整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

神経根症

鎖骨骨折手術と神経根症

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先日、鎖骨骨折後の偽関節手術を経験した私は、保存治療に対して少し臆病になっています。やはり、鎖骨の偽関節手術は面倒なので、できればやりたくない手術なのです。


このため、下記の条件を全て満たしてしまう患者さんに関しては、渋々ですが手術治療を勧めるようにしています。

  •  第3骨片を伴う粉砕骨折
  •  メインの骨片間の接触がない
  •  ヘビースモーカー



術式に関しては、リコンストラクションプレートを選択することが多いです。プレート固定では、ドライバーが患者さんの下顎が当ってスクリュー挿入の障害になることがあります。


これを避けるためには、頭部を健側に回旋させてドライバーが下顎に当らないようにする必要があります。


ほとんどの症例で問題なく手術を施行できますが、40歳以上の患者さんの場合には、頚椎症性神経根症の存在に注意する必要があります。


もともと頚椎症性神経根症のある患者さんでは、術中に頭部を無理に回旋させることで、術後に症状が増悪する場合があります。


術後に神経根症を併発すると、耐えがたい上肢痛がしばらく続く。。。 これを経験すると、患者さんに恨まれるので、絶対に避けねば! という気持ちになります。


術後の頚椎症性神経根症併発リスクを確認するため、術前には必ずSpurling testを施行しています。このときに陽性になる場合は、術中の頭位に注意しましょう。







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頚椎神経根症で難渋中・・・

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先日から、頚椎椎間板ヘルニアによる神経根症に対する治療に難渋しています。患者さんは30歳台女性で、フルタイムの仕事をされています。強い症状が2ヵ月ほど続いています。


初診時の身体所見では、下肢痙性や上肢巧緻障害は認めないものの、Spurling testやJackson testは強陽性でした。単純X線像ではC5/6の椎間板高がわずかに減少していそうです。



MRIではC5/6で椎間板変性と椎間板ヘルニアによる椎間孔の狭小化を認めました。画像所見と身体所見が一致するので診断に問題はありません。しかし、ここからが問題です。


まずは、ロキソニンを処方してみましたが、全く効果ありませんでした。まぁ、仕方無いなと思ってリリカを処方するも75mgで効果なし・嘔気とふらつきありで断念しました。


次にトラムセットを投入するも、4錠服用しても全く効果なし・・・。このあたりから、ちょっとマズイなと感じ始めました。下記のように手変え品変え薬物治療を試しましたがことごとダメでした。


  1.  ロキソニン → 効果なし
  2.  リリカ75mg → 効果なし・嘔気とふらつきあり
  3.  トラムセット4錠 → 効果なし
  4.  モービック1錠 → 効果なし
  5.  サインバルタ20mg → 効果なし・嘔気とふらつきあり
  6.  プレドニン10mg → 効果なし
  7.  ノイロトロピン8錠 → 効果なし
  8.  デュロテップMTパッチ2.1㎎ → 効果あり・嘔気あり
  9.  デュロテップMTパッチ2.1㎎1/2 → 効果あり・嘔気あり
  10.  デュロテップMTパッチ2.1㎎1/4 → ?


現在、No. 10まで来ています・・・。これで効果無ければどうしようと勘案中です。頚椎牽引は、効果不明瞭な割に時間を喰うので、忙しい社会人にお勧めできるシロモノではありません。


MRIではC5/6でもflow spaceが保たれており脊髄症はないので、頚椎前方除圧固定術は避けたいところです。次はペインクリニック科に依頼して星状神経節ブロックなどでしょうか???





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自治医科大学准教授の星地先生の経験・知識を余すところなく収めたサブテキストです。定番と言われている教科書に記載されている内容は素直に信じてしまいがちですが、実臨床との”ズレ”を感じることがときどきあります。このような臨床家として感じる、「一体何が重要なのか」「何がわかっていないのか」「ツボは何なのか」を自らの経験に基づいて完結に述べられています。








                        
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