今日の午前の手術は、人工股関節全置換術(THA)でした。
若年者の両側臼蓋形成不全股で、右側は進行期・左側は初期股関節症でした。
まだかなりの若年で股関節の適合性もさほど悪くないため、左側は寛骨臼回転骨切術(RAO)の適応があります。しかし両股関節部痛で日常生活がかなり制限されているため、まずは荷重肢を作る目的で右THAを施行しました。
反対側はRAOの施行を前提としているので、約5-10mmの脚短縮が予想されます。したがって今回のTHAでは極力脚延長しないようにインプラントを設置しなければなりませんでした。
THAだけを考えると原臼蓋の高位にカップを設置するのが鉄則ですが、脚長を考えると悩ましいです。しかし若年者なので長期成績を考えて、やはりカップはセオリー通りに原臼蓋設置としました。
大腿骨頚部骨切りを多めに施行して可能な限り短いネックを選択するつもりでしたが、脱臼しない安定した股関節を獲得するために、術前と比べて5mm程度の脚延長となりました。
両側THAであれば完璧な術後単純X線像なのですが、反対側がRAO前提の場合にはもう少し脚延長を抑えたいところです・・・。そうは言っても脱臼すると元も子もないので、5mm程度の脚延長は仕方ないかなと思います。
蛇足ですが、若年者の臼蓋形成不全股は①出血量が多い ②若年者といえども骨質が悪い という特徴があります。したがってリーミングには注意が必要でしょう。
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臼蓋形成不全股
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