昨日の午前の手術は、右L5/S1椎間孔でのL5神経根症状に対する外側の椎弓切除術でした。この方は約2年前に脊柱管狭窄症に対してMILD法(筋肉温存型腰椎椎弓間除圧術: muscle-preserving interlaminar decompression)を施行しています。


術後1.5年は問題なかったのですが、数ヶ月前から右下腿後面の痛みが出現しました。L5/S1にも脊柱管狭窄をみとめますが、神経根造影をすると右S1ではなくL5神経根が原因のようです。



L5神経根造影



そこで、やむを得ず右椎弓外側の切除術を施行しました。皮切は右L4/5椎間関節直上に置きました。筋間から進入して右L4/5椎間関節を展開しました。


L5椎弓外側で横突起を確認してから、L5椎弓の外側の掘削を開始しました。前回手術の右L5椎弓上縁との位置関係を確認しながら慎重に掘削を行いました。


椎弓外側はよく出血し、また術野も深かったです。ようやく椎間孔部の除圧が完了しましたが、単椎間MILD法の倍近くの時間を要しました。やはり、椎弓外側の除圧は難しかったです。



術後



椎間孔部の除圧を目的とした椎弓外側の切除術では、脊柱管内の手術と解剖が異なるので、充分な予習が必要です。また脊柱管内からよりも外側から切除を進める方が安全でしょう。




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