Medical Tribune Vol.46, No.13で、妊婦にインフルエンザワクチンを接種しても胎児死亡リスク増加せず という記事がありました。

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インフルエンザ(H1N1)2009に対するインフルエンザ(H1N1)2009ワクチンを接種した妊婦では胎児死亡リスクの上昇はみられなかった
New England Journal of Medicine(2013; 368: 333-340)


・ 対象はノルウェーにおけるインフルエンザ(H1N1)2009流行期間(2009年10月1日~12月31日)およびその前後に登録された11万7000件以上の出産データ

・ ワクチン接種を受けた妊婦では、インフルエンザ罹患リスクが大幅に減少した(HR=0.30)

・ ワクチン接種を受けた妊婦では、胎児死亡リスクの上昇は見られなかった(HR=0.88)

・ インフルエンザ(H1N1)2009流行期間中に妊娠していた妊婦では、流行期間中ではない期間の妊婦と比べ胎児死亡リスクが上昇していた(HR=1.26)

・ 胎児死亡リスクは妊婦がインフルエンザと診断された場合には更に高まった(HR=1.91)

・ ワクチン接種で胎児死亡リスクが増加するというエビデンスは存在しないことが明らかになった

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インフルエンザ流行時に妊娠している方にとっては、インフルエンザに罹患するかどうかは切実な問題ですね。私も妻には敢えてインフルエンザワクチンを接種させましたが、大規模研究でワクチンの有効性を証明されたのは大きな意義があると思います。


更に、ノルウェー公衆衛生研究所のCamilla Stoltenberg所長は、ワクチンは母体を守るためだけではなく、小さすぎてワクチン接種の対象とならない出生直後の児に対し、数ヶ月間ウイルス感染から守ることにもつながるため、妊婦へのインフルエンザワクチン接種を推奨する意向とのことです。




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