先日、基礎疾患てんこ盛りの易感染性の入院患者さんが、突然足底部の疼痛を訴えました。疼痛の程度がかなりキツく、足底部を中心に著明な腫脹・熱感・発赤を認めました。


むむっ、もしや蜂窩織炎では???  抗生剤を投与しなければ! という考えが一瞬頭をよぎりましたが、念のために単純X線像も撮影しておこうと思い直しました。



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上記が、その結果です。踵骨の足底側に帯状の石灰沈着像を認めました。こんなところにも石灰沈着性腱炎が! 敢えて病名をつけるなら、石灰沈着性足底腱膜炎でしょうか。


体表に近いところの石灰沈着性腱炎は、腫脹や発赤をきたしやすいですが、よもや足底腱膜炎で発赤まできたすとは思いませんでした。


足底の蜂窩織炎であれば、治療が厄介だなと思っていましたが嬉しい誤算です。疼痛で苦しむ患者さんには申し訳ないと思いつつも、ホッと胸を撫で下ろした一日でした。






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