整形外科医のブログ

投資の成功によって30歳代で経済的自由を達成しました。 医師起業家として年商10億円企業を目指して日々奮闘中

製造特許

効かないのはジェネリックだから?

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先日の外来で、アキレス腱周囲炎の患者さんを診察しました。
初回は他の医師にロキソニンを処方されたのですが、効果が無いとのことで再診されました。


診察すると確かにアキレス腱周囲炎のようです。外用剤も処方されていますが、効果は全く無いとのことでした。仕方無いのでトラムセットを処方しようと思いました。


その時に、ロキソニンは先発品を服用していたのか確認しなければならないことに気付きました。すると、やはりこの方はロキソニンのジェネリック医薬品を服用していたとのことでした。


私は、先発医薬品とジェネリック医薬品の間で効用に明らかに差があると感じています。特に消炎鎮痛剤はストレートに効果が発現するので先発医薬品との差異が顕著になります。


以前、ロキソニンのジェネリック医薬品で消化管潰瘍が多発したため、危機感からジェネリック医薬品について調べました。まず「特許が切れた」のは物質特許であり薬の主成分そのものです。


しかし物質特許以外にも「製法特許」や「製造特許」が存在するので、製法特許が切れていなかったら同じ添加物を加えることができません。


そして、添加物が変われば主成分の溶出速度や吸収速度が変化するため、薬の効用や副作用の併発の頻度が大きく異なるのです。


更にジェネリック医薬品の試験に「有効性の試験」は存在しても「安全性の試験」はありません。しかも有効性の試験といっても、統計学的に±20%の範囲であれば差がないと判断されます。


先発品と比べて20%だけ多く効果があったり、その逆に効果が少なかったりしても「有効性は同じである」と判断されます。つまり、ジェネリック医薬品は先発医薬品とは異なる薬なのです。


ジェネリック医薬品は、「特許が切れた薬」「安価なのに先発医薬品と同じ効果を得ることができる」と言われていますが、実際に治療を行う臨床医の感覚では 「建前だな」 と思います・・・。


このため、メンドウなのですが初診時には先発医薬品を選択するように説明しています。ジェネリック医薬品では本当に効果が無いのかが判断できないからです。


先発医薬品で効果が無いのなら次の手を考える必要がありますが、ジェネリック医薬品では先発医薬品を試してみます。そして、先発医薬品では効果がある症例が多いです・・・


あまり声を大にして言えないですが、「その薬が効かなかったのはジェネリック医薬品だったからではないのか?」 という視点を持つことも実際の臨床の現場には必要だと思います。



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



腰部脊柱管狭窄症では先発医薬品!

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新しく赴任された先輩医師と話をしていて、ひょんなことから腰部脊柱管狭窄症の話題になりました。腰部脊柱管狭窄症では薬物治療が第一選択になります。


腰部脊柱管狭窄症の薬物療法では効果と副作用発現頻度のバランスを考慮して、オパルモンやプロレナールなどのリマプロスト(プロスタグランジン製剤)を頻用しています。


御多分に漏れずリマプロストにもジェネリック医薬品があります。そして、リマプロストはロキソプロフェンと同じぐらい、その効用に先発医薬品とジェネリック医薬品の間で差がある印象です。


ジェネリック医薬品は、ジェネリックメーカーだけではなく情報番組などでもしばしば取り上げられており、国を挙げてジェネリック医薬品の利用を推進しています。


ジェネリック医薬品は、「特許が切れた薬」「安価なのに先発医薬品と同じ効果を得ることができる」と言われていますが、実際に治療を行う臨床医の感覚では本当かな? と思います・・・。


ロキソニンのジェネリック医薬品で消化管潰瘍が多発したため、危機感からジェネリック医薬品について調べました。まず「特許が切れた」のは物質特許であり、薬の主成分そのものです。


しかし物質特許以外にも「製法特許」や「製造特許」が存在するので、製法特許が切れていなかったら同じ添加物を加えることができません。


そして、添加物が変われば主成分の溶出速度や吸収速度が変化するため、薬の効用や副作用の併発の頻度が大きく異なるのです。


更にジェネリック医薬品の試験に「有効性の試験」は存在しても「安全性の試験」はありません。しかも有効性の試験といっても、統計学的に±20%の範囲であれば差がないと判断されます。


