先日、急性腰痛症の中年女性が初診されました。
画像所見や神経学的所見で、特に異常が無かったため経過観察としました。
早期に職場復帰をする必要があったので、痛みを何とかして欲しいと懇願されました。しかし、この方は市販のバファリンでアナフィラキシーショックを併発したことがあるそうです・・・
薬剤師さんに市販のバファリンの成分を調べてもらったところ、バファリンの全ブランド中で主に下記の3つの成分が含まれているそうです。
・ アセチルサリチル酸(アスピリン): バファリンAなど
・ イブプロフェン: バファリンプレミアム、バファリンルナiなど
・ アセトアミノフェン: バファリンプレミアム、バファリンルナiなど
イブプロフェンはプロピオン酸系の非ステロイド系消炎鎮痛剤 (NSAID) です。つまり「バファリンで薬剤アレルギーがあった」と言われると既存の消炎鎮痛剤のほとんどが使用不可となります。
少し思案した結果、上記成分を含まない非オピオイド製剤であるトラマールであれば、バファリンで薬剤アレルギーを併発した患者さんに対しても問題無さそうという結論に達しました。
「バファリンで薬剤アレルギーがあった」という方は多いですが、この既往にために意外なほど薬剤処方に際して制約を受けてしまうことを改めて認識しました。
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症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方
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類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる