整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

筋腱移行部損傷

アキレス腱の筋腱移行部損傷に注意!

このエントリーをはてなブックマークに追加

先日、走り出そうとしたときに右下腿後面の痛みが出現したという主訴の40歳台男性が受診しました。その数日前から同部位に違和感があったそうです。


アキレス腱のレリーフは確認できますが、Thompson testは陽性でした。圧痛点はアキレス腱停止部から15cm程度中枢です。 また同部位に一致して皮膚の陥凹を認めました。


これらの所見から、下腿三頭筋の筋腱移行部損傷と診断しました。筋腱移行部損傷は、ときどき診察する機会があります。


しかし、アキレス腱のレリーフがあることと、足底筋や足趾屈筋の力である程度は足関節を底屈できるので注意が必要です。


部位が腓腹筋損傷と紛らわしいのですが、Thompson testが陽性なので鑑別可能です。つまり、下腿三頭筋の筋腱移行部で、それより末梢との連続性が途絶している状態です。


このため、治療はアキレス腱損傷に準じたgravity positionでの外固定を行う必要があります。腓腹筋損傷と思って外固定無しにすると著明な足関節底屈力の低下を残します。


病態はアキレス腱損傷なので、見逃すと陳旧性アキレス腱損傷と同じ状態になってしまいます。治療がかなりやっかいになるので注意が必要です。


私は筋腱移行部損傷を疑う場合は、Thompson testを施行するようにしています。このあたりのピットフォールはあまり教科書には載っていないので注意が必要だと思います。





★★ 管理人お勧めの医学書 ★★
  


オーストラリア理学療法協会のスポーツ理学療法士による実践的な教科書です。
治療的テーピングの概要を学ぶことができます。



 






下腿三頭筋の筋腱移行部損傷に注意!

このエントリーをはてなブックマークに追加


先日、自動車に衝突された30歳台の男性が搬送されてきました。下腿後面の痛みを訴えられていましたが、正面からの視診上は足関節に問題は無さそうです。


足関節の単純X線像でも明らかな骨折を認めなかったので、触診を開始しました。アキレス腱のレリーフは確認できますが、Thompson testは陽性でした。


圧痛点はアキレス腱停止部から12cm程度中枢です。 また同部位に一致して筋肉の陥凹を認めました。これらの所見から、下腿三頭筋の筋腱移行部損傷と診断しました。


ときどき診察する機会がありますが、アキレス腱のレリーフがあることと、足底筋や足趾屈筋の力である程度は足関節を底屈できるので注意が必要です。


部位が腓腹筋損傷と紛らわしいのですが、Thompson testが陽性なので鑑別可能です。治療は、アキレス腱断裂に準じたgravity positionでのギプス固定を行う必要があります。


腓腹筋損傷と思って2-3週の外固定で終了すると著明な足関節底屈力の低下を残します。 病態的にはアキレス腱損傷なので、見逃すとかなりやっかいなことになります。


したがって、私は筋腱移行部損傷を疑う場合は、Thompson testを施行するようにしています。このあたりのピットフォールはあまり教科書には載っていないので注意が必要だと思います。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

整形外科を志すなら、キャンベル(Campbell's Operative Orthopaedics)は必須でしょう。ペーパー版以外にも、DVDやe-ditionもあって便利です。更にKindle版は約30% OFFで購入可能です。このような辞書的な医学書は、電子書籍と相性が良いと思います。




                         

             Campbell's Operative Orthopaedics: 4-Volume Set with DVD




見逃されやすい下腿三頭筋の筋腱移行部損傷

このエントリーをはてなブックマークに追加

昨夜は当直でした。20歳台の男性がバトミントンで着地した際、下腿後面に激痛が出現したとのことで受診されました。


診察するとアキレス腱のレリーフが目視でも触診でも確認できますが、Thompson testは陽性でした。圧痛点はアキレス腱停止部から12cm程度中枢です。


部位から判断して下腿三頭筋の筋腱移行部損傷と診断しました。たまに診る機会がありますが、アキレス腱のレリーフがあることと、足底筋や足趾屈筋の力である程度は足関節底屈できるので注意が必要です。


部位が腓腹筋損傷と紛らわしいのですが、Thompson testが陽性なので鑑別可能です。治療は、アキレス腱断裂に準じたgravity positionでのギプス固定を行う必要があります。腓腹筋損傷と思って2-3週の外固定で終了すると著明な足関節底屈力の低下を残します。


病態的にはアキレス腱損傷なので、見逃すとかなりやっかいなことになります。したがって、私は腓腹筋損傷と思っても全例にThompson testを施行するようにしています。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★

       
       総論   (診察・診断、治療全般、骨折・外傷、周術期管理)
 

       各論   (手の外科、肩関節、脊椎、股関節、膝関節、足の外科、腫瘍)

       その他 (関節リウマチ、痛風・高尿酸血症、骨粗鬆症、専門医試験)



アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

管理人の著書

161228 【書影】医師の経済的自由
ビジネスパートナー募集中
産婦人科
株式会社リコー様のインタビュー記事


管理人によるケアネット連載コラム
log_carenet

医師のためのお金の話

管理人による m3.com 連載コラム
管理人による幻冬舎ゴールドオンライン連載
管理人も参加しているオンラインサロン
勤務医のための資産形成マニュアル
築古木造戸建投資マニュアル

医師のための築古木造戸建投資マニュアル 1
REITで実践する不動産投資セミナー
190122
医師のための 金融資産形成術


配送無料! 医学書 購入サイト
プロフィール

自由気ままな整形外科医

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

・医学博士
・整形外科専門医
・日本リウマチ学会専門医
・不動産投資家
・超長期金融資産投資家

QRコード
QRコード
記事検索
メッセージ
免責事項
免責事項に関して明示することで、当ブログの利用者は以下の事項に同意した上で利用しているものと考えます。 ここに書かれる意見には管理者のバイアスがかかっています。 利用者が当ブログに掲載されている情報を利用した際に生じた損害等について、当ブログの管理者は一切の責任を負いません。 また、当ブログの情報は、あくまでも目安としてご利用いただくものであり、医療行為は自己責任で行ってください。 また、当ブログは医療関係者を対象にしています。それ以外の方が、当ブログの情報から自己判断することは極めて危険な行為です。 必ず医療機関を受診して専門医の診察を受けてください。 当ブログの内容は、予告なしに内容を変更する場合があります。