医師生活が長くなると、何か所もの病院を渡り歩くことになります。
今までに、私は大学病院も含めて合計6か所の病院に勤務しました。
その中には、都市部にある1000床近くの大規模基幹病院もあれば、僻地にある公立病院、都市部の小規模民間病院までいろいろな種類の病院がありました。
医師の給与は単純明快で、高い方から下記の順番となります。精神面も含めた労働環境も、ほぼ給与と同じ順番である印象です。
- 都市部の小規模民間病院
- 僻地にある公立病院
- 都市部の大規模基幹病院
- 大学病院
しかし、コメディカルサイドからみた医療機関別の労働環境は、上記と異なり下記のようなケースが多いです。このことにはひとつの問題をはらんでいます。
- 僻地にある公立病院
- 大学病院
- 都市部の大規模基幹病院
- 都市部の小規模民間病院
①の僻地にある公立病院は、地域の雇用対策としての性格があります。業務内容の割りには給与が高いので、辞める人があまり居ません。このためコメディカルの高齢化が著しいです。
高齢化だけならさほど問題になりませんが、やる気の無い人や能力の低い人の含有率が高くなりがちです。患者さんに対する態度が横柄な人が多いのも特徴です。
これに対して最も条件の悪い都市部の小規模民間病院は、給与が低いため職員はすぐに辞めていく傾向にあります。このため、コメディカルの平均年齢は若い傾向です。
若くてよく働くが経験が少なくすぐに辞めていく人たちと、高齢であまり働かないけどずっと勤めている人たちのどちらが良いのでしょうか? 経営者の立場では明らかに前者です。
そして、おそらく勤務医の立場でも前者だと思います・・・。現在、私は前者の病院に勤務しています。皆、気持ちいいぐらいよく働きますが、条件が悪いためすぐに辞めていきます。
給与が高くてコメディカルの立場では環境の良い医療機関は、患者さんの立場ではあまり良い医療機関とはいえないところに問題点があります。難しい問題ですね。