1ヶ月ほど前に、麻酔科医師と手術前の絶飲時間について話し合いをしました。最近は術前2時間前まで清澄水(せいちょうすい)の飲水は可という風潮を勘案してのことです。
麻酔科医師もいろいろ検討してくれたのですが、やはり最終的には日本麻酔科学会の術前絶飲食ガイドラインに準じて絶飲時間を緩和することで決着しました。
現在は夕食後から絶食・眠前から絶飲としていますが、来月から術前2時間まで清澄水の飲水を可とすることになりました。
清澄水には水・お茶・果肉の入っていないジュース・炭酸飲料・ミルクの入っていない紅茶・ブラックコーヒー・経口補水液(Oral Rehydration Solution; ORS)などが含まれます。
しかし清澄水を全て認めると種類が多くて看護師さんが混乱することと、間違ってミルクを飲んでしまうリスクがあるので、飲用可能なものを「水・お茶・アクエリアス・OS-1」のみとしました。
アクエリアスとOS-1にしたのは、単に病院の売店で売っている銘柄だったからです。OS-1だけだと美味しく無いので、1~2割の方は絶飲で手術に臨んだという笑えないデータがあります。
このような理由で「水・お茶・アクエリアス・OS-1」に決着したのです。消化器外科では清澄水を飲ました方が手術成績が向上するそうですが、整形外科ではそのようなデータはありません。
しかし、私の勤務する病院は人工関節センターで勝負をしようという小規模な民間病院です。患者さんの満足度を高めるためのさまざまな対策の一環として絶飲時間を緩和したのです。
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経口補水液
今日は朝から麻酔科医師と手術前の絶飲時間について話し合いをしました。
最近は術前2時間前まで清澄水(せいちょうすい)の飲水は可という風潮です。
これを受けて整形外科でも術前2時間まで清澄水の飲水を可とするか否かを検討しようという話し合いでした。ちなみに現在は夕食後から絶食・眠前から絶飲としています。
清澄水には水・お茶・果肉の入っていないジュース・炭酸飲料・ミルクの入っていない紅茶・ブラックコーヒー・経口補水液(Oral Rehydration Solution; ORS)などが含まれます。
大塚製薬がOS-1という経口補水液を販売していますが、胃内での滞留時間が長くなる脂質等の成分を含んでいないのなら、水やお茶でも全く問題ありません。
清澄水の摂取量については、複数の研究において最大で体重あたり10mLあるいは無制限を採用しており、患者が飲める範囲内での摂取は可と考えられます。
清澄水を飲ました方が明らかに手術成績が向上するというわけではないですが、患者さんの精神的な満足度が高まるので飲んでもいいよ、というニュアンスです。
固形物に関しては、ガイドラインでは明確な絶食時間を示されていません。しかし、揚げ物・脂質を多く含む食物・肉の場合は8 時間以上空ける必要があるようです。
2012年7月に作成された日本麻酔科学会の術前絶飲食ガイドラインは、こちらからダウンロードしていただけます。
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今日の午前は、出張先で外来をしていました。
お昼に製薬会社の方による説明会がありましたが、本日のお題は経口補水液
(Oral Rehydration Solution; ORS)でした。
試飲するとまずくはないのですがあまり積極的に飲みたい味ではありませんでした。例えていうとポカリスエットを薄くしたような味です。
さて、その説明会の中で、2012年7月に日本麻酔科学会が公開した術前絶飲食ガイドラインの話がありました。欧米各国ではガイドラインが広く作成されているようですが、本邦でも安全な術前絶飲食時間の短縮に寄与することを目的として術前絶飲食ガイドラインを作成したとのことです。要点は下記のごとくです。
術前絶飲時間
摂取物 絶飲時間(時間)
清澄水 2
母乳 4
人工乳・牛乳 6
※ 清澄水=経口補水液(Oral Rehydration Solution; ORS)と考えてよいようです
清澄水の摂取量については,複数の研究が最大で体重あたり10mLあるいは無制限を採用しており、患者が飲める範囲内での摂取は問題ないと考えられています。
固形食の摂取については、ガイドラインでは明確な絶食時間を示されていません。その理由は液体に比べて固形食に関するエビデンスが不十分であること、固形食の定義が明確でなく、含まれている栄養素も様々であるからとのことです。
一方、欧米のガイドラインでは、固形食のうち軽食については摂取から麻酔導入までは6 時間以上空けることとしています。 ここで指す軽食とは 「 トーストを食べ清澄水を飲む程度の食事 」 とされています。揚げ物、脂質を多く含む食物、肉の場合は8 時間以上空ける必要があるようです。
※ 術前絶飲食ガイドラインは、こちらからダウンロードできます
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