昨日のつづき です。


昨日のお昼過ぎから頭痛・嘔気を訴え始めました患者さんですが、絶食で経過観察していたところ、今朝から熱発が出現しました。


相変わらず心窩部を中心に圧痛があったので、血液生化学検査を施行しました。結果は、WBC/CRP 12000/3.4 と炎症反応が軽度上昇していました。


これはあまり良くない検査結果だなぁと思い、腹部CTを施行しました。すると、総胆管に石灰化を伴った大きな結石があり、胆嚢が腫大してました。


やはり、「高血圧→頭痛・嘔気」ではなく、「胃腸炎(今回は結石性胆嚢炎でした) → 嘔気 → 血圧が上昇 → 頭痛」というストーリーだったようです。


結石性胆嚢炎に関しては内科医師に相談して、パンスポリン点滴開始および絶食を指示しました。発症から治療開始まで24時間以内なので、予後はそれほど悪くないと思います。


それにしても、やはり
高齢者の熱発は要注意だと思いました。私は入院中の高齢者(>80歳)が37度台後半以上の熱発したら、すぐに血液生化学・尿検査と胸部単純X線像を施行します。


過剰医療の謗りを受けるかもしれませんが、私の経験上は80%以上の確率で治療を要する肺炎・尿路感染症・胆管系疾患等を併発していると感じています。高齢者の熱発は要注意ですね。




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