整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

肘関節脱臼

肘関節脱臼で靭帯はどうなっている?

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先日、肘関節脱臼の患者さんが初診されました。他院で徒手整復および固定を施行されていますが、徒手整復後の単純X線像で関節内に小骨片を認めました。



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念のためにMRIを施行しました。結果は上の画像です。はっきりとした骨軟骨損傷は認めなかったため、外側側副靭帯起始部の裂離骨片だと診断しました。


何気なく眺めていると、ふと内側側副靭帯(MCL)や外側側副靭帯(LCL)が損傷していることに気付きました。肘関節脱臼後のMRIなので、考えてみれば当たり前です。


でも本当にそうでしょうか? 肘関節脱臼は、O'Driscollの報告以来、肘関節の後外側回旋不安定性と関連して認識されるようになりました。


O'Driscollの説では、①外側側副靭帯が断裂 ②前方および後方関節包断裂 ③内側側副靭帯が断裂 ④肘関節脱臼 という受傷機転です。


このためO'Driscollの説では、肘関節脱臼には外側側副靭帯損傷と内側側副靭帯損傷が必発です。ただし実際の臨床では、肘関節脱臼=内側側副靭帯損傷か否かは明らかではありません。


このため、肘関節脱臼の際に、内側側副靭帯損傷はどうなっているのだろう? という疑問がわたしにはずっとありました。それに対する回答が今回のMRIにありました。


もちろん、n=1なので今回の認識が一般的なのか否かは判定できません。しかし、曲がりなりにもO'Driscollの説を支持する画像所見だったので、私もそういう認識でいようと思います。




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仮骨性筋炎を伴った肘関節脱臼後関節拘縮の患者さんが改善しました!

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今日の午前は外来でした。以前から診ている仮骨性筋炎を伴った肘関節脱臼後関節拘縮の患者さんを診察しました。リハビリテーションを開始して約2週間程度ですが、かなり可動域が改善していました。


本日の時点(受傷後9週)で可動域が135-25-0です。幸い、単純X線像でも前回と比較しても仮骨性筋炎の増悪を認めません。このまま他動的なリハビリテーションを継続することが可能そうです。


現在週3日程度の割合で通院しており、渦流浴後にベテラン作業療法士(OT)による可動域訓練を行っています。患者さんに確認したところ、他動的な可動域訓練も痛みが出る直前までしか行っていないとのことです。


肘関節周囲骨折のリハビリテーションでは、患者さんが痛みを覚えるまで施行してしまうと仮骨性筋炎を増悪させる原因となります。この点でもさすがに心得たもので、ベテラン作業療法士には安心して任せることできます。


若い高校生なのでプレッシャーがありましたが、何とか障害が残らないように治療を敢行できそうで少し安心しました。




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仮骨性筋炎を伴った肘関節拘縮の患者さんのリハビリテーションを思い切って依頼しました

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昨日の夜診で、軽度の仮骨性筋炎を伴った肘関節脱臼後関節拘縮の患者さんを診察しました。
自主トレーニングを指示していますが、忠実に行っているらしく可動域は僅かですが改善していました。


しかし、受傷後7週間経過しているにも関わらず、可動域が110-50-0です。幸い、単純X線像で前回と比較しても仮骨性筋炎の増悪を認めなかったため、思い切ってリハビリテーションを開始することにしました。


メニューは渦流浴後にベテラン作業療法士(OT)による可動域訓練です。OTは個々の技量に大きな差があり、ベテランの中には名人芸の域にまで到達している方も居ます。


私の勤務する病院にも、非常にハイレベルな方が居るのでその方に直接依頼しました。若い高校生なので何とか障害が残らないように治療を敢行したいと思います。




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肘関節脱臼後の仮骨性筋炎

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先日記事にしましたが、肘関節後方脱臼後の高校生を外来で治療しています。
受傷後4週の時点で、90-50-0とかなりの肘関節可動域制限を残していたので、1週間後に再診してもらいました。


肘関節可動域はほとんど改善しておらず、単純X線像上では仮骨性筋炎を併発し始めていました・・・。仮骨性筋炎は、骨折や脱臼に際して関節包や骨膜が骨から剥離して、そこに生じた血腫が骨化することで発生します。


幸い仮骨性筋炎としては軽症の部類ですが、ますます可動域訓練の是非が難しくなってきました。受傷してから5週間経過しているのでこのまま放置しておくと、かなりの可動域制限が残ってしまいます。


仮骨性筋炎にはダイドロネル投与が効果的だと思いますが、脊髄損傷後と股関節形成術後の異所性骨化にしか適応が認められていません。また、小児(さすがに高校生は小児ではないでしょうが)への投与は禁忌です。


ダイドロネルの他には、NSAIDsが有効らしいです。これは、強直性脊椎炎でCox2選択阻害薬(セレコックス)が有効であることと同じ理屈なのでしょう。未成年ではありますが説明と同意の上、投与を開始しようと思います。


他動での可動域訓練は控えつつも、自主訓練ではなく通院での渦流浴と自動可動域訓練を開始しようと思います。やはり肘関節屈曲角度が最低でも115度を越えないと日常生活で支障が残るからです。




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肘関節脱臼後の可動域訓練について

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肘関節後方脱臼後の高校生を外来で治療しています。
まず上肢のギプスシーネ固定を2週間施行した後に、自動運動での肘関節可動域訓練を開始しました。


しかし受傷後4週の時点で、90-50-0とかなりの肘関節可動域制限を残しています。幸い、単純X線像上では仮骨性筋炎を併発していないため、OTに他動での肘関節可動域訓練を依頼することを検討しています。


仮骨性筋炎は、骨折や脱臼に際して関節包や骨膜が骨から剥離して、そこに生じた血腫が骨化することで発生します。研修医の頃から肘関節の仮骨性筋炎には気を付けるように散々言われているので、なかなか他動での可動域訓練を依頼する勇気がありません・・・。


ちなみに自動での肘関節可動域訓練は前腕を回内しながら肘関節を伸展・前腕を回外しながら肘関節を屈曲するように指導します。前腕を回内することで上腕二頭筋や回外筋の緊張が緩むので伸展しやすくなるからです。




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