先日、頚部痛で受診された患者さんの単純X線の側面像をみて、アレっと思いました。この方は第1胸椎まで確認できます。その第1胸椎に、私の目をひく所見があったのです。



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頚椎前弯消失以外には、明らかな異常所見は無さそうです。しかし、第1胸椎の椎体の上2/3に硬化したような所見(?)を認めます。今まで、この部分を意識したことはありません。



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はじめは骨腫瘍かも? と思いましたが、どうもそんな感じではなさそうな所見です。注意してみてみると、他の人でも同様の所見がありました。


椎間関節まで硬化しているように見えるのですが、他の人の椎間関節も同様の所見なので、どうやら正常解剖のようです。調べてみると、この硬化像(?)は第1肋骨頭でした。


普通の方は、肩が邪魔になって第1胸椎まではっきり見えることが少ないです。このため、第1胸椎椎体レベルでの第1肋骨頭の存在に、今まで気が付かなかったようです。


う~ん、恥ずかしいことです。私にとっては、今更ながらのトリビアでした。きっと、皆は分かっているんだろうな・・・





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