整形外科医のブログ

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術前計画

上腕骨顆部骨折の術前計画

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先日、高齢者の上腕骨顆部骨折に対する関節内骨折観血的手術を行いました。
下の画像のように上腕骨顆部が粉砕しており、高度の不安定性をきたしています。


術前AP



術中所見では、上腕骨小頭は完全にフリーの状態でした。さて、このような骨粗鬆症がベースの上腕骨顆部骨折に対してはロッキングのdual plateによる強固な内固定が必要です。


今回使用したのはZIMMER BIOMET社のA.L.P.S Elbow Plating Systemです。このプレートの売りは、in-situ bendingが可能なことです。


ロッキングプレートにも関わらず、上腕骨の形状に合わせてbendingすることが可能です。しかも部分的に上腕骨にロッキングスクリューを刺入した状態でもbending可能なのです。


術後AP



実際、今回の手術でも側面像で滑車骨片の中央にスクリューを刺入するために、術中にプレートのbendingを追加しました。なかなか便利なプレートだと思いました。


上腕骨通顆骨折や上腕骨顆部骨折などの遠位骨片が小さい症例では、術前にテンプレートでロッキングスクリューが顆部のどの位置に刺入されるかをシュミレーションする必要があります。


これを怠ると、ロッキングスクリューを顆部の至適位置に刺入できずに固定性不良となる可能性があります。必ず、術前にロッキングスクリューがどの位置に刺入されるのかを確認しましょう。



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TKA: 術前計画をフィルムに直接書き込む方式に変更しました

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私が勤務している病院では、2012年度の人工関節全置換術の症例数が68例でした。
整形外科常勤医が3名の病院としては、症例が多い方だと思います。


年末年始やゴールデンウィーク期間を除外すると、平均して週2症例程度です。3名体制なので、どんどん業務をこなしていかないと間に合いません。術前の自己血貯血や手術説明(informed consent; IC)も大変ですが、術前の作図も時間的に結構な負担になっています。


TKAの術前計画に関しては研修医時代からの習慣で、トレーシングペーパーに単純X線像をトレースしてインプラントのテンプレートのコピーを貼り付けるという「作図」という作業を行っていました。しかし、1症例あたり30分程度掛かるので、時間的な負担が馬鹿になりません。


TKAの術前計画において、実際的に最も重要なポイントは下記の4つです。
① 正確な単純X線像の2方向でのインプラントのテンプレーティング
② 立位下肢全長正面像での外反骨切り角
③ 立位下肢全長正面像での大腿骨側髄内ガイドのエントリーポイント
④ 立位下肢全長正面像での大腿骨・脛骨内外顆の骨切り量



P1050900




単純X線像のフィルムに直接書き込む方が、紙にトレースするよりも断然早くて正確な術前計画が可能です(勤務先は画像をフィルムで運用しているので、高精細モニタによるデジタルプランニングツールの使用経験はありません)。


そこで、最近は紙ベースでの「作図」は止めて、フィルムに直接書き込む方式に変更しました。これだと5分程度で術前計画が終了するので、非常に時間的にも楽になりました。研修医時代からの慣習に囚われずに、省略化できることはどんどんやっていこうと思っています。


※ THAに関しては、フィルムに直接書き込む方式よりも紙ベースでの「作図」の方が望ましいと考えています。


膝蓋骨低位症例に対するTKA

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今日の午前の手術は、人工膝関節全置換術(TKA)でした。
1ヶ月前にもありましたが、膝蓋骨低位の症例であったため展開が難しかったです。


もちろん膝蓋骨低位は、術前から予見できます。
したがって術前計画で周到に対策を練ることが可能です。
私なら下記のごとくの対策を講じます。


・アプローチは、medial parapatellar approachとする。
・大腿四頭筋腱の切離を中枢まで延長する
・大腿骨外顆の骨棘切除
・膝蓋骨関節面のラフカット
・大腿骨を切り上げすぎるとjoint lineが上るので、スペースがタイトな場合は脛骨の切り下げを優先する

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