整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

治療

腱性マレットもピニングで治療!

このエントリーをはてなブックマークに追加

腱性マレットの治療で困ったことはないでしょうか? 一次縫合の成績は良好とは言えず、かと言って伸展装具での保存治療もイマイチです。


伸展装具は8週間常用する必要がありますが、多くの患者さんは途中でドロップアウトしてしまいます。


主治医・患者さんとも強固な意志が無い限り、結果を出すことが難しいのが現実です。そうは言っても、腱性マレットは一定頻度で発生します。では、どうすればいいのか? 



  • 山中 一良, 佐々木 孝, 栩木 弘和, 奥山 訓子, 高尾 努:腱性マレット指に対する治療成績:日本手の外科学会雑誌(0910-5700)17巻2号 Page115-118(2000.09)



上記の済生会神奈川県病院の山中一良先生の論文は、もしかしたら腱性マレット治療の救世主になるかもしれません。


Kirschner鋼線によるDIP関節伸展位固定による治療成績を検討されています。ピンニング群では成績優の症例が多かったとのことです。


単にDIP関節を伸展位固定するだけなので、手技は非常に簡単です。Kirschner鋼線を8週間留置するので、皮下に埋没させるといいかもしれません。


実際にこの治療法を経験した先生にお伺いすると、かなり良い成績だったとおっしゃられていました。腱性マレットではKirschner鋼線でのDIP関節伸展位固定も要検討でしょう。





★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
 


広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







化膿性滑液包炎の治療って難しい・・・

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日から化膿性膝蓋前滑液包炎の治療を行っています。
私は、化膿性滑液包炎の治療に対して苦手意識を抱いています。


膝蓋前滑液包や肘頭滑液包などの滑液包内の感染が一度完成してしまうと、治療が長期化する傾向にあるためです。感染治療の原則に沿うと、ドレナージをすることになります。


しかし、滑液包の一部を小切開してタンポンを詰めると、延々と創処置を続けることになります。これは私たちにとっても患者さんにとっても苦痛な治療です。


このため、私は化膿性滑液包炎に遭遇すると、早期から抗生剤の点滴治療を開始します。中途半端に経口抗生剤でお茶を濁すのではなく、下記の方針で治療を行っています。


  1.  数日ほど抗生剤点滴投与 → 経口抗生剤にスイッチ
  2.  頻回(毎日)の滑液包穿刺
  3.  デッドスペースを減らすために患部を圧迫固定


最終的に治療が長期化しそうになれば、滑液包を大きく切開して内部を全て露出させると、あっという間に感染がおさまり創も治癒していきます。


もちろん、最初から滑液包を大きく切開する手もありかもしれません。しかし、この方法の難点は大きな切開創が残ってしまうことです。どちらが良いのかは悩むところです。。。






★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

整形外科を志すなら、キャンベル(Campbell's Operative Orthopaedics)は必須でしょう。ペーパー版以外にも、DVDやe-ditionもあって便利です。更にKindle版は約30% OFFで購入可能です。このような辞書的な医学書は、電子書籍と相性が良いと思います。










こむらがえりの薬物治療

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日の外来でがんこな「こむらがえり」の患者さんを診察しました。
こむらがえりの原因は諸説ありますが、詳細な点は未だに良く分かっていないようです。

