整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

治療

化膿性滑液包炎の治療って難しい・・・

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先日から化膿性膝蓋前滑液包炎の治療を行っています。
私は、化膿性滑液包炎の治療に対して苦手意識を抱いています。


膝蓋前滑液包や肘頭滑液包などの滑液包内の感染が一度完成してしまうと、治療が長期化する傾向にあるためです。感染治療の原則に沿うと、ドレナージをすることになります。


しかし、滑液包の一部を小切開してタンポンを詰めると、延々と創処置を続けることになります。これは私たちにとっても患者さんにとっても苦痛な治療です。


このため、私は化膿性滑液包炎に遭遇すると、早期から抗生剤の点滴治療を開始します。中途半端に経口抗生剤でお茶を濁すのではなく、下記の方針で治療を行っています。


  1.  数日ほど抗生剤点滴投与 → 経口抗生剤にスイッチ
  2.  頻回(毎日)の滑液包穿刺
  3.  デッドスペースを減らすために患部を圧迫固定


最終的に治療が長期化しそうになれば、滑液包を大きく切開して内部を全て露出させると、あっという間に感染がおさまり創も治癒していきます。


もちろん、最初から滑液包を大きく切開する手もありかもしれません。しかし、この方法の難点は大きな切開創が残ってしまうことです。どちらが良いのかは悩むところです。。。






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こむらがえりの薬物治療

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先日の外来でがんこな「こむらがえり」の患者さんを診察しました。
こむらがえりの原因は諸説ありますが、詳細な点は未だに良く分かっていないようです。

 
こむらがえりを来たす疾患として、下記のような疾患があります。

・ 糖尿病
・ 肝硬変
・ 腎不全
・ 閉塞性動脈硬化症
・ 電解質バランス異常
・ 腰椎疾患


下肢に好発するので整形外科を受診する患者さんが多いですが、こむらがえりの原因疾患を列記すると、病因的に整形外科はあまり関係ない科のように思えます。


そう言っても、腰部脊柱管狭窄症などの腰椎疾患の一症状として、こむらがえりで悩んでいる患者さんが居るのも事実です。


上記を踏まえて、私は下記のようなアルゴリズムで治療を行います。尚、内科的な疾患は下記①②の治療が不応の時点で精査を開始しています。


① 原因に関わらず、まずタウリンを処方
② タウリン不応例では芍薬甘草湯を処方
③ タウリン・芍薬甘草湯不応例で、ベースに下記疾患がある場合   

・ 腰部脊柱管狭窄症・閉塞性動脈硬化症 → エパデール  
・ 糖尿病 → キネダック


上記の他にも、ダントロレンやミオナールを投与するケースがあるようですが、私は経験がありません。上記の①~③で80%程度の患者さんの症状は軽快する印象です。


こむらがえりは結構しつこいので、タウリン・芍薬甘草湯・エパデールでもダメなときが時々あります。基本的には内科受診をしてもらいますが、どこの科でもすっきりしないのが現状です。
 



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足趾の骨性マレット

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先日のアルバイト先の外来で興味深い患者さんを診察しました。
この方は他の人と衝突してから第2足趾の痛みが続くとのことで受傷されました。


足趾を観察すると、第2足趾のDIP関節の腫脹と発赤を認めます。単純X線像では側面像で末節骨背側のマレット骨折を認めました。


以前ご報告したように足趾の腱性マレットの治療は経験ありますが、足趾の骨性マレットは初めて診ます。う~ん、治療をどうするか・・・。


足趾の局所所見を確認したのですが、第2足趾DIP関節のマレット変形が目立ちません。隣の足趾や健側の足趾もDIP関節は軽度屈曲しており、全ての足趾で自動伸展できない?のです。


前回は腱性マレットであったため保存治療の方が無難という判断でしたが、今回は骨癒合を獲得することは物理的に可能です。


しかし、本当に手術を施行する意義があるのか? と言われるとかなり微妙な状況です。ご本人も今の状況で全く不自由な無さそうです。


患者さんに説明した上で治療方針について協議した結果、このまま何もせず経過観察することになりました。どうしても手術で得られるメリットを見出すことができなかったのです。


