整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

治療的テーピング

周産期のドケルバン病の治療はコレで!

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先日、授乳中の若い女性が右手関節橈側痛で受診しました。整形外科医なら問診だけでドケルバン病(de Quervain病)だと分かりますね。


ご存知のように周産期はホルモンバランスの影響で、ばね指やドケルバン病などの狭窄性腱鞘炎を併発しやすいです。


周産期の患者さんに対しては、消炎鎮痛剤やロコアテープの処方ができません。かと言って外用剤の効果はほぼ無いです。


普通に考えると胎児や児に影響の少ないステロイド剤の腱鞘内注射が第一選択なのでしょうが、ドケルバン病では浅橈骨神経損傷の可能性があり少し気持ち悪いですね。


腱鞘内注射以外の保存治療として、ばね指であれば A1 pulleyのストレッチが第一選択となりますが、ドケルバン病では適切なものがありません。


いろいろ考えてみたのですが、ふとテーピングがあるのを思い出しました。ちょうど外来に幅広の伸縮性テープがあったので、APLの走行に沿ってテープを貼付しました。


すると、これだけでもかなりの除痛効果がありました。本式ならアンカーテープを使用しますが、幅広のテープであればアンカー無しでも大丈夫そうです。


周産期の人に対する狭窄性腱鞘炎の治療選択肢では、ばね指には A1 pulleyのストレッチがありましたが、ドケルバン病ではテーピングが欠けていたピースとなりました。






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登山中に腸脛靭帯炎を発症したら?

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先日、腸脛靭帯炎(ランナー膝)の患者さんを診察しました。この方は登山愛好家で、今回は下山中に腸脛靭帯炎を発症したようです。


以前から登山中に腸脛靭帯炎を発症することがあったようですが、下山中に発症すると疼痛をこらえながらの下山になるので、非常に困った状況に陥ります。


私自身も長距離サイクリングで腸脛靭帯炎で苦しんだ経験があるので、他人ごとではありません。ロキソニンを服用したりシップを貼っても発症中の症状緩和はあまり見込めません。


登山やサイクリング中に腸脛靭帯炎を発症したらどうすれば良いのでしょうか? 医学的に即効性のある治療はステロイド注射ですが、当然現地では実施不可能です。


現実的な解決法としてテーピングで対応することになります。腸脛靭帯炎ではtoe-inで疼痛が誘発されることが多いです。このため、toe-outの肢位でテーピングすることになります。


具体的には膝関節軽度屈曲位として toe-outにしてから、大腿部と下腿部のアンカーの間で腸脛靭帯に沿って伸縮テープを2~3本回旋するように巻きます。


ちなみに釈迦に説法だと思いますが、toe-outとは足趾が外側に向かう方向です。膝関節軽度屈曲位で knee-inし、足部を外側方向にする肢位でテーピングを巻くとよいでしょう。


これによって、腸脛靭帯と大腿骨外顆の間のインピンジがやや緩和されるので、帰宅までの急場をしのげる可能性が高まります。


腸脛靭帯炎の既往がある方が登山や長距離サイクリングを実施する際には、鎮痛剤やシップに加えて、テーピングテープを持参することを強く推奨します。





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スポーツ少年が接骨院へ流れる理由

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なぜ、野球肘などの患児が、医療機関から接骨院に流れていくのかについて興味深い話題がありました。


野球肘などのスポーツ障害の治療の基本はノースロー(No Throw)です。もちろん、目的は肘の障害部に負荷をかけないためです。


上腕骨内上顆裂離骨折や離断性骨軟骨炎では、骨癒合までに比較的長期間のノースロー期間が必要です。しかし、この長い期間を指示すると、患児(と親)はソッポを向きがちです。


実際、数カ月も練習から離脱することは、患児や両親にとって耐え難いことは容易に想像できます。しかし、これらの傷病は焦っても早く治ることはありません。


したがって、ノースローを指示せざるを得ないのですが、ただ「ノースロー」といっても患児や両親は納得しません。


このため、通院毎にマッサージしてくれる接骨院へ患児が流れるのです。本来なら医療機関で、ノースロー期間中の下半身ストレッチなどを指導するべきです。


しかし、ほとんどの整形外科医院や病院は、下肢の柔軟性を高める指導は行っていません。患児からすると放置されているように感じるため、手厚い(?)接骨院へ流れるのです。


この話をお伺いしたときに、整形外科診療の難しさを改めて感じました。山のように押し寄せる患者さんを前にすると、一人に割ける時間も限られます。。。


このあたりの匙加減は難しいですね・・・





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骨棘ナシ=脂肪褥炎=ヒールカップ

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先日、外来で60歳台の患者さんが踵部痛を主訴に初診されました。
「踵~足底痛」とくれば、こちらでご紹介した3疾患が思い浮かぶと思います。


  1. 足底腱膜炎:足底腱膜の停止部の炎症。中~高齢者に多い
  2. 踵部脂肪褥炎:踵部脂肪体の弾力低下で踵骨へ直接負荷がかかる。中~高齢者に多い
  3. Heel Fad Pad Syndrome:踵部脂肪体と踵骨の間に発生する剪断力が原因。スポーツ愛好家などの若年者に多い


スポーツ選手や学生が多い特殊な(?)環境でなければ、普通は①もしくは②となります。①②の鑑別は、圧痛部位と単純X線像での踵骨骨棘の有無でしょうか。


ややこしいので、私は、踵骨骨棘アリ=足底腱膜炎、踵骨骨棘ナシ=踵部脂肪褥炎という風に覚えています。ちょっと安直過ぎますね(笑)。


治療は、足底腱膜炎はおなじみのアーチサポートですが、踵部脂肪褥炎ではヒールカップを選択します。踵骨骨棘ナシ=踵部脂肪褥炎=ヒールカップ ですね(笑)。


私の勤務先にはヒールカップを常置していないのでネットでの購入を呼び掛けています。本当に購入できているのか否かはやや疑問ですが、いまのところクレームは一件もないです。






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凄いかも! 歩行支援機 ACSIVE

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先日の外来で患者さんに、ケアマネさんから勧められた介護用品のパンフレットを見せられました。そのパンフレットにはACSIVEという商品が載っていました。


ACSIVEとは何ぞや? と思って外来終了後に調べるとなかなか面白そうだったのでご紹介させていただきます。


ACSIVE(アクシブ))とは、無動力の歩行支援機で、歩行能力の弱った人の歩容を整える目的で、名古屋工業大学の佐野明人教授が開発されました。


『受動歩行』理論に基づいて作られており、電気やモータなどを使わず、バネと振り子の動きが作用し脚の振り出しをアシストします。下記に動画がありました。







電気やモーターなどを使用せず、重力とバネの力だけで歩くので、軽くて静かだそうです。これはなかなかすごい発明ですね!


販売価格は片脚用194400円、両脚用378000円です。月額10800円でレンタルも可能なようです。比較するなと怒られそうですが、HALと比べると圧倒的にシンプルで安価です。


実際に装着していないので何とも言えないですが、歩くのが億劫になってきた高齢者の歩行サポートにはよい商品かもしれません。 いろいろな商品があるモノですね。





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