日本の各地域で大腿骨近位部骨折のパスが運用されていると思います。
パスに登場するのは、①急性期 ②回復期 ③生活期 の担当医師です。
このうち、①の急性期病院と②の回復期病院の医師は明確ですが、③の生活期担当の医師はあいまいなケースが多いと思います。
私の勤務する病院の場合、①急性期病院 ②回復期病院 の両方の機能をもった医療機関が同一グループ内にあるので、①②の流れは手に取るように分かります。
しかし、②の回復期病院から患者さんを送り出す際には、バラバラの対応になっているのが現状です。③の生活期の医師は、現実的には開業医が担当することが妥当だと思います。
しかし、特に運動器疾患において②の回復期病院を退院すれば、整形外科関連の疾患に関しては全く医療機関を受診しないケースが多いのが現状です。
回復期病院退院後に自分の目でも一度チェックして終診する誠意のある急性期病院の医師が居る一方で、回復期病院に送り出した後は知らぬ存ぜぬという医師が居るのも事実です。
患者さん自身は、②の回復期病院で過ごす期間が濃厚で長いため、退院後は回復期病院でのフォローを希望する方が多いです。
しかし回復期病院のリハビリテーション科は、充分な外来機能を持たない医療機関が多いです。このように生活期を担う医師不足は、パス運用の上での意外な盲点となっています。
ロコモを啓蒙するのもいいですが、日本整形外科学会が再骨折予防を真剣に考えているのであれば、もっと生活期医師の充実を厚生労働省に働きかけるべきだと思います。
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