Medical Tribune Vol.46, No.4で、表面置換型人工股関節置換術は全置換術よりも早期再手術率が高い という記事がありました。

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ブリストル大学臨床科学部整形外科 Ashley W. Blom教授
Lancet (2012; 380: 1759-1766)


・ 表面置換術では、関節面が常に金属同士である
・ 骨温存可能なため、表面置換術は従来のTHAの代替療法として若年患者に施行されることが多い
・ 2003.4月~2011.9月にイングランドおよびウェールズにおいて、初回人工関節手術を受けた434560例のデータを抽出
・ そのうち31932例が表面置換術であった(7.3%)
・ 術後7年以内に再手術が行われた症例数を調査した
・ 大腿骨頭サイズが小さいほど再手術率が高い
・ 55歳の女性の場合、再手術率がTHAの5倍であった

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この研究結果を受けて、Blom教授は「表面置換術を受けた女性の再手術率は、許容できないほど高い。女性は大腿骨頭サイズが小さいことが多いため、表面置換術を施行しないことを勧める」と強調されているようです。


表面置換術は手術手技が難しいのですが、結果がここまで悪いと敢えて表面置換術を選択する理由が無くなりますね。インプラントの選択は長期成績を確認してから決定する方が、患者さんの利益になるように思います。




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