範囲の疾患を取り扱います。海外では、関節外科・脊椎脊髄外科・リウマチ科・手の外科等の3~4の科に分割されている国もあるほどです。このような状況なので、初学者が整形外科を一通りマスターすることは、少しハードルが高くなってきています。


初学者が、整形外科の治療体系を俯瞰するために、『 整形外科研修ノート 』は、最もお勧めの書籍です。




 
                 
整形外科研修ノート (研修ノートシリーズ)




大学からパートに来てくれている前期専攻医の先生が読んでいた本です。サイズがコンパクトで読み安いわりには、骨折や各パーツの疾患の説明から英文紹介状の書き方まで、整形外科のほぼ全領域を網羅しています。


さすがに広く浅くの編集ですが、知識のストックの少ない専攻医が読むにはむしろ調度良いボリュームだと思います。辞書的に使用するというよりは、困ったときの虎の巻的に利用するのが良いようです。実際にその専攻医は外来で困ったときにサッと取り出して一読するそうです。


私が研修医の頃にはこのような手ごろな書籍が無かったので、今の専攻医が少しうらやましいですね。