整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

研修

褥瘡のポケット切開で悩む

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先日、久しぶりに褥瘡患者さんの診察をしました。通常は院内の褥瘡ラウンドが全ての褥瘡患者さんの治療に対応しています。


しかし、上腕骨内上顆部の骨髄炎を伴う感染性褥瘡だったので、併診依頼がきたのです。3次救急病院時代には頚髄損傷患者さんを複数担当していたので褥瘡も治療していました。


しかし、現在の病院では人工関節全置換術ばかりしているので、褥瘡治療は久し振りでした。診察すると、上腕骨内上顆を中心に巨大なポケットを形成しています。


中枢・屈側方向を中心に 3cmほどの深いポケットなので、内部まで有効に治療できていない印象でした。ポケット開放が必要そうですが、念のためガイドラインを確認しました。


Mindsの記載に目を見張りました。どのような場合にポケット開放すればよいかについては、
エキスパートオピニオン以外にエビデンスはほぼ無いとのことです。







これには驚きましたが、どうみてもポケット内に感染性組織が滞留しているのでポケット開放は必要そうです。そこで、ポケット切開することにしましたが、どう切開しよう...。


前述のように、中枢・屈側方向中心ですが全周性の深いポケットです。最も深いのは屈側ですが、安易にその方向に切開すると、上腕骨の処理が必要になった場合にやっかいです。


そこで、上腕骨の骨髄炎手術を想定して、中枢方向にポケット切開することにしました。最も深い屈側方向に切開すると、次の手を打ちづらくなります。


たかが褥瘡のポケット切開ですが、少し考えさせられました。そして、このあたりの実践的な資料は残念ながら存在しないようです。





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爪外傷はアロンアルファで「瞬間的」に治す

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先日、久し振りに足趾の爪外傷の患者さんの治療を行いました。母趾末節骨開放骨折に併発しており、足趾の爪は中枢側と末梢側で割れていました。


周知のように、爪はシーネのような役割を果たします。したがって、爪が割れていても、可能なかぎり抜爪しない方が骨癒合率も高まり、患者さんのADLも向上します。


このような爪外傷を治療する機会は、整形外科医よりも救急科や外科の医師の方が多いかもしれません。そしてありがちなのは爪を抜爪してしまうことです。


爪が無いと末節骨の偽関節化率が高まり、また爪変形もきたしやすくなります。このような症例では、私は爪をアロンアルファなどの瞬間接着剤で割れた爪表面を修復しています。


 
tsume

(ファミリー薬局から抜粋)



爪甲が爪床から剥がれていない場合、アロンアルファなどの瞬間接着剤で割れた爪表面を修復すると、あっという間に爪が「治るのです。


爪甲が爪床から剥がれている場合であっても、できるだけ抜爪しません。剥がれかかった爪を周囲に縫合した後、アロンアルファで爪甲の修復を行います。


手の爪は1日あたり約 0.1mm伸びます。つまり1ヵ月で約 3mmしか伸びません。このため抜爪すると完全に生え変わるのに約 3~6ヵ月も掛かります。


更に、足趾では1年近く掛かってしまうのです。その間爪が無い生活を送らなければいけないので、患者さんのADL上も快適とは言い難い状況になります。


具体的な手法は下記のごとくです。
  1. 割れた爪同士をぴったり合わせる。
  2. 2つの爪の間から血液もしくは淡血清の滲出液が爪表面に漏出するので、ガーゼ等でふき取って爪甲表面を乾いた状態にする
  3. 瞬間接着剤を爪が割れている部分に塗布する
  4. 瞬間接着剤が固まるまで数分間は爪をぴったり合わせたまま圧迫力を加え続ける


ピットフォールは、①瞬間接着剤が固まるまで数分間かかること ②塗布する瞬間接着剤の量が多いと爪郭にこぼれたり固着するのに時間がかかるので少なめにすること です。






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病院勤務は社会勉強になる?!