しかし、本当にそれで良かったのか私自身も確証を得られません。何か良い治療方法や治療方針があれば、是非教えていただきたいものです。



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整形外科的な尿路感染症への対応法

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高齢女性では尿路感染症が頻発します。
整形外科の入院患者さんは高齢者が多いので、尿路感染症を治療する機会が多いです。


大腿骨近位部骨折後や脊椎圧迫骨折などでリハビリテーション入院の際に、突然熱発することがしばしばあります。 多くの場合、原因は肺炎か尿路感染症(急性腎盂腎炎)です。


尿路感染症の場合には、原因菌の過半数は大腸菌です。 治療法は、レボフロキサシン(クラビット)500mg 1日1回×7~14日投与です。


キノロン系薬に耐性と考えられた場合には、セフトリアキソン(ロセフィン)1~2g、1日1~2回点滴静注、その後、セフカペン(フロモックス)200mg 1日3回×14日投与です。


ちなみに発熱や側腹部痛の無い尿路感染症は急性膀胱炎なので、レボフロキサシン(クラビット)500mg 1日1回×3日投与します。


キノロン系薬に耐性と考えられた場合には、セフカペン(フロモックス)100mg 1日3回×7日投与です。 尿路感染症で泌尿器科にいちいち診察依頼しているとキリがありません。


軽い肺炎や尿路感染症はできるだけ整形外科で対応するように心掛けています。ただ、いずれの場合も治療終了の判断が一番難しいところです。


治療終了のタイミングで迷うケースについては、内科医師や泌尿器科医師に口頭で(カルテをみながら)説明して判断を仰ぐようにしています。



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高尿酸血症はCKDのリスク因子

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Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
高尿酸血症はCKDのリスク因子に です。




従来、高尿酸血症と高血圧,メタボリックシンドロームには密接な関連が観察されていたが、最近、慢性腎臓病(CKD)との関連が注目されつつある。


琉球大学の井関邦敏氏は疫学研究から、高尿酸血症はCKDのリスク因子の1つであり高尿酸血症の治療は生活習慣の改善に加えて尿酸降下薬が推奨されることを報告した。


井関氏らは、血清尿酸値が高いほど腎機能の悪化や末期腎不全発症の割合が多いことを、またメタボリックシンドロームを有する者はCKD発症率が高いことが報告している。  


尿酸値の増加がeGFR低下の独立したリスク因子であった。これらの結果を基に同氏らはCKD診療ガイドライン2012の重症度分類を日本人用に改変してガイドラインを作成した。


高尿酸血症の治療は、痛風合併例では尿酸降下薬の使用量を腎機能に応じて減量して投与し、痛風非合併例は尿酸降下薬を使用する前にリスクとベネフィットを勘案する。


同氏は「CKDは心血管障害のリスクであり、高尿酸血症はCKDのリスク因子の1つである。痛風・高尿酸血症の治療には生活習慣の改善に加えて尿酸降下薬が推奨される。


新規高尿酸血症治療薬の登場により中等度の腎機能低下例でも腎機能の改善が期待できるようになったが、前向き介入研究が必要である」とまとめた。


                                 




先日、尿酸には酸化ストレスに対する保護作用があり、認知症を予防する効果が見込めるという報告がありましたが、今回は尿酸はCKDのリスク因子であり、尿酸=悪玉 という報告です。


暴飲暴食の生活習慣を送っている多くの高尿酸血症患者さんを外来で治療している身としては、高尿酸血症の治療は”臭い物に蓋をする”的な印象を抱いていました。


つまり、いくらこちらががんばって高尿酸血症の治療をして痛風発作を予防しても、暴飲暴食による肝機能障害や耐糖能低下は避けることはできないという半ば投げやりな心境です。


しかし、高尿酸血症の治療がCKDの予防につながるのなら、高尿酸血症の治療のやりがいも少し出てくるような気がします。



       
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 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





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       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる






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