Medical Tribuneで興味深い記事がありました。
凍結した便の経口製剤でCDI性下痢が9割解消」です。




米・Massachusetts General HospitalのIlan Youngster氏らは,再発を繰り返すClostridium difficile感染症(CDI)患者20例に対し,凍結した便のカプセル製剤を経口投与したところ,90%で下痢が解消したとする予備的研究の結果をJAMAに発表した。


C. difficileは大腸感染症の最大の起因菌の1つ。再発を繰り返すCDIは,疾患や死亡の大きな原因となっており,成人・小児ともに世界的に感染者が増加している。標準治療はメトロニダゾールまたはバンコマイシンの経口投与だが,治療失敗の割合は上昇している。


健康な人の糞便微生物叢を移植する治療法(Fecal Microbiota Transplantation;FMT)が有効であることが報告されていたが,そのほとんどが血縁ドナーから得た新鮮便の懸濁液を注入する治療法を検討したもので,実用性や安全性が懸念されていた。


こうした障壁を克服するために,入念なスクリーニングを経た健康ドナーからの凍結便製剤をFMTに用いることが検討された。以前の研究で経鼻胃管を用いた凍結便製剤の投与が大腸内視鏡下での送達と同等に有効であったこ。


このことから,Youngster氏らは便微生物叢をカプセルに封入し,凍結保存した経口投与が可能な製剤を開発した。今回,非血縁ドナーの便微生物叢を用いた経口製剤の有効性が示されたことから,その実用化が近づいた。





整形外科的な感覚からはちょっと信じがたい治療方法ですが、この方法で難治性のClostridium difficile感染症が治癒するのなら、かなり有望な治療法だと思います。


しかし、カプセルに封入されているとはいえ、他人のナマの便を飲み込むのは精神的にちょっと勇気が要りそうです。まぁ、大腸内視鏡下に送達するよりもカプセルの方がマシですが・・・。




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