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先日、外来受付で最近まで入院していた患者さんに呼び止められました。労災の事務関係の手続きで病院に来たらしいですが、会うなり怒涛のように愚痴を聞かされました...。


特に私に対するクレームではないのですが、とにかくネガティブなオーラがすごいです。ほんの2~3分話しただけなのですが、こちらまですごくネガティブな気持ちになりました。


ここまでくると一種の才能かと思うほどのネガティブオーラです。こんなに酷い人は珍しいですが、入院中は誰に対しても常に同じ態度だったことを思い出しました。


私たちは職業柄いろいろな人に会いますが、病院という場所柄かネガティブな人の含有率が多い気がします。


そして、ネガティブな人に対しては、無意識のうちに近づかないようにしようという気持ちが芽生えている自分に気付きました。


おそらく、多くの人が同じように感じているのではないかと思います。このことは、自分自身の社会に対するかかわり方のアンチテーゼとして非常に重要な経験だと思いました。


やはり、ネガティブさを前面に押し出して社会に接しているとロクなことが無いことを実感します。できるだけ関わり合いを持たないようにしようと思ってしまうので...。


逆に言うと、朗らかにしているだけでずいぶんトクだと思います。人の振り見て我が振り直せではないですが、病院にいると結構社会勉強になると感じました。






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肺塞栓症(PE)で重要な 2症状

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先日、術後2日目の患者さんの呼吸状態が突然(?)悪化しました。
早朝の検温時に、SaO2=80%前半に低下していました。HR>100/分で頻脈もあります。


幸い、意識障害や呼吸苦などは無く、傍目にはそれほど重篤感はありません。それでも主治医的にはかなり焦ってしまいます。これは PEを併発したかな...。


人工関節術後患者さんなので、術前にDVTが無いことを確認したうえで術後1日目からリクシアナを経口投与しています。しかし、そんなことでは何の安心感もありません。


かなり前に重篤な 症候性PEを経験したのですが、最近は忘れていました。そこで、ザザッと PEについてのおさらいをしました。まず症候性 PEの代表的症状は下記2つです。


  1.  呼吸不全
  2.  頻脈


この2つがそろっている術後患者さんは PEを念頭に置いて検査を迅速に進めるべきでしょう。そして、検査は下記を行います。


  •  胸部CT、Xp
  •  心エコー、下肢静脈エコー
  •  血液生化学検査
  •  動脈血ガス


上記には比較的迅速に施行可能だと思います。特に心エコーでの右心負荷の有無は確認したいところです。誤嚥性肺炎の可能性もあるので胸部CTは必須でしょう。


高齢者は腎機能低下している方が多いので、造影CTを施行するか否かは状況しだいですが、心エコーで右心負荷(-)なら無しでもいいかもしれません。


そんなこんなでワタワタと検査してみましたが、結果的には PEではなく肺炎を併発していたようです。高齢者の人工関節置換術後の呼吸不全はこちらの心臓にも悪いですね...。








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MP関節でギプスに干渉しない巻き方

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最近、立て続けに子供のギプスを巻く機会がありました。ギプスをキレイに巻く技術は、整形外科医にとって基本中の基本です。


そうは言っても、常に100点満点のギプスを巻けているのかと言うと、少なくとも私の場合は恥ずかしながらそうではなさそうに感じています。


忙しい外来の合間にギプスを巻くので、どうしても粗が出てしまいます。もちろん、ニッパーなどで成型すると問題ないのですが、時間が無いので一発でキメるのが理想です。


手関節のギプスの場合、MP関節にかけないことは常識です。しかし、特にギプスを巻き終えた段階で、100% MP関節を回避できているかは怪しいと思っています。


このような経験から、手関節のギプスを巻く際は母指IP関節部との位置関係を常に意識することでMP関節にかかることを回避するように心がけています。


これは、母指IP関節の高さが残りの4指のMP関節の高さに相当するためです。このため、母指MP関節を目安にギプスを巻くと、ほぼMP関節にかからずギプスを巻くことが可能です。


このようなコツを知っているだけで、美しい(?)ギプスを巻くことが可能だと思います。MP関節巻き込みで困ている先生がいらっしゃれば一度実践することをお勧めします。







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