今日は書評です。


医師として救急の初期対応ができることは必須のスキルです。しかし、救急医療は非常に広範囲の疾患を取り扱います。本格的な救急医療を学べる施設で数年研修すれば、ある程度の初期対応が可能となりますが、全員がそのような機会に恵まれるわけではありません。


また、若い医師は当直業務に携わる機会が多いですが、夜間は上級医が不在なので独力で専門外の疾患にも初期対応する必要があります。救急医療の診断・治療体系を俯瞰するために、『 研修医当直御法度 』は、最もお勧めの書籍です。




                     


                  
研修医当直御法度 第5版



大学からパートに来てくれている前期専攻医の先生に推薦してもらった本です。サイズがコンパクトで読み安く、目次が代表的な46の症状別の構成になっています。救急患者が搬送される前に、診断から治療・ピットフォールまでサッと予習できる程度の分量にまとまっています。


さすがに広く浅くの編集ですが、救急や当直の現場ではむしろ調度良いボリュームだと思います。辞書的に使用するというよりは、急患対応前の虎の巻的に利用するのが良いようです。
1996年の初版以来、若手医師のベストセラーになっているのも頷けます。