 
こむらがえりを来たす疾患として、下記のような疾患があります。

・ 糖尿病
・ 肝硬変
・ 腎不全
・ 閉塞性動脈硬化症
・ 電解質バランス異常
・ 腰椎疾患


下肢に好発するので整形外科を受診する患者さんが多いですが、こむらがえりの原因疾患を列記すると、病因的に整形外科はあまり関係ない科のように思えます。


そう言っても、腰部脊柱管狭窄症などの腰椎疾患の一症状として、こむらがえりで悩んでいる患者さんが居るのも事実です。


上記を踏まえて、私は下記のようなアルゴリズムで治療を行います。尚、内科的な疾患は下記①②の治療が不応の時点で精査を開始しています。


① 原因に関わらず、まずタウリンを処方
② タウリン不応例では芍薬甘草湯を処方
③ タウリン・芍薬甘草湯不応例で、ベースに下記疾患がある場合   

・ 腰部脊柱管狭窄症・閉塞性動脈硬化症 → エパデール  
・ 糖尿病 → キネダック


上記の他にも、ダントロレンやミオナールを投与するケースがあるようですが、私は経験がありません。上記の①~③で80%程度の患者さんの症状は軽快する印象です。


こむらがえりは結構しつこいので、タウリン・芍薬甘草湯・エパデールでもダメなときが時々あります。基本的には内科受診をしてもらいますが、どこの科でもすっきりしないのが現状です。
 



★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。









姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。








足趾の骨性マレット

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日のアルバイト先の外来で興味深い患者さんを診察しました。
この方は他の人と衝突してから第2足趾の痛みが続くとのことで受傷されました。


足趾を観察すると、第2足趾のDIP関節の腫脹と発赤を認めます。単純X線像では側面像で末節骨背側のマレット骨折を認めました。


以前ご報告したように足趾の腱性マレットの治療は経験ありますが、足趾の骨性マレットは初めて診ます。う~ん、治療をどうするか・・・。


足趾の局所所見を確認したのですが、第2足趾DIP関節のマレット変形が目立ちません。隣の足趾や健側の足趾もDIP関節は軽度屈曲しており、全ての足趾で自動伸展できない?のです。


前回は腱性マレットであったため保存治療の方が無難という判断でしたが、今回は骨癒合を獲得することは物理的に可能です。


しかし、本当に手術を施行する意義があるのか? と言われるとかなり微妙な状況です。ご本人も今の状況で全く不自由な無さそうです。


患者さんに説明した上で治療方針について協議した結果、このまま何もせず経過観察することになりました。どうしても手術で得られるメリットを見出すことができなかったのです。


しかし、本当にそれで良かったのか私自身も確証を得られません。何か良い治療方法や治療方針があれば、是非教えていただきたいものです。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です




                         

             
救急・当直で必ず役立つ!骨折の画像診断




整形外科的な尿路感染症への対応法

このエントリーをはてなブックマークに追加


高齢女性では尿路感染症が頻発します。
整形外科の入院患者さんは高齢者が多いので、尿路感染症を治療する機会が多いです。


大腿骨近位部骨折後や脊椎圧迫骨折などでリハビリテーション入院の際に、突然熱発することがしばしばあります。 多くの場合、原因は肺炎か尿路感染症(急性腎盂腎炎)です。


尿路感染症の場合には、原因菌の過半数は大腸菌です。 治療法は、レボフロキサシン(クラビット)500mg 1日1回×7~14日投与です。


キノロン系薬に耐性と考えられた場合には、セフトリアキソン(ロセフィン)1~2g、1日1~2回点滴静注、その後、セフカペン(フロモックス)200mg 1日3回×14日投与です。


ちなみに発熱や側腹部痛の無い尿路感染症は急性膀胱炎なので、レボフロキサシン(クラビット)500mg 1日1回×3日投与します。


キノロン系薬に耐性と考えられた場合には、セフカペン(フロモックス)100mg 1日3回×7日投与です。 尿路感染症で泌尿器科にいちいち診察依頼しているとキリがありません。


軽い肺炎や尿路感染症はできるだけ整形外科で対応するように心掛けています。ただ、いずれの場合も治療終了の判断が一番難しいところです。


治療終了のタイミングで迷うケースについては、内科医師や泌尿器科医師に口頭で(カルテをみながら)説明して判断を仰ぐようにしています。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

 
  初学者が整形外科の外来や救急業務を遂行するにあたり、最もお勧めの書籍です


                   
    

          
          整形外科研修ノート (研修ノートシリーズ)


アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。