整形外科医のブログ

中堅の整形外科医が、日々の気付きを書き記します。投資の成功で働く必要が無くなりましたが、社会貢献のため医師を続けています。

裁量権

後医の裁量権を尊重しよう!

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先日、初診外来をしていた際に、前日に時間外受診した患者さんが再診しました。易感染性の基礎疾患がある方で、中指末節骨骨髄炎を併発していました。


発症後2週間ほどで、すでに外科で切開排膿されています。それまで外科外来で延々と創処置を受けていましたが、たまたま前日の担当医師は、他院からの整形外科医でした。


きっと、診察して驚いたのでしょう。できるだけ早期の治療が望ましいので、明日入院準備をして整形外科を受診するように指示したそうです。ばっちりカルテにも記載されています。


私の診察時には、確かに末節骨骨髄炎ではあったのですが、発症してからまともな検査がなされた形跡がありません。培養も提出されていないので、抗生剤の選択も難しい状況です。


客観的にみて、培養結果が出るまでは外来でも対応可能な状況です。しかし、カルテには「要入院」とはっきり記載されています。困ったな・・・


患者さんは入院準備して来られているのですが、入院しても特段やることはありません。人工関節センターを併設しているので、むやみに感染患者さんを入院させたく事情もあります。


今後の治療方針は下記の予定です

  1.  培養に提出して起炎菌と薬剤感受性を同定
  2.  薬剤感受性のある抗生剤を投与
  3.  ある程度感染を鎮静化させた上で、掻破洗浄術を施行


①もできていない段階で、いきなり入院指示を出されると非常に困ります。後医の治療の選択肢を制限してしまう内容は、できるだけカルテに記載するべきではないでしょう。


特に、年次の高い医師は、このことに留意するべきだと思います。経験豊富であるため、自分の治療方針に絶対の自信を持っている医師が多いです。


しかし、治療を行う医療機関の事情まで考慮しているケースは稀です。今回は、以前ご紹介したケースの亜型だと思いますが、後医の裁量権は奪わないように注意したいものです。






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前医のメンツも大切に・・・

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病院勤務医をしていると、近くの医療機関から患者さんの紹介を受けることが多いです。
その中でも骨折の患者さんの場合には、注意が必要だと思います。


先日も上肢骨折の患者さんの手術目的での紹介がありました。転位が少なく高齢者であったため、同僚医師は手術よりも保存治療が望ましいという判断で紹介元の前医に送り返しました。


その患者さんが紹介元の前医を再診したところ、やはり手術が必要とのことで前医から同僚医師に直接連絡があったそうです。患者さんも同僚医師も前医に振り回された形です。


以前にもご紹介したように、私は紹介先医師(後医)の裁量権を尊重する診療情報提供書の作成を心掛けています。後医の裁量権を奪わないように気を付けているのです。


今回のケースを検証すると、一番の問題は前医の姿勢です。しかし、後医の立場としては、前医のメンツや医療資源が限られている現実(手術設備が無い)に配慮するべきでした。


今回の案件から手術目的で紹介を受けたなら、仮に保存治療を選択しても前医に送り返すのではなく、後医の医療機関で治療を行うことがスマートな対応だと感じました。



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