整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

紫斑

患者さんは紫斑のある部位を骨折していると思いがちです

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今日の午前は、出張先で外来をしていました。
30歳ぐらいの女性の第5中足骨基部骨折を4週間前から治療しています。


今日の単純X線像でも転位等を認めず経過良好でした。骨折部を打診して叩打痛の有無を確認したところ、「もしかしてココが骨折しているところですか??」と尋ねてきました。


「今更、何を言っているんですか、ココに決まっていますよ」と返答したところ、骨折部の出血が皮下を流れて足趾基部に沈着した紫斑部を指差して、「ココが折れていると思って、今まで大事にしていました」とおっしゃられるではありませんか!


骨折部位と全く関係無いところを骨折していると思い込んで大事にしていたとのことで、患者さんも爆笑していましたが、今更ながらに患者さんとの意識のギャップを思い知りました。


私達の感覚では骨折等の出血は、皮下を通って体の一番低い部位まで流れていくことは常識ですが、一般の方にとっては初めての経験なので分からなくて当然ですね。





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ヘノッホ・シェーンライン紫斑病(Henoch-Schoenlein Purpura; HSP)

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先日、当直中に両足背が腫れて痛がるという3歳児が受診しました。外傷の既往は特に無いとのことでしたが、1週間ほど前に腹痛で小児科を治療を受けたという既往がありました。


痛がるという足を診ると、足背全体がびまん性に腫脹しており紫斑がありました。アレッ?と思って下腿をみると赤い点状の紫斑が多数ありました。わりと典型的なヘノッホ・シェーンライン紫斑病でした。


一度診ると忘れられない特徴のある赤い点状の紫斑なので、こちらも自信をもってご両親にヘノッホ・シェーンライン紫斑病であるが、それほど心配する必要がない旨を説明しました。ただ今後1~2ヵ月程度は小児科でタンパク尿が出ないかを確認してもらう必要があることは告げました。


ヘノッホ・シェーンライン紫斑病は、何らかのアレルギー反応で小血管に炎症がおこることで発症する疾患です。全身の小血管に炎症をおこすので、消化管の小血管に炎症をおこすと腹痛、皮下の小血管におこすと紫斑、腎臓の小血管におこすと血尿をきたします。また半数以上で関節痛をきたすため、整形外科を初診するケースも多いです。


大多数は4-6週間で自然軽快しますが、稀にタンパク尿が続くときは腎症が重症化して腎不全に移行することがあります。このため、発症後1~2ヵ月程度は尿検査を継続する必要があるそうです。



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