先日、橈骨遠位端骨折の掌側プレートの手術を施行しました。コロナ禍の影響のために、久しぶりの手術でした。
数ヵ月(?)ぶりの手術だったので、入念に過去の手術記録を確認してアタマの中でシミュレーションしたうえで手術に臨むことにしました。
これまでの私は、橈骨遠位端の palmar tiltを回復するために CS法(condylar stabilizing 法)をルーチンで施行していました。
しかし、CS法をいつもしていると、palmar tiltが過剰に整復されてしまう症例を散見しました。このため、今回は先祖返りして CS法は基本的に施行せずオプション扱いにしました。
つまり、プレートの曲面に合わせて橈骨を整復していき、目視で橈骨掌側とプレートの曲面が合っている場合には CS法を施行しないことにしたのです。
この1ヵ月で 2例ほど手術を施行しましたが、まずまずの整復位を獲得できました。慣れた手術とは言え、本当にその手技が適切なのかはときどき考える必要がありそうです。
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