先日、上腕骨近位端骨折に対する髄内釘がありました。
新しく来た同僚医師の執刀ですが、普段私が行っているアプローチと少し異なりました。


私は肩峰外側からの皮膚切開ですが、同僚医師は肩峰前方の皮膚切開でした。皮膚切開の中心は肩峰前縁で、肩鎖関節前縁から肩峰外側1cmぐらいまでの皮膚切開です。


このアプローチによって、上腕骨頭の直上へ到達することが非常に容易になります。私は、2.4 K-wireを
肩峰外側から2本刺入して髄内釘のエントリーポイントを確保していました。


しかし、今回のアプローチでは肩関節を伸展位(ビーチチェアポジションなので上肢を下垂するだけ)にするだけでダイレクトに至適なエントリーポイントに到達できました。


上腕骨近位端骨折に対する髄内釘の最も重要なポイントは、至適なエントリーポイントだと思います。肩峰前縁の皮膚切開は、このポイントを非常に容易にクリアできました。


同じ大学医局に属しているとは言え、異なる環境で働いていた医師の手術は勉強になります。医師の世界でも異文化(笑)との交流が大事ですね。



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