整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

装具

手製のマレット装具

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先日、腱性マレット指の患者さんに、DIP関節固定装具をオーダーしました。1週間後に再診してもらったところ、見たことの無い装具(?)を装着していました。


よくよくご本人にお伺いすると装具業者さんの持ってきた装具が指に全然フィットしなかったそうです。このため、手製の装具を作製しました!とのことでした。


8888 - コピー



具体的には上記のようなシンプルなモノです。竹の緩やかなカーブが、ちょうどいい感じで指にフィットしていました。PIP関節にかからない程度に切断しており、長さも問題なしでした。


DIP関節レベルでテープで固定していたため、下手すると本物のDIP固定装具よりも装着感がいいかもしれません。患者さん恐るべしです。


私たちは、普段から「商品化」された装具に親しんでいます。しかし、手製装具であっても、商品化された装具に勝るとも劣らないケースがあることに気付きました。


患者さんがきっちりと病態に対する認識をしていれば、思いがけない発明が飛び出してきそうです。斬新な発想は、医療の素人の方が切れ味が良いのかもしれませんね。







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豊富な図や画像が提示されているため、ほとんどの骨折や脱臼に対応することが可能です










小児の尺骨鈎状突起単独骨折

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昨日の午前は、アルバイト先での外来でした。
器械体操中に右手をついて肘関節を強制伸展してから痛いという小学生が初診しました。


単純X線像で、尺骨鈎状突起の裂離骨折を認めました。上腕骨内顆からMCLにかけての腫脹・圧痛はありませんでした。徒手検査でも内側の不安定性を認めませんでした。


尺骨鈎状突起骨折例では前方+内側不安定性をきたす複合靭帯損傷(不安定症)が多いと思いますが、幸い(?)この患児は尺骨鈎状突起裂離骨折のみのようです。


尺骨鈎状突起の転位が大きい複合靭帯損傷(不安定症)症例は手術適応です。手術は前方から展開して、尺骨鈎状突起をHerbert screw等で内固定します。


この手術は術野が深くて神経血管束を避ける必要があるので、私には苦手意識があります。しかし、今回は鈎状突起単独骨折であることと、小学生であるため保存治療を選択しました。


成人の保存治療では、最初の2週間程度は肘関節90度でギプスシーネ固定とします。そして受傷後1週の段階で、支柱付きの肘関節装具の採型を行います。


この装具には伸展制限をつけることができるようにストッパーをオプションで追加します。2週間でギプスシーネを除去してから、この装具を3ヶ月程度常用するのです。


当初は鈎状突起の転位を防ぐために、最初は屈曲45~60度までの伸展制限をつけておきます。段階的に伸展制限を軽減していき、最終的には受傷後6週程度で伸展制限を無くします。


成人で肘関節を長期間固定すると高度の拘縮を残します。可動域を保つには、早期から支柱付き・伸展制限付き装具装着下に積極的な肘関節可動域訓練を行う必要があるのです。


難点は、この支柱付き・伸展制限付き装具が約9万円と非常に高価なことです。自分の健康保険を利用する場合には価格のことも含めた話をするべきだと思います。


今回は小学生なので、多少長い期間外固定を行っても肘関節拘縮を残す可能性は低いです。したがって装具を処方せずに外固定を4~6週間程度施行することにしました。




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外来に価格表があれば便利です

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整形外科外来をしていると、装具を処方する場面が多いと思います。
しかし、装具は一般社会の金銭感覚からすると、かなり高価なモノだと思います。


私達は、おおよその装具の価格を知っているのであまり何も感じませんが、全く知識の無い患者さんにとっては目が飛び出そうな価格だと感じることが多いようです。


経済的な理由で装具を購入できない方が時々居られます。価格の説明無しで、いきなり装具業者に回すと、装具が高価なために購入できないというトラブルに発展することがあります。


こうなるとお互いバツが悪いので、私はできるかぎり装具の価格を説明して了承をいただいた上で、装具業者の方に行ってもらうようにしています。


しかし、装具といっても様々なモノがあるので、正確な価格を全て暗記しておくのは面倒です。そこで、主な装具の価格表を外来に準備しておくことにしました。


こうすることで、「ダーメンコルセットは25000円なので、3割負担なら7500円の自己負担です」等のトークがスムーズにできます。自信を持って正確な価格を伝えることで信頼度がアップします。


これを応用してMRIなどの画像検査の価格表も外来に準備しておくと更に便利です。最近は経済的に余裕の無い世帯が多いので、無用なトラブルを未然に回避することにつながると思います。




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尺骨鈎状突起骨折の治療

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昨日の午前は、出張先での外来でした。
仕事中に転落して右手をついてから肘が痛いという方が初診されました。


単純X線像で、尺骨鈎状突起骨折を認めました。上腕骨内顆からMCLにかけての腫脹・圧痛も認めたため、肘関節の前方+内側の複合靱帯損傷(不安定症)と診断しました。


このような前方+内側不安定性をきたす肘関節損傷は尺骨鈎状突起骨折例に多いと思います。尺骨鈎状突起の転位が大きい症例ではもちろん手術適応です。


前方から展開して尺骨鈎状突起をHerbert screw等で内固定しますが、術野が深くて神経血管束を避ける必要があるので私は苦手意識があります。麻酔が掛かっているので、MCLはついでに縫合することが多いです。


しかし、今回は鈎状突起の転位がほとんど無かったため、保存治療を選択しました。保存治療を行う場合には最初の2週間程度は肘関節90度でギプスシーネ固定とします。


そして受傷後1週の段階で、支柱付きの肘関節装具の採型を行います。この装具には伸展制限をつけることができるようにストッパーをオプションで追加します。


2週間でギプスシーネを除去してから、この装具を3ヶ月程度常用するのです。当初は鈎状突起の転位を防ぐために、最初は屈曲45~60度までの伸展制限をつけておきます。段階的に伸展制限を軽減していき、最終的には受傷後6週程度で伸展制限を無くします。


肘関節を長期間固定すると鈎状突起は骨癒合しますが、肘関節に高度の拘縮を残します。肘関節前方および内側の不安定性の治療をしつつ可動域を保つには、早期から支柱付き・伸展制限付き装具装着下に積極的な肘関節可動域訓練を行う必要性があるのです。


難点は、この支柱付き・伸展制限付き装具が約9万円と非常に高価なことです。労災や交通事故の場合には問題になりませんが、自分の健康保険を利用する場合には価格のことも含めた話をするべきだと思います。




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広島大学名誉教授の津下先生による、手の外科における必須の医学書です。
特に、「私の手の外科」は津下先生直筆のイラストが豊富で、非常に分かりやすく
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