先発品と比べて20%だけ多く効果があったり、その逆に効果が少なかったりしても「有効性は同じである」と判断されます。つまり、ジェネリック医薬品は先発医薬品とは異なる薬なのです。


ロキソニンのジェネリック医薬品のように生命に関わる事象は発生しないですが、リマプロストのジェネリック医薬品はとにかく効果が無いケースが多いです。


私たちも患者さんに治ってもらわなければ困るので、腰部脊柱管狭窄症に関しては、オパルモンやプロレナールなどの先発医薬品の処方を心掛けています・・・。



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 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


       類似薬の使い分け―症状に合った薬の選び方とその根拠がわかる



ジェネリック医薬品は大丈夫なのか?

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マスコミでは相変わらずジェネリック医薬品の宣伝が目立ちます。ジェネリックメーカーだけではなく情報番組などでもしばしば取り上げられており、国を挙げてジェネリック医薬品の利用を推進しています。


ジェネリック医薬品は、「特許が切れた薬」「安価なのに先発医薬品と同じ効果を得ることができる」と言われていますが、臨床医として実際に治療を行う者の感覚としては本当かな?と思うところがあります。


整形外科医が処方する医薬品の代表には消炎鎮痛剤があります。ロキソニンにもジェネリック医薬品が多く販売されていますが、その中のひとつであるロキソ○○○には悩まされました。


当時勤務していた病院の採用薬だったので術後の鎮痛剤として使用していましたが、鎮痛効果がイマイチなのに副作用である消化管潰瘍の併発率がロキソニンと比べて異常に高いのです。


どう考えてもロキソニンと同一薬とは思えなかったので、ジェネリック医薬品について調べてみました。すると今更ながらなのですが、ジェネリック医薬品の正体に気付かされました・・・。


まず、「特許が切れた」のは物質特許であり、薬の主成分そのものです。しかし物質特許以外にも「製法特許」や「製造特許」が存在するので、製法特許が切れていなかったら同じ添加物を加えることができません。


添加物が変われば主成分の溶出速度や吸収速度が変わってしまいます。また、製造特許が切れていなかったら同じ剤形を用いることができません。薬には錠剤、カプセル、粉状などさまざまな形があります。


つまり同じ錠剤でも薬の添加物や剤形が変わると主成分の溶出速度や吸収速度が変化するため、薬の効用や副作用の併発の頻度が大きく異なるのです。



更にジェネリック医薬品の試験には「有効性の試験」は存在しても「安全性の試験」はありません。しかも、有効性の試験といっても統計学的には±20%の範囲であれば差がないと判断されます。


つまり、先発品と比べて20%だけ多く効果があったり、その逆に効果が少なかったりしても「有効性は同じである」と判断されるのです。ジェネリック医薬品は先発医薬品の全く同じコピー商品と言うわけではないのです。


ジェネリック医薬品を選択するということは、安価というメリットと引き換えに先発医薬品に比べて十分に有効性と安全性が確認されていない薬を使用するリスクを患者さんが負うことになるのです。 もし家族に処方するとしたら? 私なら少々高くても先発医薬品を選択します・・・



       ★★★  管理人 お勧めの医学書  ★★★


 
 一般的で使用頻度の高い、鎮痛薬・睡眠剤・感冒薬・胃薬・止痢薬・去痰薬・便秘薬等の薬剤が、全13章にわたって系統立てて書かれています。それぞれの章の最初に、薬剤の分類図が記載されています。各系統間の薬剤の使い分けも平易な文章で書かれており実践的な書籍です。


                      

 症状と患者背景にあわせた頻用薬の使い分け―経験とエビデンスに基づく適切な処方





姉妹本に『類似薬の使い分け』があります。こちらは全15章からなり、降圧剤、抗不整脈薬、狭心症治療薬、脂質異常症治療薬、糖尿病治療薬、消化性潰瘍治療薬、鎮咳薬、皮膚科疾患治療薬、抗菌薬などが1章ずつ割り当てられています。


                       


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