私の受け持ち患者さんで、第1腰椎圧迫骨折後偽関節の方が居ます。この方は80歳台・透析歴10年以上の方で、難治性の背部痛が主訴となっています。


何とかしてあげたいのですが、単純X線像では椎体前方の偽関節部周囲の硬化像を認めます。また側面の前後屈動態像では、椎体偽関節部の不安定性を認めます。


腰椎後屈時の偽関節部が拡大する、いわゆるアリゲーターサイン(Alligator sign)です。更にこの方の場合は、椎体前方の硬化した骨片が遊離しています。


私の脊椎外科の師匠に御伺いしたところ、椎体にアリゲーターサインがあると、経皮的椎体形成術単独では不安定性を取り除くことは難しいとのことでした。


椎体形成術に加えて胸腰椎後方固定術も併用する必要があるそうです。更に高齢の透析症例なので、早期にスクリューが緩む危険性が高いことが予想されます。


現時点では下肢の麻痺症状は無さそうなので、このままトラムセット等の鎮痛剤で除痛をはかることがベストなのではないかと判断しました。高齢者の透析の方は、治療が難しいですね・・・。



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