昨日の午前は出張先での外来でした。
転倒して手をついてから痛みが続いている方が受診しました。


診察すると手関節に近い手掌の尺側基部に圧痛がありました。圧痛部位から有鈎骨骨折を疑って単純X線像を施行しましたが、手根管撮影を含めて明らかな骨折を認めませんでした。


しかし、ピンポイントで有鈎骨部に圧痛があったため、CTを施行したところ、冠状断・矢状断とも有鈎骨鈎基部に骨折を認めました。


やはり単純X線像だけでは、転位の無い有鈎骨鈎基部骨折の診断は難しいようです。手掌をついて転倒したという既往と圧痛部位から有鈎骨骨折を疑った場合、CTは必須と考えた方がよいのかもしれません。


有鈎骨鈎基部骨折は骨折部の接触面積が小さいので骨癒合しにくいです。偽関節化すると慢性的な痛みを残してしまうので、初診時に見逃さないように注意する必要があります。




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