整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

経皮的骨接合術

手指PIP関節脱臼骨折の手術治療

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先日、中指PIP関節脱臼骨折の手術を施行しました。
中節骨掌側骨片が関節面の1/3を占める骨折だったので、かなり不安定性が強かったです。


手指PIP関節脱臼骨折の治療はたくさんありますが、①難易度 ②侵襲 ③後療法の容易さ を考えて、兵庫医大の田中教授が1993年に日手会誌に投稿された術式を選択しました。



PIP背側脱臼骨折ピニング文献

(日手会誌、第10巻 第4号 605-609, 1993)



術式は上記のごとくで、非常に簡単な手技に見えます。実際、さほど難易度が高い手術ではないのですが、独りで手術するのはちょっと難しいかもしれません。


マレット骨折のDIP関節とは異なりPIP関節は結構大きいので、術者の非利き手のみでPIP関節の整復位を保持することが難しいのです。


それなりの経験年数の医師2名で行えば文字通りあっという間に終了しますが、骨折の受傷機転を理解していない人と一緒にすると意外と手こずるかもしれません。




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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく実践的な医学書です。


 







ボクサー骨折で苦戦しました・・・

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今日の午前は、第5中手骨頚部骨折(=ボクサー骨折)に対する経皮的骨接合術を施行しました。今回は意外なほど手術に手こずってしまいました・・・。術式は経皮的な髄内釘です。


まず、第5中手骨基部背側に小切開を加えました。「筋鉤をお願いします」と言ったところ、「エッ、筋鉤ですか???」という手術室看護師さんの一言からコケてしまいました。


私の中では経皮的な髄内釘だったのですが、手術伝票に”経皮的骨接合術”と記載していたため、手術室的には通常の経皮的骨接合術(=pinning)だったようです。


気を取り直して手術を再開しましたが、上手くC-wireが末梢に進みません。透視下に確認するとエントリーポイントが若干末梢側でした・・・。5mm程度の差ですがうまく髄内に刺入できません。



P1060954




なんだかんだと30分ほどかかって手術を終了しました。今回の反省点は下記のごとくです。
・ 手術室には、通常のpinningではなく、経皮的な髄内釘手術であることをはっきり伝える。
・ エントリーポイントは、できるだけ中枢側(CM関節に近接)で
・ C-wireは頑張らずに.1.0mm前後×2本の刺入でOK


いつまで経っても反省点がでてくるものです。



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小指基節骨骨端離開の整復法

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昨日の午後は、小指基節骨骨端離開(S-H type 2)の経皮的骨接合術を施行しました。
単純X線像では基節骨基部で骨折しており、遠位側が尺側・掌側に角状変形していました。



AP



麻酔下に徒手整復を試みましたが、尺側・掌側への角状変形を全く整復できませんでした。
cross pininngすればいいやと簡単に考えていましたが、整復の段階でつまづきました。


どうしても骨折部の整復ができなかったので、
Kapandji法に準じて背・尺側から1.2 C-wireを徒手的に刺入しました。そして、intrafocal pinとして遠位側骨片に刺入して整復を図りました。



整復中



intrafocal pinを遠位側骨片に刺入することで、整復位と骨折部の安定化を同時に得ることができました。intrafocal pin刺入後は、cross pinningを施行するだけです。



術後AP



intrafocal pinはそのまま刺入しておきます。やはり、中節骨や基節骨などの手指の骨折の整復が難しい症例では、
Kapandji法に準じたintrafocal pinの使用を検討することをお勧めします。




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手指骨骨折に対するpinningの工夫

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昨日の午後は、アルバイト先の病院で小指中節骨の経皮的骨接合術を施行しました。
単純X線像では中節骨頚部で骨折しており、中節骨の骨頭が完全に背側に転位していました。


このような手指の骨折に対しては経皮的骨接合術(pinning)が一般的です。しかし骨片が小さいので、なかなか思うところにC-wireを刺入できないことが多いです。


また、中節骨や基節骨の頚部骨折で完全に背側転位している症例では骨折部の不安定性が強いため、徒手的に整復位を保ちつつ至適位置にC-wireを刺入することが難しいです。


このような症例に対して、私は
Kapandji法に準じて背側からintrafocal pinを近位側骨片に刺入して骨折部の安定化を図ります。今回の症例では背側から1.0 C-wireを徒手的に刺入しました。


intrafocal pinを近位側骨片に刺入することで、整復位と骨折部の安定化を同時に得ることができます。intrafocal pin刺入後は、中節骨骨頭からcross pinningを施行するだけです。


中節骨や基節骨などの手指の骨折で転位の大きな症例では、
Kapandji法に準じたintrafocal pinの使用を検討することをお勧めします。




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小児上腕骨顆上骨折に対する経皮的骨接合術(ピニング)

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昨日の午後は、小児上腕骨顆上骨折に対する経皮的骨接合術(ピニング)でした。単純X線像でかなり転位が大きく、回旋転位も伴っていたため手術適応とのことで他院から紹介されて来ました。


小児の上腕骨顆上骨折の治療は非常に気を使います。私の中では、保存治療を行う場合も手術を行う場合も関係無くイヤです(笑)。ポイントは顆部骨片の内反・内旋転位をどう治療するかです。


正常例のcarrying angleは、男性では169度・女性では167度です。内外反角度の10度以上の転位の整復位保持は難しいので、基本的には手術適応です。


また内外反以上に回旋転位は自然矯正しないので、注意が必要です。回旋転位の有無は、顆部骨片の正確な側面像を基準とした中枢骨片前方皮質のanterior spikeの有無で判断できます。


転位が著しく大きく骨折部が不安定な場合には、麻酔下でも整復が困難となるケースがあります。私の場合には末梢骨片後方から2.0~2.4 K-wireを
カパンディ法(intra-focal pinning)に準じて刺入しています。


整復に使用したK-wireは2-3週間留置しておくことが多いです。尚、整復時には肘関節を屈曲位とするべきです。伸展位のままK-wireを刺入して整復操作を行うと顆部骨折を併発することがあるので注意が必要です。



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