整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

肩関節

肩関節腔内注射のコツ

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今日の午前は、アルバイト先での外来でした。
肩関節周囲炎では肩峰下滑液包にヒアルロン酸製剤を注射するケースが多いです。


しかし、肩関節そのものに注射する場合には、前方から刺入すると患者さんが痛がるケースが多い印象です。私は肩関節前方から刺入する場合には烏口突起と肩鎖関節を指標にします。


単純X線正面像で烏口突起と肩鎖関節の位置を確認しながら関節内に針先を進めるのです。単純X線正面像で確認しながら注射をすることで、関節腔内注射の精度が上がりました。


しかし肩関節前方からの注射は痛がるので、最近では肩関節後方からアプローチすることが多くなりました。刺入点は肩峰下滑液包注射と同じポイントです。


この場合も慣れないうちは、単純X線正面像で肩峰と肩関節の位置関係を確認しながら刺入することで、関節腔内注射の精度が上がると思います。


たかが肩関節腔内注射、されど肩関節腔内注射だと考えています・・・。



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轢音を発する肩甲骨(弾発肩甲骨)

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今日の午前は外来でした。
30歳台前半の弾性が1年前から続く投球動作時のゴリゴリ音を主訴に初診されました。


この方は競技レベルでの野球を続けているとのことでした。診察すると確かに右側の投球動作時に肩甲骨下角付近で轢音を触知します。自発痛や圧痛等は特に認めません。


単純X線像では明らかな異常所見を認めませんでしたが、身体所見から弾発肩甲骨(snapping scapula)と診断しました。私自身はここまではっきりとしたsnappingを初めて診ました。


弾発肩甲骨とは、肩関節運動の際して肩甲骨と胸郭との間で不適合が生じて轢音を生じる状態のことを言います。原因は①骨性 ②筋肉軟部組織性 ③滑液包性 に分けられます。


最も多いのは骨性で、肩甲骨や肋骨に発生した良性骨腫瘍によるものが報告されています。診断は単純X線像およびCTで、骨性の場合には原因が判明します。


単純X線像やCTで原因がはっきりしない場合には、透視下に肩甲骨と肋骨の動きを観察すると、轢音の原因が分かることがあるようです。今日の方は②もしくは③です。


治療は、①骨性の場合には腫瘍切除等の観血的手術を、②筋肉軟部組織性や③滑液包性では保存治療が推奨されています。


今日の方は、投球動作時の轢音がすごいので放置しておくと筋肉が切れてしまうのではないか?と心配になって受診したとおっしゃられていました。


①以外での弾発肩甲骨は根治が難しいですが、轢音はそれほど心配無いことを説明すると安心して帰られました。整形外科の疾患にも、いろいろあるものです。



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肩関節前方からの関節腔内注射

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今日の午前は出張先で外来でしたが、とにかく眠くて椅子から転げ落ちそうになりました(笑)。
昨夜は当直をしていたのですが、夜中の4時ごろに病棟からコールがありました。


ネムケ眼に「はい、当直です、もしもし~」と電話にでましたが、雑音が聞こえるばかりで一向に返事がありません。1分ぐらい「もしもし~」とやっていましたが、埒があかないので電話を切りました。


おそらく深夜の看護師さんがポケットにPHSを入れたまま、何かに当たって自然にコールされたのでしょうね。変な時間に起こされたのでそれ以後眠れなくなりました。今日は少し運が悪かったです。


今日も外来では関節腔内注射をたくさん施行しました。膝関節や肩峰下滑液包内注射は簡単ですが、肩関節の前方からの注射はやや苦手意識があります。


肩関節前方は関節腔のスペースがあまり無いため、針を確実に関節内に入れることが難しいのです。私は初診時の単純X線の肩関節正面像を見ながら肩関節前方の関節腔内注射を行います。


烏口突起の位置を確認して一横指外側から刺入するのですが、単純X線の肩関節正面像を見ながら施行するとイメージしやすいのです。肩関節前方からの注射が苦手な方は一度試されてはいかがでしょうか。




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五十肩 -その病態と診断・治療から予防まで- その1

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五十肩 -その病態と診断・治療から予防まで-
日整会誌(J. Jpn. Orthop. Assoc.)86(7)2012, 516-523


第83回日本整形外科学会で教育研修講演として発表された
船橋整形外科スポーツ医学センターの菅谷先生の論文です。


下記に要約します。

・ 肩関節=肩甲上腕関節+肩峰下滑液包+肩甲胸郭関節

・ 肩甲上腕関節内の炎症
  ⇒ 肩関節が動かないように肩関節周囲筋が緊張・スパスムをおこす
  ⇒ 肩関節の可動域制限をきたす


つまり、五十肩の可動域制限は肩甲上腕関節内の炎症による疼痛に対する生体の防御反応なので、炎症期には決して無理な関節可動域訓練を行ってはいけない とのことです。


次回につづく


腱板断裂が日常生活動作に及ぼす影響 ~ 一般住民における痛みのない肩を含めた検討 ~

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Jornal of Orthopaedic science掲載論文要旨で、興味深い論文があったので抜粋します。
群馬大学の中島大輔先生の”腱板断裂が日常生活動作に及ぼす影響 ~ 一般住民における痛みのない肩を含めた検討 ~”です。


・ 対象は、一般住民462名924肩(平均年齢61.3歳)
・ 地域検診方式で、両肩の超音波検査を施行
・ 断裂群は99肩、非断裂群は825肩
・ 腱板断裂を有している場合は①肩関節の夜間痛、②肩挙上時の筋力低下 が有意に高かった


意外と腱板断裂している人が多いなというのが実感です。
普段、肩関節周囲炎として治療している患者さんの中にもたくさん含まれているのかなと思いました。

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