先日、外来をしていると、「これって神経障害性疼痛でしょうか?」と患者さんに訊かれる場面がありました。患者さんが「神経障害性疼痛」という医学用語を使うことに驚きました。


確かに、この方は頚椎症性神経根症の方で、いわゆる「神経障害性疼痛」を主訴にしています。ほぉ~と思い、何処でこの用語を知ったのか確認すると、テレビCMで知ったとのことでした。


何でも武田鉄也が出演しているCMらしくて、「ビリビリ!ジンジン!チクチク!」が合言葉らしいです(笑)。なんだそりゃ? と思ったのですが、職業柄一応調べてみました。


実は、私はテレビを見ないので端末がありません。そこで、ネットで調べると確かにファイザーとエーザイがスポンサーの疼痛.jpでテレビCMがありました。これって有名なCMなのでしょうか? 


最近は若年層を中心にテレビを見ない人が増えています。10年以上テレビを見ていない私は極端かもしれませんが、私の周囲でもネットが中心で、あまりテレビを見ない人が多いです。


しかし、医療機関を受診する方は、基本的には高齢者が多いです。そして、高齢者の情報収集媒体として、インターネットよりもテレビの方がまだまだ王様だと思います。


株式投資においては、未だにテレビCMに多額の費用を掛けている企業など投資対象外にしても良いと思っていますが、ターゲットが高齢者の場合にはテレビCMも合目的だと考え直しました。


そう、私達は高齢者をターゲットにして生活を成り立たせているのです。そう考えると少し複雑な気持ちになりますが、もう少し高齢者目線で社会を見る必要があるかもしれませんね。



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 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


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