昨日の夕方は、近くのクリニックで夜診をしていました。
ちょうど60歳台の男性が左母趾基部の痛みで受診されました。


身体所見から痛風発作の可能性が濃厚なのですが、血清尿酸値が6.0mg/dLしかありませんでした。この方は半年前にも同様の発作を発症しており、その際も7.0mg/dL未満だったようです。


このような発作時に血清尿酸値が正常範囲内の方は意外と散見します。高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン第2版の治療のフローチャートを見ると、血清尿酸値が7.0mg/dL以上がスタートラインなので、入口の段階で薬物治療の適応外となってしまいます。


しかし、発作を繰り返すので何とかして欲しいとのことだったので、今回の炎症が鎮静化した時点で、再度血液生化学検査を施行することにしました。


痛風発作の最中には、サイトカインの影響で腎臓からの尿酸排泄が亢進していることがあります。つまり、普段は高尿酸血症なのに、痛風発作時のみ血清尿酸値が正常化するのです。


このような方は非発作時の血液生化学データを調べて、本当に高尿酸血症ではないのかを確認する必要があります。そして高尿酸血症なら迷わず治療開始となります。高尿酸血症の診断・治療も意外と奥が深いですね(笑)。




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骨粗鬆症と高尿酸血症のガイドラインです。エビデンスに基づいた治療指針を学べます。


                                          

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           高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版