投資信託がさっぱり売れなくなっているそうです。
14年ぶりに、2016年度は解約と償還額が購入額を上回る資金流出を記録しました。


個人の代表的な資産運用商品である投資信託が売れなくなった原因は、圧倒的な人気を誇っていた毎月分配型投資信託に、金融庁の規制がかかったためです。


森信親金融庁長官は、4月7日に行った日本証券アナリスト協会が都内で開いた資産運用のセミナーの基調講演において、強い口調で投信業界への批判を展開しました。


森長官といえば、金融改革を推進している超大物事務次官です。森長官は過去にはなかった規模の改革を、金融業界に迫ってきました。


地銀業界に生き残りのための明確なビジョンの策定を迫り、その結果として地銀業界ではいくつもの経営統合がなされました。


また、保険業界では保険会社が代理店に支払う販売手数料が非常に高く、顧客に分からない仕組みになっていることを問題視して、販売手数料を開示させました。


この剛腕長官に睨まれた投信業界は、さぞ肝を冷やしたことでしょう。そして客観的にみると、森長官のおっしゃられることは全て正しいことだと思います。


この金融庁のプレッシャーのため、タコ配が横行している毎月分配型投信の新規設定が非常に困難になりました。このため、投信から資金流出が続いているのです。


毎月分配型投信を購入する個人投資家は、毎月受け取る分配金は精神安定剤とみなしているそうです。その分配金は、元本を削って捻出しているタコ配であるにも関わらず。。。


私の知り合いにも毎月分配型投信に投資(?)している人がいます。分配金はタコ配であることを何度も説明しましたが、アタマで分かっていても精神的な安定には代えられないそうです。


ここまでくればビョーキなのですが、ふと皆さん「安定」を求めていることに気付きました。タコ配と知っていても精神的な「安定」が欲しいと・・・


確かに、今の売れ筋商品には「安定」を撒き餌にしたモノが多いです。年金代わり(?)の投資用新築区分や、30年一括借り上げ(笑)の1棟マンションもその一派です。


学生の人気職業ランキングで公務員や医療関係職が上位にくるのは「安定」が欲しいのでしょう。長引く日本経済の低迷が、私たちの行動様式を変えてしまったのは由々しき問題です。


私は、このような「安定」を目指すことは非常にリスキーで損な行動だと考えています。「虹の足」と同じで、追いかけてもそんなモノは実際には存在しないからです。


虹は美しい自然現象です。そして、虹の足には財宝が隠されているという民話が海外にあります。その財宝を狙って虹の足を目指しても、虹は遠ざかっていくだけ・・・


この世に生を得たからには、死ぬ瞬間までリスクを取って闘い続けなければいけないと思います。「そんな生き方はストイック過ぎて疲れるだろう」という人は多いと思います。


しかし「社会が助けてくれる」という甘えた考えでOKだったのは、地球上の全生物の中でも、人類>20世紀>一部の先進国>一部の恵まれた世代 のみが享受できた「奇跡」です。


生物が誕生してから40億年が経ちましたが、その間に地球上で生まれた命の数と対比すると、他力本願で生きることができる確率は、0.0000000000000001%程度しかありません。


普通の生物は、環境に対応した変化を放棄した瞬間に命が尽きてしまいます。誤解を恐れずに言うと、他人に依存する「安定」は、自然の摂理に反する勝ち目のない退却戦です。


そうは言うものの、私も「安定」が好きです。ただし「安定」は自分の力で勝ち取るものです。他人に頼って「安定」を得る行為は安定ではなく、単なる「隷属」だと思うのです。




★★  医師のための金融資産形成術  ★★


資産家および医師を対象として、2015年10月に開催した本ブログ管理人による 「金融資産形成術セミナー」 の動画、および講演で使用したスライドです。



NY夜景

      



勤務医・開業医の種類に関わらず、医師が資産形成する際には下記の3つを組み合わせることで効率良く資産形成することができます。


1. 医師免許をベースにした人的資産からのキャッシュフロー
2. 不動産からのキャッシュフロー
3. 金融資産投資の技術


①②で得られる安定したキャッシュフローを元手にして、③の金融資産投資技術を用いて資産形成するのです。しかし、多忙な医師が金融資産投資で結果を出すのは難しいのが現実です。


一方、金融資産投資は買値で投資収益性が決まります。 ”多忙な医師がいかにして金融資産を安く買うか?” という命題を解決するため、私は超長期逆張り投資戦略を選択しています。 


今回の「金融資産投資術セミナー」は、資産形成マニュアルで提示した資産形成手法における金融資産投資の各論です。築古木造戸建投資は「守」、金融資産投資は「攻」という位置づけです。


築古木造戸建投資の「守」 と 金融資産投資の「攻」の組み合わせが、安定的な所得のある医師の資産形成における有力な選択肢のひとつと考えています。