整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

石灰沈着性腱板炎

石灰沈着性腱板炎では正面・内旋像!

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先日、高齢の入院患者さんに、熱発と肩関節痛が出現しました。
診察すると、あきらかに右肩関節が腫脹しています。


高度の認知症のため、コミュニケーションをとることが不可能なのですが、触るとかなり痛そうです。これは、石灰沈着性腱板炎である可能性が濃厚です。


高齢の認知症患者さんなので、念のために血液生化学検査と胸部X線像を依頼しました。胸部X線像は異常所見がなかったのですが、血液生化学検査ではWBC/CRPとも高値です。



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そして、問題の肩関節の単純X線像をみると、ナント石灰沈着が無いじゃないですか!エ~、石灰沈着性腱板炎じゃないの? 不明熱は気持ち悪くて嫌だな、と先走ってしまいました。



IR



しかし、次の肩関節正面像(内旋)をみると、立派な(?)石灰沈着がばっちり写っていました。最初の画像(外旋像)をもう一度見直しましたが、石灰沈着は上腕骨頭の後ろに隠れています。


大結節に停止する棘上筋を観察するには、肩関節の内旋・正面像が必要なようです。中間位~外旋位で撮影したものでは腱板に沈着した石灰を読影できないこともあります。


このため、石灰沈着性腱板炎を疑ったときには、肩関節X線像の正面像の内外旋を両方とも確認するべきだと思いました。





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石灰沈着性腱板炎に対する乱刺法

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先日、アルバイト先に新しく赴任してきた、専門が肩関節の医師と話しをしました。
肩関節は整形外科の中では比較的マイナーな分野なので、専門医師の数が少ないです。


このため、日常診療で肩関節に関して疑問点が出てきたときにも、気軽に質問することができる医師が居なかったので、私としては非常に助かります。


早速、何点か温めていた(?)疑問点を御伺いしました。その中のひとつが石灰沈着性腱板炎に対する「乱刺法」についてでした。


肩関節の解剖は、表層から ① 肩峰下滑液包 ② 腱板 ③ 肩関節 の順になります。このうち、石灰が沈着するのは①と②の間、もしくは②の中になります。


乱刺法の目的は、①の肩峰下滑液包と石灰の間を交通させて吸収を促進することです。分かりやすく言うとブスブスと針先で肩峰下滑液包の腱板側を刺すことで滑液包に穴を開けるのです。


針先で開けた滑液包の穴を通じて、腱板上もしくは腱板内に沈着した石灰が滑液包内と交通することで、石灰の吸収が促進されます。


本格的に施行するにはエコーもしくは透視下に針を刺しますが、多忙な外来中に施行することは現実的ではありません。このため肩峰下滑液包への注射の際、ついでに行うことが多いです。


この場合、針が細いのでどうしても効果が限定的です。針が細い分を回数でカバーしようと欲を出すと腱板を傷つけて痛みを増強させる原因となります。この点には注意が必要でしょう。



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                                 肩関節のMRI-読影ポイントのすべて



足部の石灰沈着性腱炎

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今日の午前は外来でした。40歳ぐらいの女性で、長母趾伸筋腱(extensor hallucis longus, EHL)の石灰沈着性腱炎の方を診察しました。


17年間整形外科医をしていますが、肩以外の石灰沈着性腱炎は初めて診ました。
今まで気付かなかっただけかもしれませんが、肩以外にも発生することに驚いています。


肩と違いEHLは表在性なので、手に取るように炎症をおこしている部位を特定できます。
圧痛箇所はまさに石灰が沈着している部位です。周囲は軽度発赤していました。


ステロイドによる腱損傷を併発すると嫌なので、消炎鎮痛剤の処方にとどめました。石灰沈着性腱板炎の場合には、腱周囲から滑液包内に穿破した石灰成分に対する炎症反応なので、滑液包内注射が有効です。


今回はEHL腱鞘内から周囲への穿破だと思いますが、あまりにEHLが近過ぎるのでステロイド局注はやめておきました。


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